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模倣困難なIT活用は存在するか?

―ウォルマートの事例分析を通じた検討― 根来 龍之(早稲田大学IT戦略研究所所長・大学院商学研究科教授)
吉川 徹(株式会社三菱東京UFJ銀行)

要旨

「持続的競争優位の確立」にIT資源が活かされているかどうか、あるいは、「持続的競争優位の確立」にIT資源をどのように活かしていけばよいのかについて一般性のある議論をするのが、本稿の問題意識である。

本稿では、<資源>に着目した分析と<活動>に着目した分析の統合をはかる観点から、「差別化システムの模倣困難性」について論じる。具体的には、差別化システムの模倣困難性の強度を分析・評価するための分析フレームワークを提案する。この分析フレームワークは、差別化システムの要素(差別化資源・差別化活動)に関わるメカニズムの分析方法であり、個別資源ごとの模倣困難性分析とシステム要素連係アーキタイプの分析により構成される。

このフレームワークを使って、ITが持続的競争優位の構築につながっていると考えられるウォルマートの事例を分析するとともに、小売業界の複数企業(イオン・西友)と比較する。この事例分析に基づいて、「持続的競争優位が確立されている」すなわち「差別化システムの模倣困難性が高い」ビジネスシステムの4つの源泉について例示する。4つの源泉とは、①多くの模倣困難な資源が活動により活用されている、②個別資源間にシステム性がある、③個々の活動同士にトレードオフ性がある、④活動⇔資源間のループ構造性が多く埋め込まれている、である。

上記源泉の分析に基づき、ウォルマートの持続的競争優位の源泉・メカニズムについて考察する。この考察を通じて、提案する分析フレームワークの妥当性について確認する。

掲載

2007年3月掲載

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