殿殿
らし四人一所に切かゝるを右と左へ一時にでんがく返しにばた〱〱と打すへられ皆ちり〱に行跡へ伴内いらつて切かくる引ぱづしそつ首にぎり大地へどうどもんどり打せしつかとふみ付サアとふせうとこつちのまゝつかふか切ふかなぶり殺しとふり上る刀にすがつてコレ〱そいつ殺すとおわび邪魔じやまもふよいわいなと留る間に足の下をばこそ〱としりに尾のない鷺坂は命から〲逃て行ヱヽ残念ざんねん〱去ながらきやつをばらさばふ忠のふ忠一先夫婦が身を隠し時節じせつを待て願ふて見ん最早もはや明六つ東がしらむ横雲にねぐらをはなとぶからすかはい〱の女夫つれ道は急げど跡へ引主人の御身いかゞぞとあんじ行こそ浮世なれ第四塩冶判官閉居へいきよによつて扇がやつの上屋敷大竹にて門戸もんことぢ家中の外は出入をとゞめ事厳重げんぢうに見へにけりかゝる折にも花やかに奥はなまめく女中の遊びみだい所かほよ御前おそばには大星力弥殿のお氣をなぐさめんと鎌倉山の八九重こゝのへ々桜花かごに生らるゝ花よりも生る人こそ花紅葉もみぢ柳の間の廊下らうかづた諸士しよしがしら原郷はらがう右衛門跡につゞいおの九大夫是は〱力弥殿早い御出仕しゆつしイヤ某も国本ゟ親共が参る迄昼夜ちうやつめ罷有それは御奇特きどく千万と郷右衛門両手をつき今

ウ:四人

トル:右と,カヽリ:右とトル/カヽリ

ウ:一時に

ウ:でんがく返しに

ウ:皆

色:行

ウ:伴内

ウ:大地へ

ハル:どうどハル

色:ふみ付

詞:サア

地色:なぶり殺しと,ウ:なぶり殺しと地色/ウ

ハル:ふり上るハル

色:すがつて

詞:コレ

地色:もふ,ウ:もふ地色/ウ

ハル:留るハル

ウ:尻に

フシ:逃てフシ

地:ヱヽ,ハル:ヱヽ地/ハル

ウ:きやつを

色:ふ忠

ウ:一先

ハル:時節を,ウ:時節をハル/ウ

ウ:待て

ウ:最早明

クル:飛かクル

ウ:からす

ウキン:かはいウキン

ウ:急げど

ウ:主人の

上:行こそ

三重:浮世なれ三重

地色:塩冶,ハル:塩冶地色/ハル

ウ:扇が谷の

中:上屋敷

ウ:大竹にて

ハル:家中のハル

フシ:事フシ

ハルフシ:かゝるハルフシ

中:花やかに

小ヲクリ:奥は小ヲクリ

ハル:女中のハル

ウ:みだい所

中:御前

ウ:お傍には

ウ:殿の

はる:慰めんとはる

ウ:鎌倉山の

中:九重

ハル:桜ハル

ウ:生らるゝ

フシ:生る,中:生るフシ/中

ハル:花紅葉ハル

地:柳の,ウ:柳の地/ウ

ウ:諸士頭

ハル:跡にハル

中:斧

詞:是は

地色:それは,ウ:それは地色/ウ

ハル:郷右衛門ハル

色:両手を

詞:今