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Collis & Montgomeryの資源ベース戦略論の特徴

―「競争戦略と企業戦略」及び「戦略の策定と実行」の統合の試み― 根来 龍之(早稲田大学商学学術院)
森岡 孝文(新潟経営大学経営情報学部)

要旨

本稿は、Porter(1987)とBarney(1996,2002)との比較によって、Collis & Montgomery(1997,1998)の位置づけを図ることを目的とする。本稿では、Collis & Montgomeryの位置づけを図るために、PorterおよびBarneyとの違いを、「競争戦略(事業戦略)と企業戦略の区別」、「戦略の策定だけでなく戦略の実行をどれだけ考慮しているか」に着目して検討する。

結論として、以下が示される。Porterの理論は、「経営戦略の策定」に偏ったものであるのに対して、Barney、Collis & Montgomeryでは、「経営戦略の実行」の観点も加味されている。そして、Collis & MontgomeryとBarneyは、Porterにおいては区別の必要が指摘されていただけだった「事業戦略と全社戦略」の融合を試みている。BarneyとCollis & Montgomeryの違いは、Barneyが「多角化による範囲の経済の模倣困難性」を多角化の成功要因としてあげているのに対して、Collis & Montgomeryは多角化の範囲の経済性(Barney)の成立要因を「企業戦略トライアングル」として示している点にある。

掲載

2005年3月15日掲載

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