コロナ禍で自転車の需要が高まっているそうである。感染リスクの低い移動手段として見直されただけでなく、心身のリフレッシュのためにサイクリングを始める人が増えたのだという。晴れた週末のサイクリングロードに行くと、多くのサイクリストがおのおののペースで走行を楽しんでいる様子が見られる。
筆者もサイクリングを趣味としており、時々ロードバイクに乗って峠道などを走っている。主に目指すのは山頂やダム湖のほとりにある絶景ポイントだ。坂を上るのはきついが、ゴールした時の達成感は何にも代えがたい。グループで走るのも楽しいが、一人でもできる気軽さもある。体力に応じて、年を重ねても続けられる生涯スポーツとしても魅力的である。
気に掛かることは自動車との共存である。残念ながら日本の道路は自転車への配慮が十分ではない。自転車専用レーンも以前と比べると増えてきたものの、整備されている路線はごくわずかである。逆走や一時停止違反といった自転車側の危険なルール違反も後を絶たない。悲しい事故を起こさないためにも、一層の対策が望まれる。
自転車は燃料も使わず環境に優しく、災害にも強い。免許を取る必要もなく、学生諸君にとっても最も身近で便利な乗り物であろう。交通ルールやマナーをしっかり守り、サイクリングを楽しんでほしい。
(M)
第1115回