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水道水が全て地下水! 世界でも稀有な「水の国」熊本

熊本のオアシスの秘密

文学部 3年 平川 カノン(ひらかわ・かのん)

私のふるさと熊本県は、世界有数のカルデラを持つ活火山、阿蘇山があることから「火の国」と呼ばれます。この阿蘇山付近での豊富な雨と、火山活動によって形成された熊本の地形によって、天然の地下水がもたらされます。阿蘇山に降った雨は約20年かけて熊本市に届くそうで、なんだかロマンを感じます。

そしてもう一つ、熊本には「水の国」という対極の異名もあることを知っていますか? 今日はそんな「水の国」の1面を紹介したいと思います。

「水の国」と呼ばれる熊本県には1,500カ所以上の湧水があり、中でも人口約74万人の熊本市は他都市のようなダムや浄水場はなく、地下水に法律で定められた最低量の塩素を加える処理をしただけの“ほぼ地下水”を水道水として使用しています。いつでもどこでもおいしい水が飲めるのは、熊本県民の特権。これは人口70万人以上の都市で見ると日本では唯一、世界的に見ても大変珍しいことなのです。

また、熊本市の市街地には熊本のオアシスといわれる江津湖があります。江津湖は長さ2.5km、周囲6kmで上江津湖と下江津湖に分かれたひょうたんのような形をした湖です。

江津湖には1日に約40万トンの水が湧き出ており、「平成名水百選」に選定されています。

私自身も、幼い頃から水遊びに行き、ボートや屋形船に乗っていました。また、清掃活動やマラソン大会などの学校行事は江津湖周辺で行われていたので多くの思い出があります。

写真右:熊本市民の水遊びパラダイス、江津湖
写真左:江津湖の湧水が流れ込む浅瀬のスペースにあるじゃぶじゃぶ池

江津湖の湧水地にあるぞうさんプールは、江津湖に来た際には外せないスポットです。ぞうの滑り台がシュールですが、水が綺麗で浅いので生き物観察やちょっとした水遊びには最適な場所です。5月から6月上旬にかけては蛍を見ることもできます。

じゃぶじゃぶ池は夏になると多くの人でにぎわっています。自然のプールは水の流れもほとんどなく、そこに生息する生物を身近に感じられるので大人から子供まで楽しめます。

ぞうさんプール。ぞうの滑り台が何とも郷愁漂う

江津湖は交通量の多い市内の中心に位置していながらも「熊本のオアシス」と呼ばれ、市民の憩いの場として豊かな水と自然を感じられるというまさに水の国・熊本を体感できる場所です。また、江津湖周辺には熊本市動植物園くまもと文学・歴史館などがあるので観光にも非常に適しています。

江津湖の楽しみ方は人それぞれですが、私がおすすめする楽しみ方は江津湖に生息する多様な生物、野鳥を見つけることです。江津湖のWebサイトには江津湖で観察できる生き物が紹介されています。紹介されている生き物を見つけると宝探しをしているかのようで胸が高鳴りますよ。

皆さんも熊本に行った際は街中のオアシスで自然を感じてみては?

江津湖にも生息する清流の宝石カワセミ(写真提供:熊本市水前寺江津湖公園)

◎熊本県はこんなところ

人口は約171万人で、県内には45の市町村がある。九州本島の中央部に位置し、福岡、大分、宮崎、鹿児島の各県と境を接する。海上で有明海を隔て長崎県とも接する。中心都市である熊本市は、九州第3位の人口を擁する。熊本のシンボルである熊本城を中心にかつての城下町が繁華街になっており、活気に溢れている(人口は全て2023年3月1日現在)。

 

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