自然と国際色が豊かな環境が、自分の内面を成長させる機会をもたらした
基幹理工学部 5年 袁 欣綺(えん・きんき)

北島のケリケリにある観光名所の滝レインボーフォールズにて
私は2023年2月から11月まで、ニュージーランドのオークランド大学に留学していました。高校生のときのニュージーランドでの短期留学がきっかけで、「英語をもっと自分にとって身近なものにしたい」と思うようになり、英語力向上を目標に約10カ月間の長期留学に向かいました。
ニュージーランドを留学先として選んだ理由には治安の良さなどがありますが、一番の理由は自然の豊かさでした。北島の都心部からバスで少し離れるとかわいい羊に癒やされることができ、南島に行くとさらに壮大な自然に囲まれながら、とてもゆっくりとした時間を過ごすことができます。
こうした環境だからなのか、ニュージーランドの人たちにはとてものんびりとした雰囲気があります。休日はゆっくりとビーチで過ごしたり、外でも靴を履かずにはだしで過ごしたり…。図書館内をはだしで歩く学生を見かけたときはびっくりしました。
写真左:オークランド市街地からフェリーで約40分で行けるワイヘキ島。温暖で湿度の低い気候を生かしたブドウ栽培が盛んで、島には多くのワイナリーがあります
写真右:北島のウルプカプカ島の羊たち

北島にあるパイヒアという街の看板。マオリ語で「ようこそ」を意味する「HAERE MAI(ハレ マエ)」と英語の「WELCOME」が書かれています
また、ニュージーランドでは先住民族のマオリの文化が日常生活のさまざまなところに根付いています。例えば、「こんにちは」を意味する「Kia Ora(キア オラ)」などいろいろなマオリ語を街中で見かけることができます。また、オークランド大学のオリエンテーションではマオリの民族舞踊で私たち留学生を迎えてくれました。ラグビーの試合前にニュージーランドのチームが行うハカもマオリの民族舞踊の一つです。
留学の前半は語学学校でプレゼンテーションの仕方やアカデミックライティングについて学び、後半はオークランド大学で主に統計や情報学について学びました。授業ではクラスメートとのディスカッションを求められることが多くありました。最初は自分の意見がうまく言えずもどかしく感じることもありましたが、完璧に話そうとするのをやめて、相手に伝えることやコミュニケーションを取ることに重きを置くことで、英語を話すことへの抵抗を減らすことができました。
授業後は学生弦楽オーケストラの練習に参加したり、友人たちとさまざまな国や地域の国際交流クラブのイベントに参加したりしました。オークランド大学は非常に国際色豊かな大学で、全学生のうち約20%が海外からの留学生です。そのため、こういったイベントを通して異なる文化・背景を持つ学生たちと交流し、自分の視野を広げるとても貴重な経験を得ることができました。
このように、ニュージーランドでは豊かな大自然を満喫しながらいろいろな学びに触れ、英語力だけではなく自分の内面も大きく成長させることができたと感じます。
写真左:学生弦楽オーケストラで一緒にバイオリンを演奏した友人と(右が筆者)
写真右:日本文化を広める国際交流クラブ主催の夏祭りに友人たちと参加したときの一枚(左端が筆者)
~ニュージーランドに行って驚いたこと~

友人宅の庭で、打ち上げ花火と線香花火を楽しみました
日本では比較的簡単に手に入る花火ですが、ニュージーランドでは決められた4日間でしか花火を買うことができません。普段は販売してはならないと法律で禁止されており、11月5日の英国の記念日ガイ・フォークス・デーを祝うために11月2~5日の4日間のみ、18歳以上であれば購入することができます。現在は記念日としての意味合いは薄れてきて、一種のイベントのような形で家族や友人と楽しむことが多いようで、11月上旬頃に住宅街を歩いていると、街のいたるところで花火の上がる音が聞こえてきます。
ニュージーランドはこんなところ
ニュージーランドは、南西太平洋のオセアニアのポリネシアに位置する立憲君主制国家。イギリス国王を君主とする英連邦加盟国で、北島と南島の二つの主要な島と、多くの小さな島々からなる。首都は北島にあるウェリントン。人口は約520万人(2023年3月現在)。面積は約27万平方キロメートル。公用語は英語とマオリ語。時差は日本より+3時間。酪農や畜産が盛んで、家畜の数は人口の10倍以上あるという。