2009年度の活動予定・研究目標
◆本プロジェクトの研究目的
本プロジェクトの研究目的は、変革期社会における「期待」と「制度」の相互作用と、そうした相互作用が現実の政治・経済におよぼす影響を比較政治学の立場から分析することである。「期待」と「制度」の相互作用は、比較政治学の分析対象となってきたさまざまなテーマ・イシューを通じて分析することが可能である。たとえば、政治体制変動、民族紛争や内戦、紛争後の制度構築・平和構築、国家形成・分裂、法の支配、統治システム、政党システム、投票行動、福祉国家、汚職などが挙げられよう。比較政治学では近年、計量分析の導入による因果効果の推定に顕著な発展がみられている。本プロジェクトはこうした最新の分析手法を駆使することで、一般化の可能な理論・仮説の検証を目指していく。同時に、ゲーム理論やシミュレーションによる理論構築の手法を活用し、画期的な理論の構築も試みていく。このように、さまざまなイシューにおける「期待」と「制度」の相互作用に関する諸事例の分析、理論の構築と仮説の導出、そして計量分析による仮説の検証を通じて、GLOPEIIが目指す新たな学問分野の創出に貢献することを目指したい。
◆本年度の活動予定と成果目標
本年度は、昨年度に引き続き、研究メンバーを中心とする研究会を定期的に開催し、研究活動の活発化をはかる。この研究会では大学院生などによる研究報告に加え、方法論に関する先端的文献を題材とする研究会も行い、メンバー間の方法論の共有と理解の深化を目指す。また本プロジェクトは、GLOPEで大学院生によって組織されていた比較政治分科会を継承し、GLOPEIIにおいても比較政治経済分科会(名称仮)を2回、開催する予定である。GLOPEで開催した分科会には他大学(東京大学や名古屋大学など)の大学院生も多く参加した。GLOPEIIにおいても同様に他大学の大学院生と共同で研究会を組織し、若手研究者にとっての比較政治経済研究の核を形成することを目指したい。
また国内外の研究者との研究交流も本年度から積極的に推進していく。2009年5月には米国・Texas A&M UniversityのMarisa Andrea Kellam博士をお迎えし、比較政治学の方法論やラテンアメリカ政治研究について3〜4回の連続ワークショップを開催する予定である。また、10月頃に神戸大学准教授の高橋百合子博士をお迎えしてラテンアメリカ地域に関するワークショップを開催する予定である。本プロジェクトは、昨年度、ポスト共産主義圏の体制変動、制度構築に関するワークショップを多数実施した。今年度は、このように、ラテンアメリカ研究者によるワークショップやセミナーを実施していくことで、地域を越えた比較分析を進めていくことを目指したい。また本プロジェクトの参加者による海外での研究発表、成果の発信も積極的に行っていく。今年度は、東島と中井が7月に世界政治学会において研究発表を行う予定である。
本プロジェクト参加者は政治制度データベース・プロジェクト(Project BABEL, http://www.aoni.waseda.jp/mkmstr/)の企画・運営を行っている。このデータベースは世界各国の政党、選挙、統治システム、為政者、政治体制についての非集計データ(パネルデータ)を蒐集しており、このデータベースを活用すれば、世界的にみてオリジナリティ・先端性が高く、GLOPEIIの目的とも密接に関連した計量分析を行うことが可能となる。こうした独自のデータベース構築を進め、順次公開することも、本年度の重要な活動目標の一つである。
このように、昨年度に引き続き、�仝Φ羃颪鯆未犬織瓮鵐弌軸屬慮Φ翳鷙陝∧�法論の共有、ならびに若手研究者の比較政治経済研究のコア形成、��活発な研究交流、��政治制度データベースの構築、を本年度の主要な活動目標とし、世界水準の比較政治経済研究を進めていくための土台を築きたいと考えている。







