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地方出身の早大生、集まれ! 「学生稲門会」で育むつながり&地元愛

「#春から早稲田」のハッシュタグも賑(にぎ)わうこの時期、地方から上京した新入生であれば、自分のよりどころを一つでも増やしたい、と考える人も多いのではないでしょうか。そこで紹介したいのが、各道府県出身の早大生が集まり、親睦を深めることを目的として活動する公認サークル「学生稲門(とうもん)会」です。今回、三つの学生稲門会の幹事長に、学生稲門会の魅力や活動内容を紹介してもらいました。

(左から)室谷さん、丸地さん、尼田さん。戸山キャンパス学生会館にて

東京で同郷と交わるからこそ気付く、地元の良さ

東北学生稲門会 幹事長 政治経済学部 3年 丸地 京子(まるち・きょうこ)
福岡学生稲門会 幹事長 基幹理工学部 3年 尼田 優河(あまだ・ゆうが)
和歌山学生稲門会 幹事長 教育学部 3年 室谷 祐輝(むろや・ゆうき)
――まずは、出身地や早稲田大学への進学理由などを教えてください。

丸地:私は山形県山形市出身で、東北学生稲門会に入っています。東京に憧れていたこと、規模の大きい大学でたくさんの人と交流できることに魅力を感じて早稲田大学に入学しました。元々はテニスサークルに入っていて、そこで出会った青森県出身の先輩の紹介で学生稲門会に入りました。東北は県ごとではなくて東北で一つの学生稲門会なんです。

丸地さん

尼田:出身は福岡県福岡市です。僕も、自分がこれまで出会ったことのないような人と関われる機会を求め、学生数の多い早稲田大学を志望しました。福岡学生稲門会はコロナ禍で活動休止状態が続いていましたが、校友(卒業生)からの働き掛けもあり、昨年度から活動を再開。その復活のために人を集めなければ…と奔走していた先輩からの紹介で参加しました。

室谷:僕は和歌山県和歌山市出身です。和歌山学生稲門会も同じようにコロナ禍で休止状態にありましたが、昨年秋の稲門祭(※)に足を運んだ際、和歌山出身の校友で構成される和歌山稲門会の方に「ぜひ、和歌山学生稲門会の復活を!」と声を掛けられたんです。それをきっかけに、今年度からの活動再開を目指し動き出しました。福岡学生稲門会では活動再開にあたって、人集めなどは大変ではなかったですか?

(※)早稲田大学の同窓会組織「早稲田大学校友会」が主催するイベント。創立記念日(10月21日)付近の日曜日に開催し、卒業生の団体である「稲門会」(地域稲門会、職域稲門会、年次稲門会など)などが参加。コロナ禍により2020年度は中止、2021年度はオンライン開催だったが、2022年度は対面で開催した。

「2022稲門祭」に足を運んだ際に和歌山稲門会のブースで声を掛けられたという室谷さん。みんなで一緒に記念撮影(室谷さんは後列右から2人目)

尼田:まずはつながりのある地元出身の学生にメールで声を掛けていったんですけど、想像よりも多くの学生に集まってもらえました。東京で暮らしながら地元に対する郷愁の念を抱いている学生が意外と多いのかなと感じました。

――同郷の人が集まれば、地元のことを振り返る機会も自然に生まれるかと思います。そういった交流で改めて気付いた出身地の良さはありますか?

尼田:集まって盛り上がる話題といえば、地元のニュースですね。今ならちょうど福岡市地下鉄の延伸。あとはやっぱり野球です。福岡ソフトバンクホークスの話題が一番盛り上がります。

室谷:東京で気付いた和歌山の良さ…やっぱり、田舎なので人がすごく温かい。道ですれ違えば誰とでもあいさつをするのが当たり前ですから。あとは、ミカンも梅もおいしい。そしてパンダがいます(笑)。

丸地:私も東京に来て思うのは、やっぱり山形は食べるものがおいしい、ということです。山形は、お米はもちろん水もおいしいし、お肉も魚も果物もおいしくて、全部そろっているんですよね。それは、地元を離れたからこそ気付いた魅力だと思います。福岡の人の前でグルメ自慢はなかなかハードルが高いかもしれませんが(笑)。

写真左:丸地さんの両親が送ってくれたさくらんぼ
写真右:山形市にある山寺(立石寺)。松尾芭蕉が「閑(しずか)さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだ地としても有名

尼田:いえいえ。ちなみに、福岡グルメといえばラーメンが有名ですが、人それぞれで好きな味・好きな店が違うんです。メンバーで集まれば、どの店がいいかといった話題で盛り上がりますし、福岡以外の人たちにも自慢できるものかなと思います。ちなみに、東京で食べられる博多ラーメンの個人的なオススメは、高田馬場駅程近くの「博多ラーメン でぶちゃん」。福岡出身者でも納得の味です。

写真左:尼田さんが帰省の際に利用する福岡空港には、福岡を中心に全国の有名ラーメン店が集まる飲食エリアも
写真右:福岡市内にある日本三大八幡の一つ、筥崎宮(はこざきぐう)で9月に開かれる「放生会(ほうじょうや)」の様子。春の「博多どんたく」、夏の「博多祇園山笠」と合わせて博多三大祭りとされている(写真はコロナ禍前のもの)

さまざまなイベントで、稲門祭で。縦と横のつながりを

――和歌山学生稲門会は今年度からの再始動ということですが、何か計画していることは?

室谷:公認サークルに復活したら、まずはみんなで集まって食事会をしたり、関東近辺で旅行ができないかと考えています。お二人に聞きたいのですが、集まる機会はどのように作っていますか?

室谷さん

尼田:昨年度まではやはりコロナ禍で思うように活動できなかったので、自分たちも「まさにこれから」というところです。積極的にいろんなイベントを主催してみる・参加してみることが大事なのかなと思います。

丸地:確かに、何かイベントがないと人は集まらないですよね。コロナ禍前、私が入学する前の話ですが、山形の郷土料理に関するイベントである「芋煮会」を東北学生稲門会が主催し、他の学生稲門会の人も呼んで交流できる機会を作っていたそうです。芋煮には、牛肉×しょうゆ味、豚肉×みそ味といったように地域によって具材や味付けが異なるのですが、どちらの味も作るこだわりようだったとか。このままコロナが落ち着くのであれば、芋煮会を再開したいですね。

写真左:コロナ禍前に開催した「芋煮会」で作った芋煮
写真右:コロナ禍前、東北学生稲門会は毎年のように稲門祭に参加していた(写真は2016年の様子)

尼田:あとはやっぱり、稲門祭ですよね。10月21日の創立記念日の時期に毎年実施される一大イベントで、同郷の校友と交流する機会でもあります。2022年は校友団体である福岡稲門会の方々と一緒に、太宰府天満宮の名物である梅ヶ枝餅をはじめ、地元のお土産などを販売しました。利益はその日の夜に消えちゃうんですけどね(笑)。

「2022稲門祭」での福岡学生稲門会のメンバーの様子

室谷:なるほど。今年の稲門祭では和歌山の名産をたくさん売りたいです。あとは校友との交流の機会もしっかり作っていきたいですね。和歌山学生稲門会の法被を先輩から受け継いだくらいで、具体的な交流はこれからなので…。

和歌山県内に暮らす室谷さんの叔母さんが毎年送ってくれるイチゴ。和歌山県では1955年頃からイチゴ栽培が始まり、2010年にはオリジナルの「まりひめ」が品種登録された

尼田:なんですかそれ!? 僕ら、そういう引き継ぎ物はないのでうらやましい!

室谷:これがあと家に9着あって、保管場所に困ってるんです(笑)。一緒に着てくれる和歌山出身の方、ぜひお願いします!

校友が作ってくれた法被

――そういった引き継ぎに限らず、校友との縦のつながり、他の学生稲門会との横のつながりはどうなっていますか?

尼田:学生の立場で地元の社会人の方とざっくばらんに腹を割って話せる、というのは学生稲門会ならではのつながりだと思いますし、いい出会いになっています。

丸地:東北学生稲門会では、コロナ禍で縦のつながりが一度途切れてしまった部分もあり、今後は再開させていきたいと思っています。ただ、私自身は昨年度、学生稲門会の連合組織である「全国早稲田学生会連盟(全早連)」にも所属して、学生稲門会を取りまとめるような活動をしていました。そこでは校友とも交流がありました。

室谷:全早連への加入はどうすれば…。

丸地:私から連絡しておきます! 全早連の主催で、昨年度は「おのぼりさんツアー」というイベントも開催しました。東京の有名な場所を巡り、それぞれのチェックポイントで指定されたものを食べたり、ミッションをクリアしていく企画です。こういったイベントを通し、他の学生稲門会の人たちとも交流ができるようになったので、今後はもっと全早連のイベントを通して、交流が広がっていけばと思っています。

2022年7月に開催した「おのぼりさんツアー」。東京駅前で記念撮影

出会いは人的資産。「地方出身」もアイデンティティーに

丸地:稲門祭に参加してみて面白いと思ったのは、愛知、岐阜、三重の東海三県の学生稲門会が合同で企画・実施した「組みひもづくり」という体験型のイベントです。物品販売以外にもできることがあるんだなと気付きを得たので、今年は東北学生稲門会でも何か企画できないかと考えています。

尼田:稲門祭とは別になりますが、僕たちは今年、福岡へのUターンやIターンなどの検討会・説明会のような就活イベントを企画しようと考えています。リモートワークが活発になった今、地方で働く選択肢も広がってきたと思うんです。早大生の福岡での就職を学生稲門会として支援できたらいいなと、福岡の企業の方々と打ち合わせをしているところです。

尼田さん

 

――今後、新入生や在学生が「学生稲門会に入りたい」と思ったときは、どうすればいいでしょうか?

丸地:東北学生稲門会はTwitter(@tohoku2019)とInstagram(@tohoku_tomon)がありますので、まずはそちらに連絡をもらえれば。地元の東北が好きという学生にぜひ入ってもらいたいですね。

室谷:なるほど! 僕らもTwitterをやりたいと思います。地元の結び付きが欲しい、都会に来ても地元が忘れられないという人もいると思うので、そういう地元愛の強い学生にぜひ入ってほしいです。また、校友との交流も盛んなので、縦の結び付きが欲しい人にとってもオススメです。

尼田:福岡学生稲門会に入る・入らないは関係なく、交流会を開催するのでぜひ参加していただきたいです。そこで出会えた先輩は、大学生活で頼りにできる非常にいい人的資産になるはずです。福岡に限った話ではなく、「地方出身」ということも一つのアイデンティティーだと思います。自分に自信を持って、積極的に地元のことをアピールするように大学生活を楽しんでほしいですね。

 

取材・文:オグマナオト(2002年 第二文学部卒)
撮影:小野 奈那子

【今回登場した学生稲門会の公開情報】

初対面の3人だったが、座談会は和やかな雰囲気で行われた

東北学生稲門会
Twitter:@tohoku2019
Instagram:@tohoku_tomon

福岡学生稲門会
Twitter:@fukuoka_toumon

和歌山学生稲門会
E-mail:[email protected]

※学生稲門会を含む、早稲田大学公認サークルガイドはこちら

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