日本最年少で7大陸最高峰制覇 かなえられない夢は無い

政治経済学部2年の南谷真鈴さんが、このたび北米大陸のデナリ(2015年8月31日よりマッキンリーから改名)登頂に成功し、7大陸最高峰制覇を達成しました。これは日本人最年少の快挙です。

南谷さんは今回の快挙に先立ち、ヒマラヤ山脈エベレストも日本人最年少で登頂しており、エベレストから下山後デナリに向かう短い期間中に本学からの取材に答えてくれました。

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アフリカ大陸最高峰 キリマンジャロにて。背景には雲海が広がる

「感動であふれる涙が止まらなかった。」

2016年5月23日(月)に世界最高峰・ヒマラヤ山脈エベレストを日本人最年少で登頂した南谷真鈴さんは、その瞬間の様子をこのように語ってくれました。

エベレストを登頂したことで、幼い頃に夢見た“七大陸最高峰制覇”にあと一歩と迫った南谷さんは政治経済学部の2年生。足掛け60日を要したその挑戦は一筋縄ではいかなかったとか。

「国籍がばらばらな14人のチームで無事登頂できたのは半数の7人。女性は私一人でした。エベレスト登山は天候との戦い。私が登頂する前日はコースが渋滞し、重度の凍傷になってしまった方もいました。」

南谷さんが登頂を決めた日は幸運にも天候は快晴、自身の体調も最良で怪我や負傷は一切なく下山することに成功しました。

そんな南谷さんが早稲田に興味を持ったのは中学生の頃。学生個々の成長を促す自立した校風やスポーツを後押しする環境に大きな魅力を感じたものの、父親の仕事の関係で高等学校時代は香港で過ごすことになりました。晴れて早大生となってからは、学費や生活費は全て自分で工面。登山を志してから現在に至るまで、その必要経費やスポンサー探しも全部一人で行ってきたそうです。

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南極点到達の際の一枚。さわやかな笑顔が印象的です

「この点は私の一番の強みだと感じています。大学生活も登山も、全部自分の力で組み立ててきました。何のコネもない状態からスポンサーを探すために、1000件以上メール連絡したこともあります。海外生活が長かったせいか、日本人の学生は自己主張や自立心が弱いのではないでしょうか。私にとってはそのような“ふつう”の大学生が物足りなく感じることもあります。」

このように日本人学生に対しては「独立心がなく、挑戦する気概が感じられない」と語る南谷さんですが、早大生の印象はどちらかというと逆だそうです。

「早稲田大学に入学後感じたことは、良い意味で思い描いていた通りの大学だったということ。エネルギッシュで活発な校風の中、目的意識の高い学生が多いように感じます。外国人学生も多く、私の親友もその一人です。いろんな考えをもつ学生同士の切磋琢磨に良い影響をもらっています。」

7大陸最高峰を次々と制覇していく南谷さん。その歩みは順風満帆に思えるのですが、挫折経験もあったのだとか。

「昨年日本で登山していた際、250メートルを滑落しました。救助が来るまで一人でその場を過ごしたのですが、偶然岩間を滑り落ちて命に別状がなかっただけで非常に危険な経験でした。」

そもそも各大陸の最高峰ともなると簡単な登山は一つもなく、不安に駆られることもあるものの、心を奮い立たせて常に前向きに挑戦を続ける南谷さん。

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登山は危険とも隣り合わせ

5月23日にエベレストを制覇した後、早急に帰国。6月4日には残された最後の最高峰、アラスカのデナリ(2015年8月31日よりマッキンリーから改名)に向けて出発しました。

「私とってエベレスト制覇はゴールではなく通過点。感慨に浸っている暇はないですね。マッキンリー登頂で7大陸を制覇した後は、来年4月に北極点を目指して、7大陸に南極北極を加えた山岳グランドスラムにも挑戦する予定です。」

とどまることなく挑戦を続ける南谷さんからすれば、いくらアクティブな早大生であれ、すこし物足りなく映ったりはしないのでしょうか。

「ひとそれぞれ、自分のペースで目標を達成できればいいと思います。その取り組むペースの速さではなく、自分なりの目的意識を持つことこそが重要。早大生にはそんな方々が多いように感じています。」

グランドスラムを達成した後も、「東京オリンピックに関わる仕事や、山ではなく海を冒険することも考えている」と話す南谷さん。

取材当日は体調不良からかマスクをかけていたためマッキンリー登頂に向けて体調面の不安を聞いてみると、「登山になれば関係ない。私は常に前向きに物事を考えられるようにしています」とさらりと答えてくれました。

最後に早大生に向けたメッセージを聞きました。

「かなえられない夢は無いと思います。私は本当に山を登っているけれど、だれもが自分が思い描く“山”を登るために、一緒に挑戦を続けましょう!」

この取材後、7大陸最高峰を制覇した南谷さんですが、今回の偉業もあくまで通過点。あくなき進取の精神を胸に、南谷さんは今日も自身の夢という“山”を登ります。

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instagram: marin_minamiya

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