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11月の天皇・皇后両陛下参拝で沸く「お伊勢さん」の魅力

2000年以上の歴史を誇る伊勢神宮とおかげ横丁をご案内

先進理工学部  2年 永井 敦(ながい・あつし)

時は江戸時代、全国から年間数百万人(最盛期の江戸の人口が110~130万人)もの人々が訪れた、日本一と言っても過言ではない観光地が、私のふるさと三重県にはあります。2000年にわたり日本古来の伝統文化を継承してきた「伊勢神宮」と、「おかげ参り」でにぎわった江戸から明治期の町並みを再現した「おかげ横丁」です。私も子どものころから家族と一緒に年に2~3回は訪れ、今でも年末年始の帰省の際には初詣に行きます。今回はその魅力をお伝えしようと思います。

 

伊勢神宮への入り口、内宮の「宇治橋」。鳥居をくぐると神域に

伊勢神宮には、内宮(ないくう)と外宮(げくう)の二つのお宮があります。内宮には、皇室の祖神で日本民族の総氏神とされている天照大御神(あまてらすのおおみかみ)が祀(まつ)られており、その歴史は2000年以上昔、紀元前にまでさかのぼると言われています。しかし、現在参拝することのできるお宮は2013年に新築。築6年の建物です。伊勢神宮には内宮にも外宮にもそれぞれ東西に同じ広さの敷地があり、20年に一度の式年遷宮と呼ばれるお祭りでご社殿やご神宝など全てを新しくして、ご社殿丸ごと東から西、あるいは西から東へと移されます。解体後の木材は、全国の神社の修繕や災害に遭った神社の修理に使用されるので、もしかしたら皆さんの故郷にある神社にも、伊勢神宮の木材が使われているかもしれません。このように、古来の建築技術や調度品を現代に伝えながらも常に新しく生まれ変わる伊勢神宮を、私たちは拝むことができるのです。

伊勢神宮には歴代の総理大臣が毎年訪れ、2016年の先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)では、米国のオバマ大統領(当時)をはじめ、各国の首相も訪れました。また、天皇家の御祭神・天照大御神をお祀りしていることから、古代から天皇や皇族が深く関わってきた場所でもあります。今年は即位に伴う11月22日・23日の天皇・皇后陛下ご参拝に、地元も沸き立っています。

おかげ横丁の入り口

次に、伊勢神宮の内宮のすぐ近くにある「おかげ横丁」の紹介をします。伊勢神宮内宮門前町の「おはらい町」の中心地に位置し、伊勢および三重の特産品や食べ物を楽しむことができます。私のお勧めは、漬物屋さんの冷やしきゅうり、伊勢銘菓の「赤福」が丸々一個入った赤福氷、地元の酒造の酒かすから作る甘酒などです。

赤福氷(写真左)と「つけもの傳兵衛」の冷やしきゅうりスティック(写真右) 

おかげ横丁の「おかげ」は、江戸時代のお伊勢参りの方法の主流であった「おかげ参り」に由来します。江戸時代、日本全国の多くの人が伊勢に行くことに憧れましたが、満足な宿泊施設もないためその旅路は厳しく、沿道の人々の施行や接待なしでは成し遂げられるものではなかったそうです。人々の旅路を助けた人たちは「自分の行いが神様に届くように」、また参宮する人たちは「周りの人たちのおかげでお参りができた」、そんな思いがこのおかげ参りにはあったのだと思います。「伊勢に行きたい。伊勢路が見たい。せめて一生に一度でも」。江戸時代の人々はそんな思いで江戸から往復25日前後の日数をかけて伊勢に来たそうです。今では東京から新幹線を利用すれば3時間ちょっとで行くことができます。

三重県が誇る伊勢神宮とおかげ横丁は、私のお気に入りの場所であり、参拝するたびに自分が成長していることに気付かせてくれる特別な場所でもあります。多くの古人が憧れた伊勢をはじめ、歴史や文化などの魅力がいっぱいの三重へ、皆さんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

伊勢神宮・内宮前の「おはらい町」。町の中央におかげ横丁がある

◎ 三重県はこんなところ ◎

本州の関西地方にあり、広大な保護区と約 1,000 km にもおよぶ太平洋の海岸線を擁する三重県。伊勢神宮は、伊勢志摩国立公園内にある神道の複合施設で、国内でも特に神聖な場所の一つとされる。志摩半島に広がる同国立公園には、大注連縄(おおしめなわ)でつながれた夫婦(めおと)岩もある。2016年5月26日~27日には志摩市阿児町神明賢島で先進国首脳会議(愛称:伊勢志摩サミット)が開催された。東京からJR伊勢市駅までは名古屋経由で約3時間半。

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