保健センター学生相談室 臨床心理士・公認心理師 丹(たん)
就職活動を続けていると時に視野が狭くなり、採用結果によって自己評価が上下しがちです。自分の価値を他の面からも再認識することを忘れないようにしましょう。以下に、つらい気持ちを和らげ、気持ちを楽にするためのアドバイスをいくつかお伝えします。
他者と比較しない
他人との比較を避けることはとても大事です。不安や劣等感、焦燥感などのつらい感情は、他者と比較することから生じます。自身と向き合い、自分の成長を楽しむことを重視しましょう。初めは難しいかもしれませんが、成長は“ちょっとずつ”するもの。“ちょっとした”成長を見逃さないように意識してみてください。自分自身の目標を立て、何を実行するかを明確にするのがコツです。
ポジティブな言葉を使う
「~しなければ」、「~すべきだ」といった言葉で頭がいっぱいになっていませんか。これは、これから起こるかもしれない悪いことを想像し、避けようとすべく対応を考える中で、不安で頭がいっぱいになっている状態です。そんなときは自分自身に対してポジティブな言葉掛けをしてあげましょう。否定的な言葉や自己批判的な考え方は避けて、「今日はよく頑張った」、「やれることはやった」、「自分はできる!」と自分を励まし、肯定的な視点で見るように心掛けましょう。
失敗を恐れない・失敗を受け入れる
私たちは完璧ではありませんし、そうある必要もありません。人は皆失敗します。就職活動をしていれば、意にそぐわない結果になるときもありますが、誰にでも起こりうるものだと受け入れることも大事です。そこから学び、次にやることに目を向けて、恐れずに前向きに取り組みましょう。
サポートの活用
周りには、不安なとき支えになってくれる人がいます。助言やサポートをくれる友人や家族、カウンセラーなどに、話を聞いてほしいと打診してみましょう。悩みを共有することで、支えになってくれるはずです。また、保健センター学生相談室では悩みを解決できるよう、臨床心理士が無料で相談に応じています。どうぞご利用ください。
【参考文献】
『30分でできる不安のセルフコントロール』マシュー・マッケイ、トロイ・デュフレーヌ著 堀越勝、樫村正美訳(金剛出版、2017年)