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研究活動

研究プロジェクト

変容する日中関係とアジア国際関係の行方:米新政権への示唆

計画書

研究代表者
(所属)
寺田貴(同志社大学)
研究関係者
(所属)
村田晃嗣(同志社大学)、浅野亮(同志社大学), マイク・モチズキ(ジョージワシントン大学)、アルバート・ケイデル(ジョージワシントン大学)
研究期間 2020-2021
研究概要

現在、インド太平洋地域において3つのメガFTA(CPTPP、RCEP、日EU-EPA)が発効または交渉されている。これらはそれぞれ異なるレベルの「質」と特徴を有しつつ、すべてアメリカが参加していないという点で共通している。その一方で中国は日本やインドといったこの地域の大国との関係改善に努め、貿易、投資、インフラストラクチャーにおける地域のルール形成過程を優位に形成しようとしている。日本は中国の進める「一帯一路」構想などグローバルに展開される経済イニシアチブには批判的見解を示してきたが、自動車など主要産業への関税増加の可能性に伴うトランプ政権の過激な保護主義のため、そのネガティブな影響を軽減するため中国とともに地域経済秩序を形成する可能性を検討するに至っている。この戦略的な対外経済政策の変更は安倍首相が2018年11月に北京を訪問する足掛かりを作り、日中関係が良好な状態にあることを内外に示すことにつながった。この傾向は2019年6月に大阪で開催されるG20サミットで習近平国家主席が初の日本訪問を果たしたことにも見て取れる。しかし度重なる尖閣諸島への中国公船による領海侵犯や香港の一国二制度を終焉させる法制化の動きは、日中関係を不安定化させる可能性も指摘できる。本パネルは日中関係がもたらすアメリカへの経済的そして戦略的な意味あいを検討することを目的とするが、特に2カ国間交渉を重視し多国間主義を軽視するトランプ大統領が再選されなかった場合、日中関係同様、上述の拡大するインド太平洋の地域統合の動きと一帯一路の現状は、新大統領下のアジア政策の重要な決定要素となり、DCにおいて有益な情報・分析を提供できよう。

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