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国内大学初、国際大会Top10! 合成生物学で社会課題に挑戦するサークルです

遺伝子を“部品”のように組み合わせ、生物に新しい機能を与える“合成生物学”を研究
「iGEM-Waseda」

幹事長 先進理工学部 3年 阿部 諒太(あべ・りょうた)

iGEM-Waseda(あいじぇむ・わせだ)は、微生物を活用して社会課題に挑戦するサークルです。私たちが取り組むのは「合成生物学」という学問で、遺伝子を一種の“部品”のように組み合わせることで、生物に新しい機能を与える研究を行っています。

合成生物学とは、例えるなら「遺伝子組み換え」をもっと自由で創造的にしたものです。遺伝子は生物の構造や働きを決める設計図であり、DNAという物質に書き込まれています。その設計図を部品のように切り出して、組み合わせたり改造したりするのが、遺伝子組み換えです。合成生物学はその先にある学問で、複数の遺伝子を設計し直し、生物にそれまで備わっていない新しい力を与えることを目指します。

この研究の成果を発表する舞台が、毎年秋に開催される国際大会「iGEM」。世界中から高校生、大学生、大学院生などの約400チーム、約5,000人の学生が集まり、それぞれのチームが取り組んだ研究プロジェクトを披露します。単なる実験の結果だけでなく、社会的意義や多分野との連携が評価されるため、“生物版ロボコン”とも呼ばれるユニークな大会です。

2024年フランスで開催された「iGEM」

iGEM-Wasedaの活動は、「Wet」「Dry」「Human Practice」の3班に分かれて行います。Wet班は実験を担当し、Dry班はシミュレーションや数理モデル解析を、Human Practice班は社会実装を意識して、企業や研究者へのインタビューと広報活動を担います。分野横断的に役割を分担しながら、一つの大きなプロジェクトを作り上げていく過程は非常に魅力的です。

写真左:幅広い専門性を持つメンバーで分かれた、3班の活動内容について
写真右:大会では、自分たちのプロジェクトを各国の人に英語で説明しています!

2024年の大会では、微生物にプラスチックを分解できる力を持たせた合成生物で、プラスチックごみ問題に挑む研究プロジェクト「PET TWINS」を発表。その成果が評価され、複数部門で最優秀賞を獲得、さらに大学生部門で総合世界トップ10入りを果たし、日本の大学チームとして史上初の快挙を成し遂げました! この結果は、多くの方々のご協力のたまものであり、私たちにとって大きな自信と誇りになりました。詳細は、iGEM-WasedaのWebサイトで紹介しています。また、これにより2024年度早稲田学生文化賞も受賞しました。

写真左:2024年「iGEM」で受賞した早稲田チームでの一枚
写真右:Best New Composite Part(環境浄化)部門および、Best Bioremediation(複合遺伝子部品)部門で1位を獲得! エッフェル塔を背景に二つのトロフィー

私自身がこのサークルに参加したきっかけは、「研究で社会とつながりたい」という思いです。活動を通じて実験技術はもちろん、自分たちで考えたアイデアを形にする力、異なる専門性を持つ仲間と協働する力を養うことができました。また、国際舞台で成果を評価されたことは、研究者としての自信にもつながっています。

毎週日曜日の定例ミーティング(左)の後、ランチ(右)などでメンバー同士の親睦を深めています

今後もiGEM-Wasedaは新たな社会課題に挑戦し、世界を舞台に活動を続けていきます。合成生物学は多分野の知識が交わる学際的な領域であり、幅広いバックグラウンドを持つ学生が力を発揮できる場です。研究に関心がある人、国際大会に挑戦してみたい人は、ぜひ私たちと一緒に新しい挑戦をしてみませんか?

【公認サークル情報】
サークル名:iGEM-Waseda
団体区分:学術院承認サークル
サークル創設年:2020年
ジャンル:自然科学/Natural Science
活動日時:毎週日曜日の定例ミーティング、空きコマおよび長期休みでの実験
構成人数:45名
活動場所:西早稲田キャンパス、学生会館、TWIns
Webサイト:https://igem-waseda.netlify.app/
◆Instagram:@igemwaseda
X:@Wasedaigem

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