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うさぎのめるさんと過ごす日々

ほわほわでとてもきれい好きで、毛繕いが大好きな、めるさん

社会科学総合学術院教授 笹原 宏之(ささはら・ひろゆき)

早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得(日本文学)。博士(文学)。2007年より現職。専門は、日本語学、漢字学。言語表現論、漢字文化圏論、メディアと言語の研究などを担当

家でうさぎを飼っています。家族が外出し、私も講義に出るときはお留守番をしてくれます。ドアベルがピンポーンと鳴るたびに、耳を立てて「誰?」と固まってからキョロキョロしているはずです。

6年前、赤ちゃんの頃のめるさん

幼い頃、家に猫がいたのですが、今は長男が猫アレルギーで、また家が本だらけで狭いからと言われて飼えなくなっています。そんなある日、帰宅すると、家族がにこにこしながら手を向けたケージに、丸い目をした子うさぎがいたのです。

ほわほわの毛がキャラメル色なので、次男が「める」と名付けました。生後半年たってやっと雌と分かりましたが、表情やしぐさからきっとそうだ、とみんなが思っていました。丸くてかわいらしい姿から、成長するとみんなが認める美うさぎになりました。でも、暖かいとおなかを出して寝ていて、それは安心してくれているからとうれしくなるものです。

珍しく目を閉じていますが、普段は眠っている時も油断せず、つやつやした目は開いています

うさぎは弱い草食動物で、トップに虎(今では人間?)を頂く哺乳類の食物連鎖の最下層に位置付けられています。草を食べるのが健康に良いのですが、甘みがあるため干した野菜が好物で、あげようとすると、舌をペロペロっとして立ち上がって、着地する前に食らいついてきます。めるさんは、好きな物からがっつき、あげないと皿をかんで振り回して怒り、ドワーフ(※)なのに実は2キロもあって生命力を感じさせます。

※うさぎの一品種。体が小さいことが特徴で、通常体重はおよそ1kgほど。

遠くの音が気になったり、ご飯がほしかったりすると、立って伸び上がります

私の研究生活は書斎にこもりがちで、山と積まれた新旧の文献をあさってパソコンでまとめる毎日。仕事はいつも10種以上を並行して進めていて、飽きたらそっち、それも飽きたらこっちと繰り返す日々です。さすがに頭が飽和して、良い時刻になっていれば、下の階に行ってめるさんにご飯やおやつをあげます。うさぎは夜になると元気になり、声は出ないのでケージをかじって出たがり、扉を開けるとピョンと跳んで遊びに出ます。

コロナ・パンデミックに入った時、久しぶりに講義用プリントを作りましたが、文字ばかりではつまらないと思っていました。その時、めるさんはずっと家にいて、いわばステイホームの先輩だと気付いたのです。そこで、プリントに「鬱滞(うったい)という震えた状態にならないように、毛をといてすいてあげます」などの一言と写真を添えてみると受講生たちは、「それを楽しみに長いプリントを最後まで頑張って読み切った」など、書いてきました。私の都合でめるさんのことを載せない回には、落胆だけでなく抗議の声まで届くのです。漢字に関する講義の内容を応用し、めるさんの名に漢字を考えたと言って「瞳瑠」と素敵な字を当ててくれた学生もいました。

めるさんの宝石のような瞳は、今日も仕事などによるさまざまな疲れを癒やしてくれます。

授業で配布する講義プリント。めるさんの行動やコミュニケーションを通して、感じたり考えたりした学びを書いている(※クリックして拡大)

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