制度構築の政治経済学−期待実現社会に向けて−
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プロジェクト紹介

 制度の整合性と人びとの期待

活動予定・研究目標

制度において達成された成果・利益をどのように参加メンバーに配分するかは,制度のデザインにおいて非常に重要な問題である.参加者の制度に対する単純な貢献度だけではなく,自分が受け取る配分に対する参加者の期待なども考慮に入れて,制度の安定,維持,発展を実現するような配分ルールを採用する必要がある.そのような配分ルールが人々に受け入れられるか否かの重要な理論的な基準として、「整合性」の基準がある。これは制度の構成員全員が受け入れた配分ルールは、いかなる部分メンバーが再検討を行った場合にもそのルールが受け入れられるという基準である。すなわち、全体と部分の整合性といいいかえることもできる。その際、部分メンバーによる検証は実際に制度を再構築するわけではなく、その状況を想定して議論を必要があるので、そのような場合における人々行動の予想が重要である。すなわち、制度のメンバーが変動した際に生じる制度の変容とその受容性に関する人々の期待を分析する必要がある。この整合性の研究は、経済理論、社会的選択理論、協力ゲーム理論において盛んであり、インターンの病院への割り当て問題、交換経済の基本定理など多くの文脈で理論的な研究がなされている。
本プロジェクトでは,ゲーム理論や社会選択理論において分析されてきたさまざまな制度の成果配分ルールについて、その整合性基準による妥当性を実験によって検証することである.以下のサブテーマについて実験および理論的研究を行う。

(1)破産問題における整合性の受容性の実験:ある事業に対して投資を行った出資者の間で,事業で得た利益をどのように配分するか,あるいは事業で被った損失の責任をどのように負担するかを決める状況を設定する。この問題において、整合性を満たすルールがうまく機能するのか,あるいは,出資者が利益の配分や損失の負担においてどのようなルールの特質を重要視するか,などを実験研究によって明らかにしたい。

(2)破産問題における整合性の理解の実験:上記の分配問題において人々は整合性ルールを理解するか。あるいは他の人々は整合性を理解すると考えるかを実験により検証したい。特に整合性を満たす2つのルールとして比例分配ルールとタルムードルールを取り上げ、それが良く理解され受け入れられるか、さらにどちらのルールを人々は好ましいと考えるか、などの点について実験を行う。

(3)理論研究:上記の配分ルールの整合性、そのほかの新しいルールの整合性、整合性の役割を理論的に研究する。さらにさまざまな経済的な文脈に応用して、理論的な妥当性を研究する。

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