武蔵野の雑木林や川がテーマ
「図書喫茶カンタカ」
【取材・文・撮影】
早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)
政治経済学部 4年 山本 皓大(やまもと・ひろと)
西武線所沢駅東口から南に徒歩15分ほど、旧所沢街道沿いにたたずむ「図書喫茶カンタカ」。2020年12月にオープンした、武蔵野の雑木林や、近くを流れる柳瀬川をテーマにした喫茶店です。「図書喫茶」という名前の通り、店内にはたくさんの本が。地域の名産品であるお茶や、手作りにこだわった食事をいただきながら、読書を楽しめる空間が広がります。
店名の「カンタカ」は、宮崎駿監督のアニメ映画『となりのトトロ』の登場人物カンタと、『もののけ姫』の登場人物アシタカからとったもの。所沢が『となりのトトロ』の舞台とされていること、そして、1990年代後半にダイオキシン問題が発生した所沢の環境と『もののけ姫』の世界が重なって見えたことから名付けたそうです。
写真左:お店の外観。埼玉県所沢市と東京都東村山市の境に位置する
写真右:店内に入るとせせらぎの音が聞こえてくる。奥に見えるのは、柳瀬川の河原をイメージし、小石が埋め込まれたカウンター。天井には木の葉の影が浮かび上がる
1階は木製の机や椅子、本棚が並び、木のぬくもりを感じることができる落ち着いた雰囲気。フリーWi-Fiも完備しており、学生が勉強をするのにもぴったりです。2階はイベントスペースとしても利用可能。キッズスペースやグランドピアノ、真空管アンプが備わり、朗読会や音楽イベントなどが開催されることもあるそう。
店内(1階)の様子。壁一面の本棚に並ぶ本はオーナー肥沼さんの蔵書で、環境問題やまちづくりに関するものから絵本まで、ジャンルはさまざま。店内で自由に読むことができる
料理は所沢の人気カレー店「negombo33」が監修していて、どれも基本的に一から手作り。看板メニューのスパイスカレーは、スパイスの調合から店内で行っています。また、お客さんからの要望はできるだけメニューに反映したいと、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」の具として人気だったサバをカレーに入れた「サバカレー」(※)を提供したこともあるそうです。
(※)現在は販売休止
今回私がいただいたのは、「2種盛りカレー」と「バインミー(サバ)」、そして「コルコル珈琲ゼリー」です。カレーは時期によって変わる3種類から好きなものを選ぶスタイルで、ビーフカレーとエビカレーをチョイス。どちらもスパイスが効いていて、自宅で食べる一般的なカレーとは異なる風味。ビーフカレーは口にすると肉のうまみが広がる一方で、米酢やヨーグルトの酸味もあり、さっぱりとした後味です。エビカレーには大きなエビが一尾。スパイシーながらもクリーミーな味わいを楽しむことができます。
バインミーには、たっぷりのなますと、ナンプラーとレモンで味を調えたサバが二切れ。ヘルシーな組み合わせですが、ボリューミーで満腹感はばっちりです。ぷるぷるとした珈琲ゼリーは、ほろ苦く、甘さ控えめ。口にするとコーヒーのいい香りが鼻に抜けます。

(左から反時計回りに)「2種盛りカレー」(1,350円)と、「バインミー(サバ)」(750円)、「コルコル珈琲ゼリー」(450円)。カレーは単品(1,200円)や3種盛り(1,600円)、バインミーはハーフサイズ(450円)もある

「ハンバーグプレート」(1,200円)のハンバーグはひじき入り。パンプキンスープも付いている
他にもハンバーグやパン&サラダのプレートなど、さまざまなお食事メニューがあります。また、所沢にある「山田珈琲豆焙煎(ばいせん)所」のコーヒーをはじめ、近くの製茶所の所沢和紅茶や所沢ぐり茶、狭山茶ラッシーなど、地域の食材を生かしたドリンクを楽しむこともできます。
「図書喫茶カンタカ」で、たくさんの本に囲まれながら、こだわりの詰まったメニューを堪能してみてはいかがでしょうか。
店舗情報
【店名】図書喫茶カンタカ
【住所】東京都東村山市秋津町3-30-6
【TEL】042-306-0148
【営業時間】9:00~20:00(ラストオーダー19:30)
【定休日】年末年始
【Twitter】@kantakajpn
【Instagram】@kantakajpn
【Facebook】@kantakajpn
※記事中の価格は全て税込み
オーナーの肥沼さん、店長の熊谷さんから早大生へ一言

(左から)肥沼さん、熊谷さん。肥沼さんは政治経済学部の卒業生で、学生時代は水泳部(水球)に所属していたそう
肥沼さん「お店で過ごすことが、人と自然、環境の関係を考えるきっかけになってくれればうれしいです。こだわりの料理をぜひ食べに来てください!」
熊谷さん「今はネットを開くと自分の好みに合ったものばかりが表示されるような時代ですが、ここでは普段読まないような本や、これまで興味がなかったような本にも出合えるはずです。ぜひお越しください」