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骨づくりのための食事実践例

早稲田大学スポーツ栄養研究所 招聘研究員
公認スポーツ栄養士 浜野純

適切なエネルギー摂取

トレーニング量に見合ったエネルギーをとれているかを把握することは、容易ではありません。そのためエネルギー摂取が足りているかどうかを知るためには、朝起きた排尿後に体重を毎日測定し、変動がないかを確認するとよいでしょう。体重が減ってきている時やトレーニング量の増加時には、意識して食事量を増やすようにします。一方で、減量を考えている場合には、適切な期間と目標のもと、計画的に減量することが大切です。減量は1か月で体重1~2㎏減程度とし、間食やジュース類を減らすことから始めます。この時にスポーツをするためのエネルギーを確保するため、ごはんの量は極端に減らしすぎず、1食でお茶碗1杯程度は食べるようにしましょう。

カルシウム及びビタミンDの摂取

カルシウムを多く含む食品の代表は乳製品です。牛乳はコップ1杯約200mg、ヨーグルト(100g)もしくはプロセスチーズ1個で約100mgのカルシウムが含まれます。1日に必要なカルシウム1000mgのうち6割程度を乳製品で補う場合には、朝食で牛乳1杯とヨーグルト100g程度、昼食または間食で飲むヨーグルト(またはチーズ)を、夕食で牛乳1杯が目安です。乳製品以外でカルシウムの多い食材は、骨や殻ごと食べられる魚介類(しらす、魚の缶詰、ししゃも、さくらえびなど)、大豆製品(木綿豆腐、厚揚げ、高野豆腐、納豆など)、野菜(水菜や小松菜、青梗菜など)です。またビタミンDを多く含む食品は、魚介類(鮭、鯖缶、いくら、しらす、こうなご)、卵、きのこ類(きくらげ、まいたけなど)です。しらすなどの骨ごと食べられる魚はカルシウムとビタミンDを同時に補給できます。

骨づくりのための食事の注意点

小学校高学年から中学生は成長期であり、最も骨量を増やしたい時期となります。そのため、欠食しないこと、乳製品を1日2~3回摂取、魚嫌いでも魚を食べる努力をするなど、骨を丈夫にするための食事習慣をつけましょう。また高校から大学生は、さらにトレーニング量増加し、疲労骨折などのケガも増える時期です。この時期には、先ほどのことに加えて、朝食の充実を図ること、練習前後の補食を活用し、エネルギーとカルシウム補給に努めることが必要です。特に大学生の1人暮らしの選手は、魚やきのこ類の摂取が不足しやすいですので、手軽に作れる魚ときのこのホイル焼きや魚の缶詰の利用もおすすめです。

日常の食事での実践ポイント

1. 朝食を見直すこと

朝食でごはんやパンは欠かさず食べ、卵などのおかずとともに、納豆やヨーグルト・牛乳をプラスすることで、カルシウム補給ができます。

2. 補食の活用

朝練習がある場合の朝食はごはんとおかずのワンプレートもしくはおにぎりとヨーグルト(牛乳)など食べやすいものを選び、練習後におにぎりやサンドイッチなどで補食をとりましょう。補食の活用でエネルギー摂取不足を防ぎます。

3. 食事に少しプラスできる食品を常備する

鮭フレーク、しらす、魚の缶詰(さば缶、鮭中骨缶、いわし缶など)、卵、納豆などを常備し、少しずつカルシウムやビタミンDを補給しましょう。

カルシウムの多い朝食例

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