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楽単やコスパとは無縁! “本物”の大学生の学びが得られる日本文学演習

日本文学基礎演習Ⅱ B、F【教育学部設置科目】

教育学部  1年 新田 愛夏(にった・まなか)

石原先生(左)、新田さん(右)

「大学で文学を学ぶといっても、文学研究って読書感想文と何が違うの?」そんな素朴な疑問を持ったことのある人はいませんか? 石原千秋先生(教育・総合科学学術院教授)による日本文学基礎演習Ⅱは、半年かけて武者小路実篤の『友情』を読みながら、感想文とは異なる学術的な論じ方を学ぶ授業です。

この授業は、講義、発表、レポートの三要素によって進められます。講義では、明治時代の学校制度や、近代都市東京の成立過程といった、作品の時代背景的な内容や、作品研究に用いる男女二元論の視点など、近代文学を読み解くにあたっての基礎を学びます。発表は、『友情』について、グループごとに異なるテーマを各自で決めて行います。レポート提出は3回あり、『友情』について論じつつ、自分の意見を客観的に述べる方法を身に付けます。

ここまで読んで、大変そうだと感じた人もいるでしょう。実際、レポートや発表の準備は大変です。詰めが甘い部分があれば、先生から厳しい指摘があるので、時には落ち込むこともあります。私はもともとレポートを書くのが苦手で、入学して最初のレポート作成にも、間違ったことを書いてしまわないかと緊張しました。ですが、「肝心なのは失敗から学んで正しいやり方を身に付けることで、大学1年のこの期間はそうした経験を積み重ねる期間なのだ」と先生は繰り返しおっしゃいます。先生のその言葉のおかげで、レポートへの苦手意識が軽くなったように感じています。

この授業の特色は、演習を通して大学生としての在り方について考えられるところだと思います。失敗から学ぶということの他に特に印象に残っているのが、個性の話です。初回の授業で先生は、個性的な作風で有名な画家も、若い頃はさまざまな絵を模倣していたというエピソードから、「たくさん学ぶことが個性の礎となる」とおっしゃいました。先生のおっしゃる「大学生の学び」は、苦労もありますが、その分得るものは多いと思います。

一人一人に丁寧なコメントを残しながらレポートを返却する石原千秋教授。夏目漱石から村上春樹まで斬新な読解を提供しつつ、国語教育への問題提起も果敢に行い、『学生と読む「三四郎」』(新潮社)、『国語教科書の中の「日本」』(ちくま新書)『秘伝 大学受験の国語力』(新潮社)、『漱石と日本の近代』(新潮社)など、著書も多数

この授業では毎回、学生による質問などからどんどん内容が広がり、掘り下げられていくので、いつも時間がたつのがあっという間に感じます。といっても、難しい話ばかりではなく、他の学生と話し合ったり、時には雑談も交えたりしながら進んでいきます。和やかな雰囲気の講義と緊張感のある発表のメリハリの利いた環境で、大学での学びの最初の一歩を踏み出す、そんな授業です。

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