保健センター学生相談室 臨床心理士 中川(なかがわ)
あなたの気持ちを一番に
学生相談室で聞くことの多い相談内容です。アルバイトの他にも、部活動、サークルなど場面はさまざまですが、「相手の期待に沿わないことを言う=迷惑を掛ける」という心理(過剰な責任感)が強く働いてしまい「辞めます」の一言が言い出せず、ストレスを抱えながら続けてしまう人がいます。
しかし、あなた自身の気持ちの優先順位を一番上にすることをぜひ大切にしてほしいです。辞める決意をしたら、率直に、先延ばしにしないで、辞めたいという気持ちをアルバイト先に伝えることをお勧めします。早めに伝えることで、自分の気持ちの負担は減りますし、アルバイト先にとっても早く人探しに取り掛かれるのでダメージは少ないはずです。
客観的に状況を見るのがポイント
「過剰な責任感」というものは自分では分かりにくいのが問題です。アルバイトを辞めたい自分は「わがまま」だと思うこともあるでしょう。そんなときのポイントは、1人で悩まないこと。1人で思い詰めている時は視野が狭くなりがちで、良い考えが浮かばないものですから、第三者の視点が役立ちます。
例えば、アルバイトの場合、客観的に見れば、学生が自身の学業や生活を犠牲にしてまで続けなくてはならないものではないはずです。人手不足などの問題を解決するのは一義的には経営者の仕事であり、学生アルバイトの責任ではありません。このように、別の観点から考えると、「辞めたい」と思う気持ちにまつわる自責が大幅に軽減できます。
学生相談室でできること
学生相談室では、速やかに学生相談室のカウンセラーに相談できる「単回電話アドバイスサービス」、無料で弁護士に相談できる「法律相談」などでこのような相談に対応しています。大学で相談するタイミングがないという人は、信頼できる人に相談して客観的なアドバイスをもらってはいかがでしょうか。