略歴

■井上達彦(Inoue Tatsuhiko)
早稲田大学 商学学術院 教授

1997年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了、博士(経営学)。広島大学社会人大学院マネジメント専攻助教、早稲田大学商学部助教授(大学 院商学研究科夜間MBAコース兼務)などを経て、2008年より現職。独立行政法人経済産業研究所(RIETI)ファカルティフェロー(2011-13年)、ペンシルベニア大学ウォートンスクール・シニアフェロー(2012-14年)、早稲田大学産学官研究推進センター副センター長(2014-18年)、特定非営利法人組織学会理事(2015-19年)などを歴任。企業研修のコーディネータや顧問なども引き受ける。

研究分野は、ビジネス・システム(価値創造システム)、ビジネス・モデル・デザイン、経営組織論,経営戦略論

メッセージ

 私たちの「知のレストラン」に来ませんか?
 ”ミシュラン”や”ぐるなび”には掲載されていませんが、自信をもってお薦めできる、特別な「学問のレストラン」です。
 いわば、本当の意味での面白さを味わえるレストランです。
レストランのたとえ話を説明させてください。
 「面白い」がわかることと「おいしい」がわかることは同じようなものです。
 僕ら専門家が、「これは面白い」というものを学部の学生にストレートにぶつけても、キョトンとされることがあります。小難しいといって拒絶されることも少なくありません。
 これは、小さな子供においしいと思った食べ物を与えても「まずい」といわれるのと同じなのです。経験のない味だから、「不快」と感じ「まずい」と判断されるわけです。
 味覚には、甘味、塩味、旨味、苦味、酸味とがあります。
 小さな子どもでも「おいしい」と感じるのは、前の三つ、つまり甘味、塩味、旨味です。なぜなら、赤ちゃんのころから母乳やミルクを飲んでなじみがあるし、それぞれ、エネルギー、ミネラル、たんぱく質という基本的な三つの要素の味に対応しているからです。
 言い方をかえれば、甘味、塩味、酸味は、きわめて原始的で動物的だといえます。
しかし、生きていくのに必要な食べ物だけでは人生は豊かになりません。
 文化や文明を築いてきた人間がすごいのは、苦味や酸味もグルメしてしまうところです。成長と共に、いろいろなものを口にするようになって「食文化」を愉しめるようになります。
 自分の子供が、ケーキとチョコレートとポテトチップスが好きだからといって、そればかり食べさせると駄目になってしまいます。今、日本の食文化が危ない。
 学問も危機に瀕しています。言葉が話せる人間だからこそ愉しめる知的キャッチボールがどんどん原始的になってきています。ラインのコミュニケーションは便利ですが、そればかりだと頭が退化してしまうかもしれません。
 僕も授業では、なじみのあるipodやキャッチーな吉本興業なんかを取り上げますが、これはケーキみたいなものです。その背後にある、コンセプトやロジックや理論なしには、本当の意味で愉んだことにはなりません。
 ゼミでは、苦味や酸味も含めて、すべて美味しいと楽しめるように、いろいろな経験を積んでもらいます。書を持って街に出てもらいます。

社会的活動

主要著書

              
井上達彦 2021 『マンガでやさしくわかるビジネスモデル』 日本能率協会マネジメントセンター
井上達彦
鄭雅方
2021 『世界最速ビジネスモデル 中国スタートアップ図鑑』
日経ビジネスでとりあげられました。
TikTokを世界一アプリにした戦略は、驚くほどシンプル
日経BP社
井上達彦 2021 『ビジネスモデルがわかる』
NIKKEI STYLEでとりあげられました。
デジタル化でビジネスモデル一変 備えたい基礎知識は
日経BP社
井上達彦 2019 『ゼロからつくるビジネスモデル』
東洋経済オンラインでとりあげられました。
ビジネスモデルとコース料理の意外な共通点
「儲けたい」と「モテたい」は焦りが禁物な理由
東洋経済新報社
井上達彦 2017 『模倣の経営学 実践プログラム版 NEW COMBINATIONS 模倣を創造に変えるイノベーションの王道』翻訳版はこちら
模倣の経営学が記事になりました。日経BizGate:模倣の経営学
日経BP社
井上達彦 2014 『ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ』
・『DIAMOND ハーバード・ビジネスレビュー』「読者が選ぶベスト経営書」2014年 9位
『週刊ダイヤモンド』「ベスト経済書」2014年 9位にランクインしました。
翻訳版はこちら
ブラックスワンの経営学が記事になりました。日本経済新聞:ブラックスワンの経営学
日経BP社
井上達彦 2012 『模倣の経営学-偉大なる会社はマネから生まれる』
翻訳版はこちら
日経BP社
稲葉祐之
井上達彦
鈴木竜太
山下勝
2010 『キャリアで語る経営組織 -個人の論理と組織の論理』 有斐閣アルマ
井上達彦
(編著)
2006 『収益エンジンの論理-技術を収益化する仕組みづくり』 白桃書房
加護野忠男
井上達彦
2004 『事業システム戦略-事業の仕組みと競争優位』 有斐閣
加護野忠男
坂下昭宣
井上達彦
2004 『日本企業の戦略インフラの変貌』 白桃書房
井上達彦 1998 『情報技術と事業システムの進化』 白桃書房
    

『マンガでやさしくわかるビジネスモデル』

書影 関連リンク
文庫版(関連リンク)

『世界最速ビジネスモデル 中国スタートアップ図鑑』

書影 関連リンク
文庫版(関連リンク)

『ビジネスモデルがわかる』

書影 関連リンク
文庫版(関連リンク)

『ゼロからつくるビジネスモデル』

書影 関連リンク
文庫版(関連リンク)

海外に翻訳された主な書籍

『模倣の経営学 実践プログラム版 NEW COMBINATIONS 模倣を創造に変えるイノベーションの王道』

書影 関連リンク
文庫版(関連リンク)
中文版(関連リンク)


『ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ』

書影 関連リンク
中文版(関連リンク)
台湾版(関連リンク)
韓国版(関連リンク)


『模倣の経営学-偉大なる会社はマネから生まれる』

書影 関連リンク
文庫版(関連リンク)
中文版(左:関連リンク)
中文版(右:関連リンク)
台湾版(左:関連リンク)
台湾版(右:関連リンク)
韓国版(関連リンク)
タイ版(※リンクなし)

主な研究業績(記事、論説も含む)

学術論文

井上達彦(2022) 「提言◆加速するパラダイムシフト ビジネスモデルから考える新事業のつくり方」 『月間ビジネスサミット』, 2022年4月号
井上達彦
鄭 雅方
坂井 貴之
楊 稼怡(2022)
「抖音と快手,中国2大ショートムービーアプリのビジネスモデル比較分析― 価値の創造と獲得の整合性 ―」 『マーケティングジャーナル』, 第41巻4号, pp. 29-41
Inoue, T. and Nagayama, S(2012) "Strategic Types and Performance of Niche-Firms within Business Ecosystems: A Study of the Japanese Video Game Industry," Waseda Business & Economics Studies, Vol.47, pp. 1-18
井上達彦
真木圭亮
永山晋(2011)
「ビジネス・エコシステムにおけるニッチの行動とハブの戦略―家庭用ゲーム業界における複眼的分析」 『組織科学』, 第44巻4号, pp. 67-82
井上達彦(2003) 『EDIインターフェイスと企業間取引形態の相互依存性』 『組織科学』,第36巻3号, pp.74-91
井上達彦(2002) 「情報化と企業間取引モードの変化」
2003年度経営情報学会「論文賞」受賞
『経営情報学会誌』, 第11巻2号, pp.43-58
井上達彦(2000) 「事業システムの連動能力-伝統的な生命保険会社の実証分析」 『日本経営学会誌』,第6号, pp.68-81. ほか


国際学会発表

Inoue, T. and Nagayama, S. "The Effect of Niches' behaviors on the Japanese Video Game Business Ecosystem: Focusing on the Niche Creation, Productivity and Robustness as the Ecosystem Performance," Academy of International Business Annual Conference, Nanzan University, 26, Jun., 2011.
Inoue, T. and Nagayama, S. "Niche Strategies in Business Ecosystems: Challengers, Defenders, Replicators, and Opportunity Seekers," 「Asia Academy of Management 7th Conference, Macau University, 13, Dec. 2010.

記事、論説

井上達彦 「ビジネスモデルとは何か」 『一橋ビジネスレビュー』(連載 ビジネスモデルを創造する発想法 第1回)2016 AUT
井上達彦 「良い模倣と悪い模倣」 『一橋ビジネスレビュー』(連載 ビジネスモデルを創造する発想法 第2回)2016 WIN
井上達彦 「反面教師からの良い学び」 『一橋ビジネスレビュー』(連載 ビジネスモデルを創造する発想法 第3回)2017 SPR
井上達彦 「ビジネスの当たり前を疑う」 『一橋ビジネスレビュー』(連載 ビジネスモデルを創造する発想法 第4回)2017 SUM