
2011年度の活動報告
(1)昨年度に引き続き、プロジェクトメンバーを中心とする研究会を定期的に開催し、研究活動の活発化をはかった。この研究会では大学院生などによる研究報告に加え、方法論に関する先端的文献を題材とする研究会も行い、メンバー間の方法論の共有と理解の深化を目指し、今年度はとくに質的(定性的)な分析手法に関する英語文献をとりあげた研究会が行われた。
(2)GLOPEで大学院生によって組織されていた比較政治経済分科会を継承し、GLOPEIIにおいても比較政治経済分科会を1回開催した。(3月3日、早稲田大学早稲田キャンパス11号館にて開催)。これまでの分科会では東京大学、北海道大学、名古屋大学、筑波大学などの他大学の大学院生が報告者として参加し、大学の垣根を越えた研究交流が生まれてきており、今年度も神戸大学、防衛大学校など他大学の大学院生と共同で研究会を組織し、若手研究者にとっての比較政治経済研究の核を形成することを目指している。
(3)また、昨年度同様、プロジェクトメンバーによる国内外での研究発表を活発に行い、研究交流をさらに進めていくと同時に、各プロジェクトメンバーの研究水準のさらなる向上が目指された。豊田紳は日本選挙学会で、田中(坂部)有佳子は日本比較政治学会で研究発表を行った。また研究協力者の教員についても、伊東孝之がロシア東欧学会で、久保慶一が日本比較政治学会で研究発表を行った。これらの活動を通じてこれまでの研究成果の発信や研究交流を行った。
(4)本プロジェクトの研究成果を形にするために、2012年度中の書籍刊行を目指し、研究会を開始した。まず執筆予定者を集めて議論を行い、書籍全体のテーマやコンセプト、それとの各執筆者の論文の関連などについて議論が交わされた。9月にも研究会を実施し、執筆予定者の論文のプロポーザルをもとに議論が交わされた。現在は2012年3月末を目途に各執筆者が論文草稿を提出するのを待っている段階であり、今後は、それをもとに2012年度前半に集中的に研究会を実施して論文修正の方向性を定め、2012年度中に書籍を刊行することを目指している。