保健センター学生相談室 臨床心理士 立崎(たちざき)
まずは、ストレス要因を認識してみよう
訳もなく不安になったり、イライラしたりする…それは、誰にでも起こりうるストレス反応かもしれません。実は、ストレス反応を引き起こすストレッサー(ストレス要因)には、さまざまな種類があります。まず、どんなストレッサーがあるのかを理解してみましょう。
ストレッサーの分類方法はいろいろありますが、ここでは大きく5つに分けてみたいと思います。
- 物理的ストレッサー:温度や音、光など。気候の急激な変化や気圧の変化も含まれる。
- 化学的ストレッサー:化学物質や薬品、マスク着用等による酸素不足など。タバコや香水も含まれる。
- 生物学的ストレッサー:細菌、花粉やほこりなど。
- 生理的ストレッサー:病気、月経、睡眠不足など。
- 心理的・社会的ストレッサー:職場や大学(授業やゼミ、サークル)での「人間関係」、暴力場面の目撃や災害・事故との遭遇といった「身体の安全の危機」、課題の提出期限などの「時間制限」、「社会経済」や「政治問題」など。「試験」や「就職活動」も含まれる。
いかがでしょうか。このように、日常のいたるところにストレッサーは潜んでいます。あなたには、どんなストレッサーがあるでしょうか。
ストレッサーを認識できたら…
不安やイライラの原因が思い当たると、それだけで気持ちが落ち着くこともありますが、あまり変わらないこともあるかもしれません。そんなときは、不安やイライラをそのまま受け止めて、今の自分に優しくなれるといいと思います。人知れず頑張ってきた自分に、何かご褒美を用意するのもいいですね。
もし優しい気分になれないときは、身体に働きかけてみましょう。ふーっとゆっくり長く息を吐く、布団にくるまってじっとする、身体のどこかを優しくトントントンとたたく…そんな方法もあります。何をしても自分一人では不安やイライラが収まらないときは、安心できる人に相談するのもお勧めです。保健センターの学生相談室にも、こころの専門家(心理専門相談員(臨床心理士))がそろっています。お気軽にお問い合わせください。
【参考文献】
・こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)
・『セルフケアの道具箱』伊藤絵美著(晶文社、2020年)