
2010年度の活動報告
(1) 破産問題における整合性の受容性の研究(参加者 大和、船木、山邑、Chun)
ある事業に対して投資を行った出資者の間で,事業で得た利益をどのように配分するか,あるいは事業で被った損失の責任をどのように負担するかを決める状況を設定し、整合性を満たすルールがうまく機能するのか,あるいは,出資者が利益の配分や損失の負担においてどのようなルールの特質を重要視するかを調べる実験を2009年度に行った。その研究成果のまとめについては現在進行中である。
(2) 破産問題における整合性の理解の実験(参加者 大和、船木、竹内、Vyrastekova)
上記のような分配問題において人々は整合性ルールをどのように理解するか。あるいは他の人々は整合性に対してどのような期待形成をするかを実験により検証するプロジェクトであるが、本年度はあまり進展しなかった。現在、再度、実験計画を練り直している。
(3) 整合性の理論研究の研究(参加者 戸田、船木、上條、近郷、我妻、Chun、Chang)
上記の配分ルールの整合性、そのほかの新しいルールの整合性、整合性の役割を理論的に研究した。さらに、マッチング問題などのさまざまな経済的な文脈に応用し、整合性の妥当性の研究を継続した。マッチング理論問題に関しては、現代政治経済研究所 船木部会(略称 月・金セミナー)と共催で連続して5回のセミナーを行った。また、この分野の第一人者であるWilliam Tomson教授が別件で来日した際に、早稲田大学に1週間滞在していただき、セミナー、討論を行い、研究成果について貴重なコメントを頂いた。