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つらいときこそ「人間らしく」を忘れずに

早稲田大学の2020年度春学期の授業は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況に鑑み、原則オンラインでの実施となっています。これまでとは異なる状況に学生はどう向き合っているのでしょうか? 今回は昨春から早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)を務めている文化構想学部2年・忍田大昌さんのレポートをお届けします。1日のスケジュールやリフレッシュ方法、好きな本についても教えてもらいました。

オンライン授業、知れば良い面も見えてくる

早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)
文化構想学部 2年 忍田 大昌(おしだ・ひろまさ)

当たり前の日常がこんなにも突然姿を変えたことに衝撃を受けたのもつかの間のこと、コロナ禍のまっただ中、5月11日からオンライン授業が始まりました。初めてオンライン授業の実施を知ったとき、どこかぼんやりとした不安がありましたが、実際に始まってみると自分のペースで受講速度を変えることができたり、今まで移動に費やしていた時間を自らの趣味の時間に充てることができたりと、良い部分も見えてきました。知らない間は怖さや不安がありましたが、知ると意外と良い一面が見えるのは、人間も物事も変わらないのかもしれません。

この原稿を書いている段階ではまだ各講義の3回目を消化したばかりですが、早速、私の考えをくるりと変えた授業に出合ってしまいました。

寮でパソコンに向かって受講

それは、高野孝子先生(文学学術院任期付教授)が担当されている「サステナビリティ論」です。初回の授業ではイタリアの小説家、パオロ・ジョルダーノのエッセイ『コロナ時代の僕ら』(飯田亮介訳、早川書房)のあとがき「コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」を読んだ上で、それぞれが、新型コロナウイルスが過ぎたあとに忘れたくないことを発表し合いました。

著者は「自己中心で鈍感な自分」や「支離滅裂で、センセーショナルで、感情的で、いい加減な情報」などマイナス面を語っていたため、私もそれに流されて「人間の醜さ」や「日常の脆(もろ)さ」などをこの外出自粛期間の経験から語りました。その後、当たり前なのですが、少し暗い気分になりました。そして他の受講生も、マイナスの面を忘れず、今後教訓として生かしていこうという趣旨の意見が続きました。

そのような中で異色を放っていた意見があります。自粛期間にフリーな時間ができたことで、散歩や映画鑑賞、創作活動など「人間らしく」活動ができるようになったことを忘れたくはないという意見です。

この状況下で、見方を少し変えたいくらかポジティブな匂いを感じるその意見は、すてきで感動を覚えました。「人間らしく」という響きも心地良く感じました。

自粛期間中に散歩で訪れた多摩湖(東京都東大和市)からの朝日

私自身、この自粛期間に新たに取り組んだことがあります。とある企画コンペティションへの応募です。寮の親友と共にアイデアを練ったのですが、普段では絶対にできないほどの時間と熱量を注げたことや、毎日顔を突き合わせる中で親友の違った魅力的な一面を見ることができたことは、新鮮で貴重な体験でした。

コロナ禍で表面化した問題の数々を見過ごすことはできませんし、教訓として生かさなくてはなりません。しかし、それと同時に、人とのつながりの大切さ、リモートワークやオンライン授業への可能性など、この状況下だからこそ見えてきたものもあります。このような新しい芽も見逃してはいけないと、私は考えています。

ある一日のスケジュール

日中はオンライン授業の受講がメインです。通学時間がない分、散歩や小説の執筆に時間をたくさん使えるようになりました。

リフレッシュ方法

料理や読書、将棋の他に、寮内にあるテーブルサッカーで遊ぶこともあります。また、自粛期間中に執筆した小説を、Kindle ダイレクト・パブリッシングを利用し、「忍田広昌」というペンネームで電子書籍として無料でセルフ出版しました。私が家庭問題でつらかったときや、今回の自粛期間に熱中できる別世界に連れて行ってくれたのが小説でした。今度は私が誰かの救いになる小説を書けるようになるのが夢です。

(左)「食パンに合うもの」をテーマに。盛り付けにもこだわります
(右)タルトタタン。アップルパイなども作ります

好きな本

  • 『死神の精度』伊坂幸太郎著(文春文庫)

ウイットに富んだ会話とユニークな登場人物が特徴の作家、伊坂幸太郎が届ける「生と死」をテーマにした6つの話からなる珠玉の短編集です。架空の物語を通じて楽しみながら人生観を知ることができてしまうのが、フィクション小説のぜいたくなところだと思います。この本も、登場人物がつぶやく言葉の節々から伊坂さんの哲学を知ることができます。

「人生なんていつ終わってしまうか分からないんだから、話は交わせる時にしておくべきだ。不躾(ぶしつけ)だろうが何だろうが。」「人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間、だ」

死を描いているのにどこかおかしみがあって勇気をもらえます。「生きていることとは?」と考えさせられる現在のような状況にも最適な一冊。ぜひ手に取ってみてください。

体と心が喜ぶ高純度の伝承野菜と玄米のごちそうプレート

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