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コンタクトセンター「クレーム発生率」の  影響要因分析

-ビジネスシステムと顧客満足の相関- 根来 龍之 (早稲田大学大学院教授/IT戦略研究所所長)
森 一恵 (早稲田大学大学院商学研究科)

要旨

 本稿は、コンタクトセンターにおけるクレーム率に着目して、優れた企業の特徴を明らかにすることを目的とする。本稿は、優れたビジネスシステムの水準は、企業自体の活動を支える仕組み作り(構造)の水準とその仕組みを用いて実際の活動を推進する力(運営力)の水準の2つによって決まると想定する。また、同一アウトソーシングサービスを活用するコンタクトセンター間で顧客からのクレーム率に差がある事実に着目し、その差はコンタクトセンターの組織力だけでなく企業全体の活動水準の差が変数となっているのではないかということを問題意識とする。つまり、コンタクトセンターで発生するクレームは、コンタクトセンターの応対だけに依存するものでなく、企業活動全体として顧客ニーズにいかに対応できるかという問題であるという前提で分析を行う。

 具体的には、コンタクトセンターで発生する顧客クレーム率が企業の顧客満足度を示唆する変数になると仮定し、次の3点についてアンケート調査結果を用いて分析する。

①コンタクトセンタークレーム率に影響を与える構造的要因(構造水準の差)を探る

②‘①’の結果をふまえ、コンタクトセンターの活動に影響を与える活動を特定する

③クレーム率が低い(満足度が高い)コンタクトセンターを持つ企業はそうでない企業に比べてどのような違いがあるのか(運営力水準の差)

 以上3つの分析をふまえて、企業の顧客満足度の差はビジネスシステムのどのような違いに起因するのかを示唆する仮説命題の抽出を行う。

掲載

2006年8月掲載

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