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ア女7度目の日本一 30年目の栄冠を勝ち取り、新たな歴史のスタート切る

「目標は連覇。チームの強みを生かして、今を超えていきたい」

ア式蹴球部女子部
スポーツ科学部 2022年3月卒業 加藤 希(かとう・のぞみ)
スポーツ科学部 4年 船木 和夏(ふなき・のどか)
スポーツ科学部 4年 近澤 澪菜(ちかざわ・れな)

東伏見キャンパスのサッカー場にて。後ろの横断幕はア式蹴球部男女共同で製作したもの。「感謝」という題字に沿った部員からの寄せ書きが並んでいる。(左から)近澤さん、加藤さん、船木さん

2022年1月、全日本大学女子サッカー選手権大会(以下、インカレ)にて4大会ぶり7回目の優勝を勝ち取ったア式蹴球部女子部(以下、ア女)。創部から30年という節目に日本一の座に輝きました。これまでにも、関東女子サッカーリーグ12連覇をはじめ、多くの実績を残しているア女。今後のさらなる活躍への期待も高まる中、2月には新体制に移行し、新たな目標を掲げ練習に励んでいます。今回は2021年度の主将を務めた加藤希選手にインカレ優勝やチームの魅力、2022年度主将・副将としてチームを引っ張る船木和夏選手と近澤澪菜選手に新シーズンの目標などについて聞きました。

――まずはインカレ優勝が決まった瞬間の気持ちを聞かせてください。

近澤 シンプルにうれしかったです! 笛が鳴った瞬間に思わずガッツポーズしました。全試合無失点で優勝を達成できたというのもあり、GKの自分としてはとても感慨深かったですね。試合後は同じ守備側でプレーしていたセンターバックの2人と抱き合って、心の底から喜びました。

加藤 澪菜(近澤さん)と一緒で、喜びもありましたが、同時に誇らしさも感じました。自分が4年生の代で優勝できたこと、そしてア女30周年という記念の年だったこと。こうした一つの節目に、自分たちの代の名前を残せたという結果にはとても満足しています。

船木 私は先に安心感がきましたね。ホッとしたというか、ようやく終わったなと。チームとしても個人としても、本当にいろいろなことがあった1年でした。そうした中で、目標に掲げていたインカレ優勝を達成できたのは本当に喜ばしいことです。

決勝戦当日は大雪。厳しい状況の中でも果敢に攻め続け、静岡産業大学を倒し優勝を果たした(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――2021年シーズンは皆さんにとってどのような1年でしたか。

加藤 苦しい場面は多かったですが、楽しい1年でした。シーズンの途中では連敗が重なり、チームの士気がかなり下がった時期もありました。でも、それが逆に「自分たちがやりたかったサッカー」を見つめ直す良い機会となり、ア女の原点「サッカーを楽しむ」に立ち返ることができたんです。インカレ優勝を果たし、チームとしても大きく成長できた素晴らしい年だったと思います。

船木 私はけがのためにシーズン最初は部に参加できず、悔しい思いをしました。ただ、チームから離れたことで、今までとは違った視点で自分自身やチームのことを見ることができたんです。特に、4年生の偉大さにはあらためて気付かされましたね。先輩方はいつも部のことを考え、サッカーへの思いも人一倍熱かった。だからこそ、自分たちは4年生のために最後まで戦い抜きたいと、結束が強くなっていったんだと思います。最後、インカレ優勝という形で先輩たちに恩返しできたのは本当に良かったです。

近澤 自分もシーズンの初めからけがをしていて、チームへの合流が遅くなりました。サッカーができない時期は、自分自身を追い詰めてしまうこともありましたね。チームに復帰してからはブランクを埋めるために、練習や試合の中でこれまで以上に努力を重ねていきました。いろいろありましたが、それら全てを乗り越えることができ、これまでの3年間の中で自分自身の成長を一番強く感じられたシーズンでした。

第27回関東女子サッカーリーグ戦では、無敗の9連勝。圧倒的な強さで1位に君臨した(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――部の雰囲気や皆さんが考えるチームの魅力を教えてください。

加藤 部員同士の仲が良いというのはいろいろなところで言われてきました。体育各部というと厳しい上下関係があるイメージが強いと思いますが、ア女では先輩と後輩の距離感が近すぎず、遠すぎない。そのため、プレー中は学年に関係なく、それぞれの意見を言い合えるんです。

船木 のんさん(加藤さん)と同じですが、上下関係を気にせずに思ったことを言えるのは自分たちの大きな強みだなと思いますね。例えば、試合前後のミーティングでは、試合に出ていない選手や1年生を含め全員が気負わずに発言しています。ア女にはそういう、誰もが自分の意見を言える雰囲気があるんです。だから多様な意見が出てくるし、それが共有されることでチームの強化につながっているのだと実感しています。

近澤 部のみんなは、サッカーだけでなく、それ以外のことにも全力です。試合のような大事な場面では熱くなりますし、遊ぶときは思いっ切りはっちゃける。何より、コミュニケーションを大切にしていて、どんなときも学年に関係なく協力することができます。そこから部員同士の絆が育まれ、プレーにも良い影響を与えてくれるんです。そうした環境でサッカーができるのはア女の魅力の一つだと思います。

普段の練習は18時30分から20時30分まで行っている。チーム全員で同じ練習に取り組んでいるそう

――前主将である加藤さんから見て、現在の4年生はどのような代ですか?

加藤 今の4年生はとにかくサッカーがうまいです。彼女たちは戦術の理解能力が高いですし、それを体現できるスピードも速い。だからみんなをプレーで引っ張って行けるんです。主将の和夏(船木さん)と副将の澪菜はチームをまとめるのがうまい! 和夏は前向きで、昨年もチームがつらいときに何度も支えになってくれました。澪菜も、試合中はよく通る声で的確な指示を出してくれます。2人を軸に、この1年をア女らしく駆け抜けていってほしいです。

加藤さんは4月から社会人に。在学中は近澤さんと同じゼミで教育について学んでいた

――では、2022年の目標を教えてください。

船木 今年のスローガンは「競創」です。結果にこだわることはもちろん、チーム全員が競い合い、創造性を高めていくことを掲げています。そして、1年間でチームが積み上げてきたものを目に見える形で示したいです。応援してくれる方々に結果で答えられるよう努力していきます。

近澤 チームの目標は、WEリーグやなでしこリーグのチームも出場する皇后杯 (JFA 全日本女子サッカー選手権大会)でのベスト8進出と、インカレ2連覇です。非常に高い目標で、昨年と同じやり方では達成できないと思っています。日々の練習を大切にし、レベルアップしたア女を作り上げ、必ず成し遂げたいです。

船木さんと近澤さんは自ら主将・副将に立候補。現在は先輩たちのすごさを実感しながらもチームをまとめ、練習に励んでいる

――最後に、船木さんと近澤さんから、新入生へのメッセージをお願いします。

船木 レベルの高い環境でプレーできることは選手にとって大きなアドバンテージだと思います。ただ、ア女の魅力はそれだけではありません。ア女はどんな人でも自分の存在意義を見つけられる場所です。試合に出ることが全てじゃない! 選手だけでなく、学生スタッフも大切な部員です。全員がそれぞれの場所で活躍し、同じ目標に向かって1つになれるのがア女というチームなんです。

近澤 選手は女子限定ですが、マネジャーやトレーナーは性別にかかわらず募集中です。ア女で過ごす時間は濃密で、いろいろなことを経験できます。もちろん、目標が高い分苦労することは多いです。しかし、それは裏を返せば、やりがいや喜びを感じる場面も多いということ。不安を感じて新しい環境に踏み出せない人もいると思いますが、ア女は一歩踏み出して良かったと絶対に思わせてくれる場所です。興味のある方はいつでも歓迎します。一緒にサッカーを楽しみましょう!

第809回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
法学部 3年 佐久間 隆生

【プロフィール】
2021年度主将 加藤 希:広島県出身。県立広島高等学校卒業。2021年には主将としてチームを率いて、ア女通算7度目の全日本大学女子サッカー選手権大会優勝を達成した。ポジションはMF。趣味はサイクリング。

2022年度主将 船木 和夏:東京都出身。都立調布南高等学校卒業。兄の影響で4歳のころからサッカーを始めた。ポジションはDF。趣味は健康的な食事をすること。

2022年度副将 近澤 澪菜:東京都出身。県立ふたば未来学園高等学校卒業。文武両道を高いレベルで実現可能な早稲田に魅力を感じ、スポーツ科学部に入学した。ポジションはGK。趣味は映画や動画を見ること。

インカレ優勝後、チームのみんなで撮影

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