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ICC「にほんごペラペラクラブ」サポーターで、新たな出会いや発見を

「どの国から来ても、違う文化で生きていても、同じ人間である」

文学部 3年 榊原 百恵(さかきばら・ももえ)

「にほんごペラペラクラブ」は、日本語を学ぶ早稲田大学の留学生同士が、すごろくやジェスチャー当てクイズなどのゲームを通して日本語の会話を楽しもうと、ICC(異文化交流センター)が主催し、定期的に開催しているプログラムです。1カ月単位の会員制で、2022年度秋学期は10月、11月に週1回ずつ開催しました。今回リポートする11月の回は、留学生40名、サポーター20名の登録があったそうです。私はサポーターとして10月に続いての参加でした。

活動は早稲田キャンパス内の教室で開催。まず、留学生が1テーブルに3~4人ずつ振り分けられ、そこに日本語母語話者のサポーターが1~2人つきます。サポーターは、分からない日本語がある留学生のサポートをしながら、彼らと一緒に会話やゲームに参加します。参加者の日本語レベルはばらばらで、ネイティブと同じくらい話せる人もいれば、簡単な言葉しか知らない人もいます。

そのような中でサポーターとして気を付けていたことは主に二つ、なるべくはっきり話すことと、状況に応じて自分の役割を調整することです。まず、はっきり話すというのは、サポーターの事前オリエンテーションでも説明があったことで、話す速さというよりは、分かりやすさを意識しました。日本人同士でも相手に伝わるように話すことが大事ですよね。日本語学習者と話すときも、それは変わりません。

もう一つの、状況に応じた役割の調整とは、例えば、各参加者の日本語レベルを把握した上で、日本語を話すのがまだ難しそうな人には「○○さんは?」と話を振るなどして発言しやすい場を作るようにしました。そうすることで、知らない日本語があった場合でも他の参加者が教えるなど、助け合うようになっていました。逆に、日本語能力の高いメンバーが集まった場合、「“自然”な日本語を話せるようになりたい」と望む人が多かったので、私が主体となるのではなく、グループの一人として会話を楽しむようにしていました。

クラブの後は、参加者と一緒にワセメシを食べに行くこともあれば、別の日に遊びに行くこともありました(私はどちらも経験しました!)(※)。クラブ全体の雰囲気がとても良かったので、英語だけが飛び交う場に参加するのは不安だけど、海外からの友達を作りたい、という方にはぴったりの場だと思います。

(※)にほんごペラペラクラブでは、お互いの了承を得た上であれば連絡先の交換が可能。

教室での様子。「にほんごペラペラクラブ」という名称からも分かるように、使用言語は原則として日本語ですが、多少英語で説明ができるといいかもしれません

そもそも、私がにほんごペラペラクラブに参加したのは、カナダへの留学を控え、留学先で日本文化を紹介できるように、また、海外の人が抱く日本のイメージがどのようなものかを知りたかったからです。他にも、留学生と仲良くなれば、英語や彼らの母語を学んだり英語での会話に慣れたりすることもできると考えました。

実際にサポーターとして参加し、得るものがとても多かったと実感しています。活動を通して留学生たちの出身地の文化を知るだけでなく、日本語学習者が日本語を学ぶ上で何を難しいと感じているのか、日本のどこが好きなのか、違和感があるのかなど、外の視点から自国の文化について考える機会がたくさんあり、自分にとって大事な異文化交流の場となりました。

ジェスチャーゲームで使用したカード。面白いけど難しそう…と思ったら、単語の意味を理解した上でジェスチャーした人が多く、思いの外早く終わりました。それが衝撃的で、みんなの日本語勉強法が気になりました

そして、私の中で一番変わったのは、“どの国から来ても、違う文化で生きていても、同じ人間である”という新たな意識が生まれたことです。今の日本では、普通に生活しているだけでは海外から来る方とあまり交流する機会がなく、私も最初の頃は「外国人」というフィルターを通して留学生と接してしまっていた気がします。もちろん、彼らとは文化や慣習、環境によって培われた価値観の違いがあり、お互いにそれを尊重する必要はあると思います。しかし、家族や友達がいて、好きな食べ物、音楽、映画があって、苦手なものがあって…というトピックはどうでしょう。「外国人」というフィルターを通して話さなくても成立するし、何よりどんな人でも楽しめる話題です。

11月の最終回はフリートークの時間も。全体の進行はICCの学生スタッフリーダーが担当し、彼らが用意したトピックから選んだ話題で盛り上がりました

この世界は、日本での暮らしがそうであるように、英語圏に暮らす人々だけで成り立っているわけではないし、違う国や地域の人同士であっても生きていく中で共通する部分がたくさんあります。さまざまなバックグラウンドの人々と接するとき、違いがあるのは前提としてその違いを楽しみつつ、フラットな価値観で接することが、交流する上で一番大事な姿勢だと学ぶことができました。

にほんごペラペラクラブは誰にとっても新しい出会いや発見ができる場所だと思います。ぜひ皆さんも気軽に参加してみてください!

「にほんごペラペラクラブ(5月)」サポーター募集中!

※クリックして拡大

5月のクラブ活動時に中心となり、トピックの提示や会話を盛り上げてくれるサポーター(日本語会話ファシリテーター)を新規募集中です!

  • 開催日程:2023年5月9、16、23、30日(火曜5限、17:00~18:00)
  • 会場:早稲田キャンパス内
  • 対象:日本語を母語とする早大生(オリエンテーション有)
  • 応募締切:4月24日(月)午前9時

その他、応募条件や応募方法などの詳細は、こちらでご確認ください。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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