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〈大学院生向け〉研究に役立つ論文の探し方

目次※下記の目次から各パートにジャンプします。

1.はじめに

2.適した文献を選ぶ

3.論文の種類

4.引用から電子ジャーナルを探す

5.日本語論文を探す:CiNii Articles

6.英語論文を探す:Web of Science

7.学内外資料の取り寄せ(ILLサービス)

8.さいごに

1.はじめに

本ページでは主に大学院生を対象に、英語論文を中心とした文献に関する知識と、その探索方法についてお伝えします。社会科学系の論文を想定して文献探索を行いますが、紹介するデータベースはどの分野でもよく利用されています。また、英語論文の種別や構成、探し方は日本語論文でも使えるテクニックです。是非、ご自身の研究にご活用ください。

2.適した文献を選ぶ

文献を探す際に必ず使用するウェブページとして、「学術情報検索」と「WINE」があります。ブックマークに追加しておくと便利です。

◎学術情報検索とWINE

「学術情報検索」・・・早稲田大学が契約している研究に役立つデータベースを集めたサイト

早稲田大学図書館HP>資料の検索>「学術情報検索

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「WINE」・・・早稲田大学図書館所蔵の資料を検索することができるOPAC(Online Public Access Catalog)システム

早稲田大学図書館HP>資料の検索>「WINE

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◎図書の種別と選別

図書といっても様々な種類があります。学術的な文章を作成するにあたって利用する図書は、大きく3つに分けることができます。

◎論文の作成段階に応じた文献の選び方

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論文を書く際には、まず「背景や用語を理解する」、次いで「テーマを絞り、問いを立てる」、そして「実験・観察・調査などによって新たにデータを得る」という段階を経ることになります。

「背景や用語を理解する」には、「入門書・概説書・事典・白書」が適しています。次に「テーマを絞り、問いを立てる」では、先行研究を調べる必要があります。そのためには「専門書」や「学術論文」を調査します。同様に「統計書・データ集」を参照して、既存のデータ・統計を調査する必要があります。

論文作成の過程では、図書と併せて、学術論文から必要な情報を入手することも重要です。

 

◎学術論文について

学術論文の多くは、通常の書店に並ぶ一般誌とは異なり、学会や研究機関の刊行する「学術雑誌」に掲載されます。英語のものを中心に「電子ジャーナル」として発行され、インターネットを通して本文を読むことができる雑誌も多くなっています。ここで、図書と雑誌掲載の論文の違いについてまとめておきます。

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3.論文の種類

論文はさらに、「実証研究」「レビュー論文」「理論論文」「方法論論文」「ケーススタディ」の5つに区分することができます。1つ1つ詳しく見ていきましょう。

◎実証研究

「実証研究」は、オリジナルな研究結果を報告するものです。論文といった場合、この種のものを思い浮かべることが多いのではないでしょうか。通常、ここに示したような形式で、論文の内容がセクション別に分かれていることが特徴です。

1.序文:研究着想の経緯、先行研究の紹介、研究の目的

2.方法:研究の方法について

3.結果:研究を通して発見したことと、その分析の報告

4.考察:結果の解釈、およびその意義について

◎レビュー論文

レビュー論文は主に先行研究を批判的に検討し、ある特定の研究分野について発表されている内容をまとめ、整理し、評価を与えることで、今後の問題解明に向けた研究全般の進展状況を明らかにするものです。特定の研究課題、問題に関して、きわめて実用的な情報を提供する論文となります。

1.特定のテーマを明らかにすること

2.先行研究の紹介、その分野研究の進行状況の提示

3.先行研究の整理(各研究の関連性、矛盾点、相違点、不整合など)

4.問題解決に向けた次の段階の提示

◎理論論文

理論論文は、先行研究を利用してさらに完成度の高い理論の構築を目指すもので、先行研究を利用するという点で、形式のうえではレビュー論文とよく似ています。

理論論文では、理論上の問題を発展させ新しい理論を提示するために、経験に基づく情報を提示することがある、という点で、レビュー論文とは異なっています。

1.理論の発展の跡をたどる(先行研究の整理)→現在の概念規定への批判

2.各理論の欠点や理論同士の優劣の議論→(既存の理論=先行研究の分析)既存の理論に対する批判

3.新しい理論の提示→新しい理論的課題、新しい概念規定、新しい理論枠組み

4.現在の理論的課題に対する回答

◎方法論論文

方法論論文は、既存の研究方法論の修正や、新たなデータ分析のアプローチなど新たな研究方法に関する議論を提示するもので、基本的にその分野に非常によく精通した研究者に対して提示するものとなっています。

その分野に関する初期の文献探索を行っている段階では、まだ参照することは少ない論文と言えます。

◎ケーススタディ

最後に、事例をとりあげて報告する「ケーススタディ」です。これは、ある特定の場、人物、団体などで、実際にある問題点に関する解決を試みる、ある理論の応用や実証を行ってみるなど、実践した事例を報告するものになります。

1.研究課題の決定、定義づけ(事例の整理・仮説)

2.対象の選択、データ収集やデータ分析方法の決定

3.データ収集

4.収集したデータの分析と評価

5.報告を作成(一般的な法則や理論の構築)

◎レビュー論文の活用

さきほど、論文の作成の流れについて説明しましたが、先行研究を調査するためには雑誌論文を探すことが大切です。そのためにはここまで説明してきた論文のなかでも、特にレビュー論文が役立ちます。レビュー論文はある分野やテーマについての研究動向を知るために先行研究を解説付きでまとめたもので、先行研究を調査する際に非常に有用なものです。主にレビュー論文を掲載する「レビュー誌」とよばれる種類の雑誌もあります。

◎序文における文献レビュー

レビュー論文以外の論文でも、特に実証研究の中では、先行研究の検証が行われます。論文が1)序文、2)方法、3)結果、4)考察と構成されるなか、主に序文のなかで、文献レビューが扱われます。特に博士論文にはしっかりした文献レビューが要求されますので、こういった論文を参照することで、先行研究調査にも役立ちます。

4.引用から電子ジャーナルを探す

ここでは、具体的な論文の探し方について説明します。まずは、読むべき論文・雑誌の情報がわかっている場合を考えてみましょう。

例えば、以下の文献はどのように探せばよいでしょうか?

Cheng, Suwina, “Did corporate governance safeguard investor interest in the global financial crisis? Evidence from Hong Kong SAR.”, Asia Pacific business review, Vol.21, Issue 4, 2015, pp.534-550

著者Cheng,Suwina 論文名“Did corporate governance safeguard investor interest in the global financial crisis? Evidence from Hong Kong SAR.”,雑誌名 Asia Pacific business review, Vol.21, Issue 4,出版年 2015,ページ数 pp.534-550

 

最初に、この論文が早稲田大学で利用できるか探すためにWINEを使用して検索します。WINEでは論文ごとの検索はできないため、この論文が掲載されている雑誌「Asia Pacific business review」をタイトル検索します。

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WINEで、Asia Pacific business reviewを検索すると、タイトルの後にonlineと書かれたデータが見つかりました。クリックすると、詳細画面に移動します。画面の中央部に「Click here for full text」とリンクが表示されるのでクリックします。

 

「Click here for full text」をクリックすると水色に「早稲田大学電子ジャーナル・電子ブックリスト」のページに移動します。

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このページは、早稲田大学で利用できる電子ジャーナルを探す画面になります。

3つあるリンクから必要な巻号の含まれているものをクリックしてください。この雑誌の電子ジャーナル画面に移りますので、そこから該当巻号、ページを選んでPDFファイル等で本文を確認することができます。

 

5.日本語論文を探す:CiNii Articles

ここからは、自分の調べたいテーマに関する論文を探す方法についてお伝えします。WINEでは、雑誌単位での検索しかできないので、論文ごとに検索することのできる論文データベースを利用します。

日本語の論文を探すときに、おすすめしたいのは「CiNii Articles」です。

◎CiNii Articlesの特徴

「CiNii Articles」には、約1700万の学術論文情報が収録されています。また国立国会図書館が作成する「雑誌記事索引」や各大学・研究機関が研究成果を公開する「機関リポジトリ」等の総索引でもあります。

◎CiNii Articlesの開き方

CiNii Articlesは、学術情報検索から入ることができます。中央部分にある「おすすめのデータベース」からCiNii Articlesをクリックし、表示させます。

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◎CiNii Articlesの使い方(1)

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この白地に緑帯のページがCiNii Articlesです。中央にある検索窓にキーワードや論文のタイトルを入力して検索します。例としてキーワード「コーポレートガバナンス␣日本」を検索してみましょう。

 

検索結果一覧の画面に移ります。この画面から、各論文の「タイトル」「著者」「掲載誌・巻号・年月・掲載ページ数」が分かります。入手したい論文があった場合は、論文が掲載されている雑誌の当該巻号が早稲田大学図書館内にあるかどうか、WINEを検索します。

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下部のオレンジ色のボタンは、論文の所在を探す機能を持っています。「ISSNで早大図書館目録(WINE)を検索」のボタンをクリックすると、そのまま WINEで掲載雑誌を検索し、結果を表示します。このボタンがない場合はタイトルをコピーするなどして、WINEを検索してください。また、「早大で利用できる全文を探す(リンクリゾルバ)」というボタンは、電子媒体上で利用できる全文を探します。このボタンを押した結果、検索結果が0だった場合もあきらめずにWINEで検索しましょう。

 

◎CiNiiArticlesの使い方(2)

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一部の論文は早稲田のネットワークにアクセスしていればインターネットを通して本文を読むことができます。オレンジ色のボタンに「機関リポジトリ」や「CiNii PDF オープンアクセス」等があればクリックしてください。そのまま、あるいはいくつかの画面を経て、本文を読むことができます。

先ほどの「ISSNで早大図書館目録(WINE)を検索」ボタンをクリックしたり、タイトルでWINEを検索したりして、早稲田にないことがわかった、あるいはCiNii PDF等のボタンでも本文を読むことができなかった場合、早稲田大学ではその論文を入手できないということになります。このようなときはこの論文を所蔵している他大学から論文のコピーを送ってもらうことができます。これをILLサービスといいます。詳しくは資料の取り寄せをご覧ください。

 

6.英語論文を探す:Web of Science

ここから英語論文の探し方についてお話しします。

英語論文を探すためのデータベースは、大きく分けて分野を横断的に検索できるデータベースと専門分野ごとのデータベースがあります。

 

◎英語論文のデータベース

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分野を横断的に検索できる論文データベースとしてはWeb of Science, Scopus が代表的です。

一方、特定の分野単位のデータベースは多数ありますが、多くはEBSCO host, ProQuestの2つのプラットフォームから利用することが可能です。これらは、データが異なっても操作は共通です。

今回はWeb of Scienceを例に、データベースの使い方を説明します。

 

◎Web of Scienceの開き方

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Web of Scienceは、学術情報検索のページのおすすめのデータベースのプルダウンから選択し、表示をクリックして開きます。

 

 

◎Web of Scienceの使い方(1)

これがWeb of Scienceのページです。上部にある検索窓にキーワードを入れて、検索ボタンをクリックします。

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※クラリベイト・アナリティクス社Web of Science検索画面より

ここでは「corporate governance」 「japan」をキーワードとします。corporate governance japanとそのまま入れて検索すると、3つの単語、corporate, governance, japanのうち、いずれか1単語を含んでいるデータが表示されます。corporate governanceというフレーズとして使われているものだけに限って探したい場合は、この2語を””ダブルクォーテーションマーク(Shift+2)で囲みます。このような検索をフレーズ検索と呼びます。

さらにjapanの後ろにアスタリスク(Shift+*)を続けると、japanの後ろが変化したjapaneseやjapanizeのような言葉も検索結果に含めて探すことができます。このアスタリスクをワイルドカード、このような検索を前方一致(トランケーション)検索と呼びます。

 

◎Web of Scienceの使い方(2)

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※クラリベイト・アナリティクス社Web of Science検索画面より

この画面が検索結果の一覧です。1つのデータごとに上から、青い文字の論文タイトル、論文著者、掲載誌タイトル、巻号、ページ、年月日です。タイトルをクリックすると詳細画面に変わり、論文の内容を要約した抄録を読むことができます。

また、一覧画面の各データ下部にある「抄録を表示」をクリックして表示することもできます。抄録は必ずついているとは限らないのですが、抄録のあるものについては目を通して、全体を読む必要がある論文かどうかを確認するようにしてください。

また、右側に被引用数という項目があります。これはそれぞれの論文が、Web of Science収録の他の論文に何回引用されたかを示しています。他の論文に数多く引用されている論文は、影響力の大きい論文と考えられますので、重要性を判断する材料になります。ただし、著者自身の別の論文で引用する例も考えられますので、絶対の基準ではありません。この数字がある時は数字がクリックできるようになっています。クリックすると、その論文を引用している論文の一覧と、それぞれのデータを見ることができます。したがって、引用関係をたどることで、キーワードだけでは探せない論文を探すことができます。

検索結果はデフォルトでは、出版日の新しい順に並んでいますが、古い順、被引用数の多い順に並べ替えることもできます。

 

◎Web of Scienceの使い方(3)

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※クラリベイト・アナリティクス社Web of Science検索画面より

例えば、画面左側の欄を使って検索結果を絞り込むこともできます。

「検索結果内の検索」欄にキーワードを追加検索することができます。その下の研究領域、研究分野では、キーワードだけでは他分野の論文が混じってしまうときに、分野を絞り込むことができます。ドキュメントタイプの項目では、レビュー論文のみというような絞り込みができます。

 

◎Web of Scienceの使い方(4)

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※クラリベイト・アナリティクス社Web of Science検索画面より

検索結果一覧の画面にある「find full text」のアイコンをクリックすると、リンクリゾルバという仕組みが働き、早稲田大学が契約している電子ジャーナルにその論文があるかを自動的に探します。黄色い画面が開き、「View This Article」というリンクが表示されれば、それをクリックしてください。該当する電子ジャーナルの画面が開くので、論文が掲載されている巻号、ページから論文を探して全文を表示することができます。直接全文が読める場合もあります。早稲田大学は多数の電子ジャーナルを契約しているので、多くの場合本文まで見られます。

「find full text」をクリックして、「Sorry, no holdings were found for this book.」 という表示がでる場合は電子ジャーナルとして利用できないということです。その時は、紙の雑誌が早稲田にないかを探します。画面下部の「search the library catalog」 の 「by title」 や 「by ISSN」 をクリックしてください。そのままWINE検索へ進みます。

早稲田大学に紙の雑誌も見つからない場合は、日本語論文同様、ILLサービスにより、他大学から論文のコピーを送ってもらうことができます。

 

◎Web of Scienceの使い方(5)

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※クラリベイト・アナリティクス社Web of Science検索画面より

検索した結果は一時保存して、出力することができます。まず、必要なデータのチェックボックスにチェックを入れます。チェックしたら、マークリストに追加ボタンをクリックしてください。そうするとチェックした文献にオレンジ色のチェックマークが付き、画面右上のマークリストという文字の右に件数がオレンジ色で表示されます。チェックが終了したら、マークリストの部分をクリックするとマークリストの画面が表示されます。ステップ1、ステップ2で必要な指定を行い、ステップ3で封筒のアイコンをクリックすれば好きなアドレスに検索結果をメールできます。その右、出力先を選択で「RefWorksに保存」を選べば、早稲田大学が契約している文献管理ツールであるRefWorksに検索結果を保存することができます。

RefWorksについては、図書館HP>リサーチNAVI>ガイド&チュートリアル>「RefWorks解説動画」(リンク付)をご覧ください。

◎各論文データベース共通のコツ

ここまで、Web of Scienceを例に、英語論文を探すデータベースの使い方を説明しました。Web of Scienceをはじめとして、どのデータベースにも共通するコツがあります。

  • データごとに抄録(Abstract)がついていることが多いので、読んで自分に本当に必要な論文を選ぶ。
  • フレーズ検索や前方一致検索を使いこなして効果的な検索をおこなう。
  • 一時保存リストや、文献管理ツール(RefWorks等)に検索結果を保存して、検索結果を効果的に使う。

 

7.学内外資料の取り寄せ(ILLサービス)

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学内では所沢図書館と中央図書館のような遠くにある図書館同士、あるいは学外の大学図書館と早稲田大学図書館の間で、お互いに図書を貸したり、論文のコピーを送ったりするサービスです。ぜひ活用してください。

MyWasedaから申し込まれる場合はMyWaseda>「研究」>「図書館申請フォーム」からお申し込みください。

また各図書館カウンターでも申込みができます。詳しくは図書館ホームページのサービスの部分に説明があります。

 

8.さいごに

 

◎学外アクセスの接続方法

大学が契約しているデータベースは早稲田大学の「学内ネットワーク」からのみ利用が可能です。自宅など学外からアクセスしたい場合は次の手順が必要となります。

まず、学術情報検索ページ左上にある「学外アクセスへログイン」をクリックします。

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以下のページに移動します。EZproxy1,Ezproxy2どちらでも構いませんのでクリックします。

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最後に、「入力時の注意点」を参照し、IDとパスワードを入力したら学外アクセスにログインします。

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※学外アクセスを利用終了後は、ログアウトしましょう。

 

◎中央図書館レファレンスサービス

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実際に試してみると資料がうまく見つからなかったり、データベースの使い方が分からなかったりすると思います。その時は、ぜひ図書館職員にご相談ください。

 

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本ページで使用した画像は早稲田大学図書館、国立情報科学研究所、クラリベイト・アナリティクス社の許可を得て掲載したものです。図書館内あるいは図書館資料・データベースを許可なく撮影すること、インターネットへの掲載は厳禁です。またこれらの画像の無断転用を禁じます。

以上

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