NEMS/MEMSのエネルギー・化学・生化学への応用

庄子 習一
早稲田大学 大学院先進理工学研究科 ナノ理工学専攻・教授

ナノメーター/マイクロメータスケールの加工の基礎研究を通して高精度ナノインプリント、異種材料低温接合、選択性メッキ等実用的なナノ/マイクロ加工技術の開発を進めている。特にシリコン、ガラス、金属等の無機材料、プラスチック、ポリマー等の有機材料のウエハレベルの3次元ナノ/マイクロ加工に関して技術的蓄積がある。これらの微細加工技術を応用して、大学・公的研究機関および企業との共同研究を行い、エレクトロニクス、フォトニクス、エネルギー、化学、生化学および医療等幅広い分野に展開可能な微小電子機械システム(Nano/Micro Electromechanical Systems: NEMS, MEMS)の開発を行っている。エネルギー応用としては、環境発電デバイスの研究を進めており、その一例として図1に示すような高出力の圧電型振動発電デバイスを開発した。圧電材料としては、ポリマーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)にポリトリフルオロエチレン(TrFE)を添加したポリ(フッ化ビニリデン–トリフルオロエチレン)(PVDF-TrFE)を用いることにより、作製手法の簡素化および高効率化を図っている。一方で、マイクロメータスケールの微小流路内の流体の性質を利用して機能性デバイス・システムに応用するマイクロフルィディクエンジニアリングの研究を行っており、化学合成、生化学分析、フォトニクスおよび燃料電池等エネルギーデバイスへの応用を図っている。図2はシリコンチップ上に形成したマイクロ液体クロマトグラフィー(LC)の顕微鏡写真であり、微細化によりサンプルや試薬の量を大幅に軽減するともに分単位の分析時間を実現している。

 

図1 圧電型振動発電デバイスの写真と出力特性(東京理科大学との共同研究)

 

図2 液体クロマトグラフィーチップの写真と特性比較(東京大学との共同研究)
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庄子 習一

しょうじ しゅういち

早稲田大学 大学院先進理工学研究科 ナノ理工学専攻・教授

プログラム担当者
専門:電子工学、計測工学

KEYWORD
小型環境発電デバイス
ナノ・マイクロ流体デバイス・システム
微小電子機械システム
略歴
1979年 東北大学工学部電子工学科卒業
1981年 同大学院工学研究科修士課程終了
1984年 同大学院博士課程修了、工学博士

●職歴
東北大学工学部、助手、助教授
この間、スイス・ヌーシャテル大学研究員(1990 ̄1991) 米国マサチューセッツ工科大学訪問研究員(1991)
1994年早稲田大学理工学部助教授を経て1997年同教授