わが家には小学1年生の息子と1歳の娘がいる。息子は毎日マスクをつけて小学校へ通う。先生や友達の表情がマスクで隠れてしまっては、余計に人付き合いがうまくならないのではないか(そもそも友達の顔を見たことがあるのだろうか?)と勝手に気を揉(も)んでいる。休み時間に新しい友達を作ったり、たまにケンカして帰ってきたりする姿を見てコロナ禍以前とあまり変わらない状況に少しホッとしている反面、体育のシャトルランではマスクを外す指示が出たので外したが、コロナが心配で息を止めて走ったという。よもやよもやだがコロナの影響を見過ごせないとも感じている。
娘はといえば、生まれて6カ月くらいのころだろうか、マスク越しのこちらの表情を読み取っていることに気付いた。マスク越しでもこちらが笑うと笑い返してくれる。「目は口ほどに物を言う」というが、早くもウィズコロナの社会性を身に付けつつあることに驚いた。
授業を収録してオンライン配信する「画面越し」にはまだ抵抗がある。マスク越しでもいいから教場に漂う空気を読んで授業ができれば、オンライン配信よりも幾分か伝えられることがあるのではないかと思ってしまう。マスク越しの対面授業では学生は聞いていないようで聞いていたり、見ていないようで見ていたりするものだと以前よりも感じるようになった気がする。画面やマスクに遮られないように、学びの楽しさを伝えていきたいと思う。
(F)
第1112回