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世界遺産とビルが調和する 海と山と砂漠に囲まれたオマーン国

オマーン料理にスパイスは欠かせません

大学院創造理工学研究科 修士課程 2年
バルキス アル ハルティ

私はアラビア半島の東海岸に位置している、オマーン国(通称、オマーン)から来ました。公用語はアラビア語です。

オマーンは、海岸・山・砂漠などさまざまな自然環境を楽しめる独特の地形で知られています。また、ユネスコの世界遺産に登録されているとりでのような古い史跡と、新しく建てられた家屋やビルの美しい調和を見ることができます。

私は首都マスカットから約200km離れた、北アル・シャルキヤ州アル・カビルという人口約1万6,000人の小さな町で育ちました。山々や農場、黄金色の砂漠に囲まれており、史跡と美しい渓谷(ワディ)で知られています。

写真左:北アル・シャルキヤ州のウィラヤット・アル・カビルにある古い建物は、文化財として保管されている
写真右:ワディ(アラビア語で谷を指す)

家族の農場

私の生まれ育った町はナツメヤシの木が有名で、夏になって暑く、湿度が高くなるとたくさんの実、デーツがなります。どの家の庭にも少なくとも1本のナツメヤシの木があり、毎年家族総出で2カ月間収穫を楽しんでいました。熟れたものは生のままで食べますが、それ以外は一年中食べられるように天日で乾燥させて、保存しておきます。

イスラム諸国には、年に2回、特別な行事「イード」があります。その一つは「イード・アル・フィトル」と呼ばれ、1カ月間続いたラマダン(日の出から日没までの間「断食」として飲食を断つなどにより、信仰心を深める)の終わりを祝う日。通常3~4日間行われるイードでは、人々は伝統的な衣装に身を包んで家族で集まり、おいしい料理を作って楽しみます。1年の間でなかなか会うことができない親戚を訪問したり、隣人とゆっくり過ごしたりする機会にもなっているのです。

 

アル・シャルキヤ地方の伝統的な衣装を着た筆者。地方によって、衣装のデザインや色などが異なる

オマーン料理は、さまざまなスパイス(ターメリック、クローブ、クミン、カルダモン、チリ、コリアンダーなど)を使います。例えば、カブリという米料理には、この料理のために特別にミックスされたスパイスを用意するのです。カレーには乾燥ライムを使いますが、日本ではなかなか手に入らないので、これだけはオマーンから持ってきています。ハルワ(サフランやスパイス、ナッツ類で味付けされた、甘いゼリー状のデザート)といった伝統的なお菓子も有名です。写真は代表的な朝食の一つで、豆とパンをカラクと一緒にいただきます。カラクは、クリーミーで乳白色のインド発祥のスパイスティーです。

典型的な朝食。スパイスティー「カラク」と一緒に

◎オマーン国はこんなところ◎

アラビア半島の東端にあり、アラビア海とオマーン湾に面している。首都はマスカットで、公用語はアラビア語。原油の生産が主な産業であり、国内総生産(GDP)の半分を占めている。面積は日本の約85%で、人口は約459万人(2022年2月現在)。日本との時差はマイナス5時間。「スルタン カブース グランド モスク」はオマーン最大のモスク(礼拝堂)で、アラビア文様のきらびやかな内装を楽しむことができる。またマスカットから車で2時間ほどの「ハウィヤット・ナジム公園」では、地盤や土壌の浸食などにより地表にできた天然のプールが有名。

ICCイベント情報

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知られざる親日国! 砂漠と海と中東の秘宝 ICCオマーン文化ナイト

日時:2022年6月3日(金)18:15~19:45
申し込み締め切り:5月30日(月)9:00
詳しくはこちらから。

 

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