とっておきの話

フットボール・フリーク


右が筆者
▲ 妻が博士論文の完成の記念にプレゼントしてくれた、贔屓チームのロゴ入りのオリジナルボール。右が筆者

政治経済学部教授  川岸 令和

 最近のビッグ・ベアーズの躍進は喜ばしい限りである。今季こそは甲子園ボウル、そしてライス・ボウルに勝って、日本一になってほしいと願っている。

 それにしても、いつ頃からアメリカン・フットボールを好きになったのか、今となっては記憶も定かではない。小学校高学年の時にはすでに数少ないテレビ番組を見ていたように覚えている。当時アメラグという妙な呼称が一部に流布していたが、日本におけるアメリカン・フットボールの第一次ブームであったことは確かである。また生まれ育った関西では、この競技は最も人気のある学生スポーツであったことも選好の形成に影響していたと思う(正確に言うと、その人気が急騰したのは京都大学がリーグ戦で長く無敗を誇っていた関西学院大学を破り、二強時代に突入してからのことである)。

 観戦の醍醐味は作戦の読みにある。ダウン制の採用により、プレイの圧倒的多数はデザインされている。次のプレイの予測が観戦に奥行きをもたらす。華やかな攻撃に注意が奪われがちだが、守備にも作戦があり、そちらにも注目するとより楽しめる(実際、プロでは守備こそがスーパー・ボウルを制すると言われている)。要するに裏のかきあいが面白い。しかも、一つのプレイで攻撃と守備が一変することがあり、デザインし尽くされない意外性がゲームの進行に複雑さを加味する。しかしそんな講釈はさておき、ゲームそのものを素直に楽しめばよい。大学には大学の、プロにはプロの面白さがある(ハーバード対イェールの試合はザ・ゲームと呼ばれ我等が早慶戦と同様、特別の雰囲気の中で盛り上がり、それはシーズンの成績とは無関係である)。

 ところで、アメリカ合衆国にはフットボール・ウィドウという言葉がある。週末に行われる(金曜に高校、土曜に大学、日曜にプロ)試合に夫が熱中するあまり妻の相手をしないことを茶化した表現である。先の在外研究中、図らずもこの言葉の拡大に寄与してしまい反省しきりである。

 次は、学生に圧倒的な人気の頼れる先輩、清水和巳先生にお願いしました。

(2004年5月20日掲載)

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First drafted 2004 May 20.