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文学部総代・青池瞳「今は待つことで、きっとチャンスがある」

2019年度卒業 総代メッセージ【2020年度入学記念号】

文学部総代・青池 瞳(あおいけ・ひとみ)さん

変わることに対して寛容な場所

早稲田大学という場所は「変わっていくことに対して寛容な場所だった」と感じています。そのおかげで、私の未来の選択肢も大きく広がりました。

もともと大学受験にあたっては、美術史の勉強がしたいと考えていました。ただ、芸術系の大学以外で美術史が勉強できる大学はあまりなく、調べて見つけたのが早稲田の文学部にある美術史コースだったんです。希望通り入学することができ、当然、美術史コースに進もうと思っていましたが、1年次の第二外国語でフランス語を選択したことが進路を変えるきっかけになりました。フランス語を指導していただいた鈴木雅雄先生(文学学術院教授、仏文学)とお話しする過程で、フランスも美術で有名な国であり、美術史単体ではなく、文学や文化、社会的なことなども含めて美術を学んでいく方が自分に合っているという考えに変わり、フランス語フランス文学コースに進路を切り替えたのです。

2年生の春休みには2週間、フランスへの研究旅行も経験することができました。もともとフランスに行ってみたいという憧れはありましたが、私一人ではフランスに行く勇気はなかったと思います。でも、片山幹生先生(非常勤講師、仏文学・演劇)に声を掛けていただき、同じようにフランス語を勉強している学生と一緒に行くことができました。ホームステイをして、現地の語学学校に通いながら観光や美術館巡りをしたりと、貴重で楽しい体験をさせていただきました。

他大学の学生も参加したフランス研究旅行。中央が片山講師

大学院文学研究科に進学

卒業後は大学院文学研究科に進学し、卒論でもテーマにした「ジャン・アルプ」という芸術家の研究を続けていく予定です。田中愛治総長の卒業生に向けた言葉の中に「流行に左右されず、自分が面白いと思うことに向かって進んでほしい」とありましたが、私にとって、自分が興味のあることを極めたり調べたりすることは、まさにナチュラルな生き方です。だからこそ、大学院で学ぶというのは私にとって自然な決断でした。今回、総代に選んでいただきましたが、間違いなく私一人で取れたものではないと思っています。学び続ける進路を選ばせてくれたことも含め、両親に、そして支えていただいた先生方に感謝の言葉しかありません。

あらためて思うのは、早稲田大学は変化に寛容なことも含め、とても自由な場所である、ということ。そして変わっていくからこそ、変わらないことや揺るがないことが見つかるようになるのだということを学びました。これだけ規模が大きく、さまざまな個性を持つ人が集まる場所はそうありません。そして、早稲田という大きな一つの共同体でありつつ、一人一人がそれぞれの個性と意志も持っている…そんな場所だからこそ、多くの出会いがあり、刺激的な4年間を過ごすことができたのだと思います。

変化を恐れず、自信を持って前へ

これから学生生活を過ごす新入生の皆さんにとって、今は先行きが読めず、不安な気持ちもあるかもしれません。入学式は中止となり、授業開始は1カ月以上遅れるという状況で、気持ちが沈み、焦りや怒りを感じている人がいるかもしれません。しかし、今は「待つ」ことに徹してほしい、楽しんでほしいです。そんなときこそ、新しいことを始めてみるチャンスでもあると思います。新しい何かに出合ったときに、今までやってきたこと、今まで考えてきたことと違っていても気後れする必要はありません。変化を恐れず、自信を持って前へ進んでみてください。

取材・文:オグマナオト(2002年、第二文学部卒)

撮影:石垣星児

’20年春 総代メッセージ 卒業式がなかった先輩から入学式のない新入生へ

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