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快適に考える

研究者になって、考えることが仕事の大半になった。新しいことを言わないと仕事にならないため、いつも何かを考えている。思い返してみると、研究者になる前、会社勤めをしていたときも、考える局面はそれなりにあったのだが、幸い今の方が快適にあれこれ考えることができている。一体、自分の何が変わったのだろう。

まず、考える対象を良く知っていることが大きい。知識が増えて解くことが容易になったという意味ではなく、難易度の調整を自分でできるようになったという感覚だ。イージーモードだとつまらないので、たまにはハードモードでプレイしてみたりする。次に、問題が解けないこともあると納得している点も重要だ。全力で取り組んでいれば、解けなくても何らかの学びはある。解ければさらにうれしい、というボーナス設定は悪くない。最後に、足りない知識や技術があっても、今から学べば良いとのんびり構えていることもある。私の専門分野である経済学では、新しい手法が開発され、使えるデータも拡大している。新しい技で新しい素材を調理できることは喜びとなり得る。

大学を出て会社勤めを始めたときには、意味不明に焦っていた。解くべき問題の所在も曖昧なまま、クリアできなければ落後者だと思い詰め、何も備わっていない身でその場をなんとか取り繕おうとしていた。若さゆえの謎の焦燥感が今につながっている面はある。それでも、快適に考えごとをするためのコツだけでも若い誰かに伝えられないかと思い、どうしたら良いか考えているところだ。

(D.M)

第1163回

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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