将来の電力システムを考えよう

大山 力
横浜国立大学 大学院 理工学府・教授

19世紀末に始まった電気事業は100年余りの時を経て変革の時を迎えています。その大きな原因は電力自由化と再生可能エネルギーへのシフトです。また、北海道胆振東部地震による大停電(ブラックアウト)を契機に、より強靱なシステムの構築も求められています。

自由化によって、電気事業は地域独占から競争の時代に移行しました。そのため、需要に対して十分な供給力を確保する義務を負う事業者がいなくなってしまうことが危惧されます。また、系統運用部門と発電部門が分離されるため、需給調整もこれまで通りではなくなり、需給運用部門が発電部門から調整力を調達するという形態に変化します。連系線の利用も各事業者の経済的合理性に基づいて行われる必要があります。

これに対して、「容量市場」「需給調整市場」「間接オークションによる連系線利用」などの導入が検討されています。しかし、まだまだ検討する事項は多い状況です。

また、再生可能エネルギーの大量導入、主力電源化を実現するためにも課題は山積しています。再生可能エネルギーの出力は天候によって大きく変化するため、それを補う仕組み(発電機の出力変化、電力貯蔵、再生可能エネルギーの出力抑制など)が必要です。

大災害時にも強靱なシステムとするためには常に大災害を想定したシミュレーションを行い、ブラックアウトを回避するように備える必要があります。また、重要負荷を優先的に守ることも必要です。

当研究室では上記のような諸問題に答え、将来のよりよい電力システムを構築するべく研究を行っています。研究成果が日本の電力システムの将来像に反映されることが目標です。

広域に設置されたPVの合計出力

 

研究室所蔵の系統シミュレータ
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大山 力

おおやま つとむ

横浜国立大学 大学院 理工学府・教授

プログラム担当者
専門:電力システム工学

KEYWORD
電力自由化の下での望ましい電力システム
再生可能エネルギー大量導入
大災害にも強い電力システム