——–開催概要——–
【演題】「新・近代の超克」
【登壇者】浜崎洋介(文藝批評家・京都大学特定准教授)、大場一央(儒学者・元國策硏究會幹事長)、平坂純一(作家・仏文学者・早大卒)
【日時】12月16日(月)18時〜(17時開場) ※途中入退室自由
【会場】早稲田大学大隈記念講堂大講堂 (〒169-0071 東京都新宿区戸塚町1−104)
【参加対象】学生・一般共に参加無料・予約不要
【お問い合わせ】
[email protected]
X:@wkokusakuken
【講師の先生方への事前質問フォーム】
https://forms.gle/6Cfh3sud1jAAHnBK8
【先生方からのメッセージ】
浜崎洋介先生:今年の早稲田大学国策研究会の講演会は、去年より更にパワーアップして、「新・近代の超克」という鼎談企画になっています。欧米主導のグローバリズム(=近代)が終わろうとしている現在、改めて、日本の「砧木の幹」である江戸儒学思想を引き継ぐ大場一央氏(儒学者)と、近代発祥のフランスにおける「反近代思想」を専門としてきた平坂純一氏(作家・批評家)と、近代日本の保守思想をメインテーマとしてきた浜崎洋介(文芸批評家)とで「近代とは何だったのか」、そして「その超克の姿はいかなるものになるべきなのか」について議論したいと思っています。ご関心の方は、是非、ご参加ください!
大場一央先生:「近代」―――政治においては「市民革命」、経済においては「産業革命」が起こり、「民主主義」「資本主義」が絶対の正解となった時代。そのルールの下で「自由」と「消費」が私たちを幸せにすると信じ、受験勉強や就職戦争を戦い抜き、幸福な人生をつくろうとみんな頑張ってきました。ところが、この数十年、頑張ったほどには報われず、低い給与で家族もつくれない。仮に高給がもらえても、それほど幸せを実感できない。また、期待して選んだ政治家たちも信用できず、不安な未来しか想像できない。そんな社会になっています。 私たちの頑張りに問題がないのなら、それは「近代」のルールが壊れてしまったのかもしれません。そもそも「自由」と「消費」は、本当に私たちを幸せにするのでしょうか。「近代」に染まりきった私たちの常識から離れ、江戸時代の人々の知恵を拝借し、これから先の未来について、一緒に考えていきましょう。
平坂純一先生:仏和辞書でモデルヌ(Moderne)を引きますと、「近・現代の」「近・現代的な」が出ます。ところが、複数形(Modernes)になると「現代人・近代作家(擁護派)」とあります。このことから類推されるのは「擁護しない人もある程度いた」ということです。ひいてはModerneの語の中に既に「近現代性を受け入れるかどうかは人間が慎重に決める必要がある」という意味があるしてもいいでしょう。(日本のアンチモダン) 早稲田が守るべきは、なにも金科玉条的で明文的なことばでもなく、型にハマった保守主義でもない。なによりも反オーソドックスがオーソドックス化した時代に爪立てる在野の精神に他ならない。知性を欲し、社交に飢えた、反骨の若人の来場を待つ。