栄養摂取

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栄養教育の重要性

早稲田大学スポーツ科学研究科
管理栄養士 石津達野

昨今、インターネットやSNSの発達によって栄養に関する情報は誰でもいつでもどこでも比較的簡単に入手できる時代となってきています。しかし、インターネット上で飛び交う情報はエビデンスの乏しいものや間違った情報も多く、玉石混交といえます。このような間違った情報を鵜吞みにしてしまい、間違った食知識を基に食行動を取ることは、アスリートにおける競技パフォーマンスに負の影響を与える可能性があります。ではどのような学習形態がアスリートにとって良いのでしょうか。

公認スポーツ栄養士(管理栄養士)が実施する栄養教育はアスリートが正しい食知識や食行動を身に付けるための学習形態の一つとして着目されています。Valliantらは1)、NCAA DivisionⅠの女性バレーボール選手を対象に管理栄養士による栄養教育を実施しました。この介入の結果、栄養教育を実施する前と比較して実施後にエネルギーや三大栄養素の摂取量及びスポーツ栄養に関する食知識が有意に増加したことが報告されています。また女性アスリートのみならず男性アスリートにおいても類似した結果が報告されています。Rossiらは2)、NCAA DivisionⅠの男性野球選手を対象に12週間(オフ期間)にわたってトレーニングセッションと栄養教育を組み合わせた介入を実施しました。この研究では、栄養教育を受けた群のエネルギー摂取量、たんぱく質摂取量、スポーツ栄養に関する食知識が増加し、さらに栄養教育を受けた群は栄養教育を受けなかった群と比較してシャトルランテストの結果が向上したことが報告されています。

以上のように、アスリートの性別を問わず適切な栄養教育を受けて正しい食知識や食行動を身に付けることは、栄養摂取状況改善や競技力向上の一助となります。競技生活には時間の限りがありますので、その限られた時間を最大限活用していくために栄養面で悩みを抱えている場合は公認スポーツ栄養士(管理栄養士)にお気軽にご相談ください3)。また身近に相談できる公認スポーツ栄養士または管理栄養士がいない場合は、本サイト上の「コンディショニングと栄養のe-ラーニングサイト4)の活用をおすすめします。アスリートに必要なコンディショニングと栄養の知識を自宅で学ぶことができ、栄養知識の向上に役立てていただくことができます。

参考文献

1)
Valliant MW, Emplaincourt HP, Wenzel RK, Garner BH. Nutrition education by a registered dietitian improves dietary intake and nutrition knowledge of a NCAA female volleyball team. Nutrients. 2012;4(6):506–516. doi: 10.3390/nu4060506
2)
Rossi FE, Landreth A, Beam S, Jones T, Norton L, Cholewa JM. The Effects of a Sports Nutrition Education Intervention on Nutritional Status, Sport Nutrition Knowledge, Body Composition, and Performance during Off Season Training in NCAA Division I Baseball Players. J Sports Sci Med. 201;16(1):60–68. PMID: 28344452
3)
公益財団法人日本スポーツ協会. スポーツドクター・スポーツデンティスト・スポーツ栄養士検索. https://www.japan-sports.or.jp/coach/DoctorSearch/tabid75.html, (2020年12月3日)
4)
早稲田大学女性アスリートの育成・支援プロジェクト. コンディショニングと栄養のe-ラーニング, https://female-athlete.com/, (2020年12月11日)

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