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ごまかしのこだわり 例えば、「金」か「銀」か

ゼミのWebサイトに使用しているアイコン(右)は、ゼミの1期生が制作した

法学学術院教授 大澤 慎太郎(おおさわ・しんたろう)

2003年早稲田大学法学部卒業後、2012年同大学院法学研究科博士後期課程研究指導修了満期退学。博士(法学)。新潟大学法学部専任講師、千葉大学大学院社会科学研究院准教授などを経て現職。専門は「民法」、特に「保証」を中心とした金融担保法制全般

“ファッションへの思い入れ(=「こだわり」と理解しました)”について何か拙稿を、とのご依頼を頂きました。ゼミのWebサイトなどで掲載されている「帽子」と「ボウタイ(蝶ネクタイ)」とを着用した当方の写真から、何らかの“ファッション性”を感じ取られたようです。

確かに私は“浮いた”服装をしているのかもしれません。街に溶け込むことは基本的にありません。ホテルでは従業員と間違われることも少なくなく、病院では患者さんたちから医師と間違えられたこともあります。その反面、各種のテーマパークでは、キャスト(クルー)よりも現場になじむこともあります。

もっとも、私は“流行”の意を含む“ファッション”とは相いれない、むしろ逆行する存在であるように思います。ブランドにも詳しくなく、それこそファッション雑誌など、ほとんど拝見したことがありません。しかし、これでは話が終わってしまいます。そこで、“こだわっている”と自覚のあるものについて、三つほど述べさせていただきます。

トレードマークのボーラーハットとボウタイ姿で、ゼミ生(卒業生)との一枚

まず、ゼミのWebサイトのアイコンにもなっている帽子とボウタイですが、帽子は「ボーラーハット」、ボウタイは「手結び」であることを重視します。ボウタイに限らずネクタイは、結び目がデザインでもあり、ある種人格を表すものでもありますから、自ら適正な結び目を作ることが重要と考えます。次に、ワイシャツの襟は「ラウンドカラー」にします。なぜかというと、「ボーラーハット」にも通じることですが、究極的には“丸いものが好き”という単純な理由です。

秋冬用のボーラーハットの一部。ブリム(つば)は短め、(トップ)クラウンは高めのものが良いです

“丸いものが好き”という視点から、ボウタイはドットかそれに準じるものが好ましいです

最後に、これがやや特殊なことかと思うのですが、“金属の色をそろえる”ということです。すなわち、私は普段、金属を含む装備品として「眼鏡」「懐中時計」「時計の鎖」「ネコバッジ(ネコ科含む)」「カフリンクス(カフスボタン)」「ペン」「ブレイシーズ(サスペンダー)」「ルーペ」を身に付けており(この時点で、おかしいと言えばおかしいのですが)、この“金属部分”の色(素材)を「金」または「銀」に統一します。「かばんの金具」と「傘の柄」もそろえられると好ましいですが、服や靴との兼ね合いから「革」や「布」の色を優先せざるを得ないことが多いです。

写真左:ブレイシーズはボウタイの色と同系色に合わせます。ボウタイと同じくドットまたは単色が良いです
写真右:時計と鎖は、ベストの有無などによっても変えたりします

「金」と「銀」の2色しかないので、装備品が一つ決まると他の色も決まります。大抵、「眼鏡」か「時計」が先行しますけれども、ジャケットのボタンの色(素材)が基準になることもあります。ペンは「万年筆」と「ボールペン」とを少なくとも各1本持参し、インクの色が「青」と「黒」とに分かれるようにします。「ネコバッジ」は不要と思われるかもしれませんが、ネコを愛する私には「ネコバッジ」こそ重要です。

写真左:子どもの頃から字が下手なのをペンのせいにして、気付けばいろいろと集めてしまいました。座学や論述(試験)が多い法学部では、ペンにこだわる人は多いと思います
写真右:メガネ、カフリンクス、ルーペ、ネコバッジもまた、丸めのものが好ましいです

なぜこんなことになってしまったのかは、よく分かりません。「ネクタイとワイシャツの色が合わない」という理由で会社を休んだり、独自のネクタイの結び方をしていたりと、やや変わっていた父の影響かもしれません。しかし、歴史的によく見られることですが、おそらく自分自身の能力に自信が無いため、外見でごまかしているのかとも思います。研究者としては、自らの専門性をもって“浮いた存在”にならなければなりません。もしそうなることができたら、以上の“こだわり”などどうでもよくなるのかもしれません。

中国・蘇州に出張した際の一枚

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