学部入学案内
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社会科学部での法学の学びは、社会の中で今起きているさまざまな問題に対して法的なアプローチをしていく意識の強さが特色刑法に携わる人間は強固な解釈技術をもって論理的に一貫性のある判断を示せるかが大切私の専門である刑法は、判断する人によって処罰する、しないといったことがあってはなりません。また、個人の善悪感情と法的な妥当性は常に一致するわけではないので、その判断がブレないように、強固な解釈技術をもって一貫した判断を論理的に示せるかということが重要です。その点で当事者間がお互いに納得できるバランスを重視する民法との違いがあると言えるでしょう。また、法の解釈そのものに争いがある場合も、なぜこの解釈でなければならないのかについての論証能力が重要であり、その力は非常に汎用性が高いと言えます。法学部での学びは理論志向が強いのですが、社会科学部では、社会の中で起きている多様な問題の解決に対して法的なアプローチをしていく意識に特色があると思います。そのため卒業生の進路は、私のゼミ生を見ても法曹に限らず多岐にわたる分野・業界に進出しています。早稲田に点在する知のネットワークを大学での学びに活用しない手はない私のゼミでは、判例を用いて検察官・弁護士の法解釈、裁判官の判断などを調査し、それを報告していきますが、どのようにすれば自分の考えが他者にきちんと伝わるかを意識したプレゼンテーション能力の養成に主眼を置いています。学年が進むとテーマを学生自身が選ぶこともあり、「各自治体が条例などで持つ罰則にどのような問題が生じているか」といったユニークなものもありました。早稲田には教員やキャンパス内の施設だけでなく、街そのものが備えている“知のネットワーク”があります。古書店や昔ながらの映画館、学生が心ゆくまで議論できる飲食の場など、街の至るところに点在する早稲田の知を活用しない手はありません。法律を学んで、熱いハートを持ちクールな論理でそれをカバーして、一貫した自分の考えを相手に分かりやすい言葉で伝えることができる人になってほしいと思います。MESSAGE FROM PROFESSOR仲道 祐樹Nakamichi Yuki社会科学部 教授カリキュラムの特色社会科学基礎教育課程(主として1、2年次)では、どんな学問にも必要とされる基本的な手法やツール、社会科学の基本的な概念等の「社会科学とは何か」を学びます。社会科学系を中心とする各分野の専門のなかでも基礎性の高い基盤専門科目やコア科目を履修し、自分の進むべき学習方向や専門分野を決めるための大切な課程です。基礎的な専門科目は1、2 年次で学ぶ専門分野のゼミナールは2年次秋学期から履修することができ、選択するゼミが以降の科目履修の中心になります。学年ごとにⅠ・Ⅱ・Ⅲが設定されており、例年およそ9割の学生が履修しています。社会科学総合、政治学、法学、経済学、商学、人文・自然科学の6つの分野に計60以上のテーマが設定されており、教員と学生が活発に議論を重ねることによって、問題の発見・解決に結びつく研究方法や高度な専門知識などを身につけていきます。60以上のテーマから選べるゼミナール学際・複合教育課程(主として3、4年次)では、社会科学基礎教育課程で身につけた専門知識をもとに、「社会科学総合研究」などの学際科目、より専門的な内容を持った先進専門科目を履修していきます。特に先進専門科目は、社会科学部ならではの新しい領域、学際性や専門性の高い科目群となっています。3 、4 年次で高度な専門性と学際性を探究“各分野における総合的・専門的な内容”や“各分野の枠を超えた学際的な内容”を提供する科目群を提示して、各自の目標に合わせた履修アプローチを示す「アカデミックカテゴリー」を設定しています。アカデミックアプローチでは伝統的な学問領域を中心に学びながら学際性を身につけます。テーマやサブジェクトベースのアプローチでは、今日の社会が抱える具体的なテーマを設定し、問題を目の前にすることで学際性を「実践」から身につけていきます。履修のガイドとなるアカデミックカテゴリー49法学部教育学部商学部社会科学部国際教養学部文化構想学部文学部基幹理工学部創造理工学部先進理工学部人間科学部スポーツ科学部政治経済学部

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