かつて人類の情報交換は対面で直接行うしかなかった。それが文字の発明により、その場にいない相手から情報を得ることができるようになった。さらに電話などの通信機器の発明により、リアルタイムで遠くにいる相手と双方向コミュニケーションができるようになった。これらのコミュニケーション手法の発達が、情報交換の活性化を促し、人類の発展に寄与してきた。
さて最近、コロナ禍によりいや応なく対面コミュニケーションが制限され、オンラインで授業や研究会などが行われるようになってきた。これらの新しいコミュニケーション手法は、物理的に集まる必要がなく移動時間のロスがなくなるといった良い面もあるが、聴衆間での議論が困難で、多人数が集まるメリットが得られにくいといった問題点もある。
文字などの新しいツールに初めて接した人々もおそらく、その利点と欠点をさまざまに感じたことであろう。それでも使われていくうちにより有効な使い方が見いだされ、なくてはならないものとなってきた。現在のオンライン化の流れも、同じ道筋をたどっていくことだろう。そういった時代の先頭に立って、新しいコミュニケーションの世界を築き上げていくのは、皆さん若者の役目である。
(W)
第1110回