新学期が始まってはや3週間、新入生の皆さんはもう学生食堂(学食)を利用しましたか? 早稲田大学の周辺にはおいしいお店(通称「ワセメシ」)もたくさんありますが、お財布に優しく、栄養やカロリーも考えられた学食も利用する価値大。今回は公認サークル「学食研究会」の3人が、早稲田キャンパスにある学食「大隈ガーデンハウス」を取材しました。

(左から)学食研究会の奥田さん、西方さん、堀田さん、大隈ガーデンハウスの金子さん、遠藤さん
■学食研究会
幹事長 教育学部 3年 堀田 悠生(ほった・ゆうき)
副幹事長 社会科学部 2年 奥田 晨生(おくだ・あさき)
文化構想学部 2年 西方 就也(にしかた・しゅうや)
■早稲田大学生活協同組合
店長 金子 勇治(かねこ・ゆうじ)
大隈ガーデンハウス担当 遠藤 貴博(えんどう・たかひろ)

1970年代の学食風景(『早稲田百年』校倉書房より)
学食研究会(以下、学食研):早稲田大学に生協の学食ができたのはいつごろですか?
金子店長:今から64年前の1952年6月に、「生協食堂」という名前で開店したのが始まりです。当時は2号館(現3号館)の場所に15坪ほどの厨房(ちゅうぼう)で作業を行っていたようです。この食堂は1957年度末に閉鎖され、1958年9月、新たに「本部食堂」として現在の29号館の1・2階で営業を開始しました。ちなみに「大隈ガーデンハウス」ができたのは1990年で、今年で26年目を迎えます。

欧米からの留学生にも人気のグリルコーナー
学食研:学食のメニューはどのように決められていますか?
金子店長:大学生協・東京事業連合本部で会議を行い、さらに各店から選抜された店長と本部の担当者で構成された「メニュー構成委員会」の会議を経て決定しています。ですので、大学生協に加盟している東京近郊の大学では、基本的には同じ食材で作られた同じメニューを提供しているということになります。もちろんその他に、各大学・店舗で独自に開発したメニューもありますよ。
学食研:大隈ガーデンハウスの特徴は何でしょう?
金子店長:3階には他大学の学食ではあまり見かけないグリルコーナーがあり、鉄板にのったあつあつのガーリックチキンステーキやハンバーグなど、少しグレードの高い独自メニューを提供しています。一方、気軽に食べられるカレーや丼など、2階は比較的早くご提供できるメニューが多いので、その日の気分や予算で2階と3階をうまく使い分けていただきたいですね。昼時は座席の確保が難しいかもしれませんが、大隈庭園を望める窓側の席で食べるのもお薦めです。
- 座席数の多い2階
- 温かな雰囲気の3階
学食研:学食ならではの良さはありますか?
遠藤さん:一つは「ひとことカード」です。学生の声や要望を実現できる機会があるのは、学食ならではだと思います。いただいたメッセージは随時確認し、なるべく1週間以内に回答したカードを学食入り口付近に掲示しています。もちろん現実的に難しい要望もありますが、可能なものはできる限り実現しています。例えば、「以前食べた鶏辛ラーメンを卒業前にもう一度食べたい」という要望にお応えして、1週間メニューを復活させたこともありました。

入り口付近に掲載している、ひとことカード掲示板

昨春の応援部との共同開発メニュー「W勝つ丼」
(※現在は販売されておりません)
学食研:昨年5月に応援部とのコラボレーションメニュー「W勝つ丼」を食べました。そういった学生団体との共同開発もよく行っていますか?
遠藤さん:そうですね。これも学食らしい特徴の一つだと思います。2015年度は応援部をはじめ、早稲田祭運営スタッフや広告研究会など、8つの団体・サークルと共同でメニューを開発し、販売しました。ちなみに昨年の「W勝つ丼」は野球部の活躍もあり、売れ行きも好調でした。
学食研:どのようなスケジュールでメニューを開発されているのでしょうか?
遠藤さん:まず、販売希望時期の2~3カ月前までに学生団体の方に企画書をご提出いただき、こちらで実施可能か検討します。実際に共同開発メニューを作ることになった場合、何度も打ち合わせを重ね、実施の1カ月以上前には試食会を行って、メニューを詰めていきます。その後、学生団体の方にはポスターやPOPなどの宣伝物を制作していただき、販売前週から掲示してメニューの宣伝を行います。基本的に販売期間は1週間になりますが、「100円朝食(※)」のように数週間実施する場合もあります。今は5月下旬の野球・早慶戦に向けて応援部と新メニューを開発しているところです。
※2016年度は5月23日(月)~6月3日(金)および10月の年2回実施予定です。
その他キャンパスの実施期間や「100円朝食」の詳細はこちら
学食研:いつか私たちとの共同開発メニューも実現することはできますか?
遠藤さん:毎年恒例となって実施している学生団体が多いため、すぐの実現は厳しいかもしれませんが、将来的には不可能ではありません。生協は組合員である学生の皆さんの声を形にすることを推進していますので、機会があればぜひ一緒に実現したいと思います。
学食研:最後に早大生に向けてメッセージをお願いします。
金子店長:カレーは259円(税込)から、小鉢は64円(税込)からと、特に2階ではお手ごろ価格の単品メニューを多数ご用意していますので、ご自分の懐具合で自由に組み合わせてお召し上がりください。新学期の昼時は非常に混み合うのでご不便をお掛けいたしますが、時間をずらしてお越しいただけると、比較的ゆっくりしていただけると思います。また、2016年度からはお支払いの際に便利な「学食パス(※)」をご利用いただけるようになりました。専用Webサイトのマイページでは利用履歴もご覧いただけますので、栄養バランスを確認するためにもお薦めです。
※SuicaやPASMOなどの交通系ICカードにあらかじめ「学食パス」用の金額をチャージしておくと、学食で決済できるサービス(専用Webサイトからの申し込みが必要)。
人気メニュー試食&学食研究会「学食調査書」大公開
質疑応答を終えたところで、学食研究会の皆さんには大隈ガーデンハウスの人気メニューを試食して、サークル伝統の「学食調査書」に感想を記入してもらいました。
①大隈ガーデンハウスオリジナルメニュー【3階】
ぶた焼肉丼(430円/税込)
遠藤さん:濃い目の味付けと半熟卵でがっつり食べられる、不動の人気No.1メニューです。多い時には1日200食以上出ることもあり、留学生にもリピーターが多いんですよ。
西方:ふんわりとした半熟卵がとろけ、お肉もジューシーでおいしかったです。野菜がなかったので健康度を「3」としましたが、次回はサイドメニューにサラダを追加したいと思います。
②大隈ガーデンハウスオリジナルメニュー【3階】
大隈定食(500円/税込)
遠藤さん:魚・肉・野菜とバランスよく取れるので、教職員の方や一般のお客さまに人気です。お好みの小鉢を自由に選ぶことができるのもポイントです。
堀田:サバ・から揚げ・キャベツのサラダ・小皿・ライス・みそ汁と、がっつり食べられるメニュー。サバもしっかり脂がのっていて大満足でした。
③チキンおろしだれ(302円/税込)【2階】
遠藤さん:単品のおかずの中では一番人気のメニューです。何を食べようか迷ったら、こちらをお薦めします。
奥田:おろしだれが効いていて、さっぱりとした味。チキンも厚みがあってボリュームがあり、フライドポテトも付いているので飽きずに食べられました。価格も手ごろなので、今度は野菜も追加したいと思います。
◆「大隈ガーデンハウス」の営業時間やその他キャンパスの学食情報は大学生協Webサイトへ
【取材後記】
普段なかなかお話を聞く機会のない店長さんや担当者さんにいろいろと質問させていただき、楽しい時間を過ごすことができました。実は他大学の学食に目が行きがちな学食研究会ですが、サークルの新歓企画として、久しぶりに大隈ガーデンハウスにお邪魔したいと思います。(堀田)
今回、生協のメニューが決まる過程を初めて聞き、興味深く面白かったです。また、鉄板メニューを食べることができるという、全国の生協食堂の中では珍しい大隈ガーデンハウスのアピールポイントを知ることができたのもよかったです。(奥田)
僕は文化構想学部なので、普段は戸山カフェテリア(通称「文カフェ」)にお世話になっているのですが、そちらは女子が多いのでデザートや健康志向なメニューが中心です。それに対して、大隈ガーデンハウスは食べ盛りの男子大学生にうってつけでした。メニューも多くま(大隈)た行きたいです!(西方)
公認サークル「学食研究会」
幹事長
教育学部 3年 堀田 悠生(ほった・ゆうき)
私たち「学食研究会」は、1999年に設立された日本でも珍しい学食研究サークルです。週2~3回の活動では関東近郊にあるさまざまな大学の学食へ足を運んでいるほか、年2回の合宿では地方にも遠征することで、国内各地の学食を研究しています。ただ食べるだけではなく、それぞれが各活動の感想をサークル伝統の「学食調査書」に記入し、「味・量・安さ・雰囲気・健康度」といった観点から学食を評価します。そうした活動を基に年2回実施・発表している「学食ランキング」は、『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系列)や『週刊朝日』など、多くのメディアに取り上げていただいています。
学食研究会
ブログ:http://ameblo.jp/wsdgksk/
Twitter:https://twitter.com/wsdgakusyokuken
【次号特集予告】5月9日(月)公開「学生文化・芸術祭で約20団体が競演」