Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

留学生受け入れ数5年連続日本一 グローバルな視野があなたを変える

国内有数の多様性に富んだ総合大学である早稲田大学には、「グローバル人材の卵」ともいえる外国人学生が多数在籍しています。彼らのグローバルな考え方からグローバル社会で活躍するためのヒントをつかみませんか?
(注)本特集で使用している「外国人学生」とは、外国籍を持ち、かつ「永住者」「特別永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」以外の在留資格を有している学生を指します(留学生を含む)。「留学生」とは、在留資格「留学」を持つ学生を指します。

■グローバルに考えるということ

留学センター教授 高野 孝子

冒険家・環境教育家など多様な顔を持つ高野教授に、ご自身の経験を基に「グローバルとは?」について語っていただきました。

留学センター教授 高野 孝子 (たかの たかこ)
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新潟県生まれ。早稲田大学第一文学部卒、同大学政治学研究科修士課程修了、ケンブリッジ大学M.Phil.、エジンバラ大学Ph.D.。NPO法人ECOPLUS代表理事。「人と自然と異文化」をテーマに、多文化構成による地球規模の環境教育プロジェクトの企画運営を行う。北極海横断やロッキー山脈遠征など国外で活躍する一方、新潟県の過疎集落で環境教育による地域活性化に取り組む。著書に『地球(ガイア)の笑顔に魅せられて』など。
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「グローバル化」という言葉が一般化して久しいですが、国境を超えた経済活動や文化的交流の活発化に伴い、国外で活躍する人材を目指すことが現代のトレンドのように考えられる風潮には、少々違和感を覚えます。個人的には、グローバル化とは「地球規模で物事を考える姿勢」であり、「多様性を受け入れる心の在り方」であると考えます。私の専門である環境の問題にしても、地域単位ではなく地球全体の課題として俯瞰(ふかん)しないと、到底解決できるものではありません。貧困問題も同様でしょう。世界は多様な個性の集合体であり、それぞれの個性はさまざまな形でつながっているのです。

異なる個性がぶつかったとき、互いを受け入れようとすることが多様性の理解や受容につながります。ただし、これは簡単なことではありません。そもそも人は、類似した個性が集まっている、意思の疎通が簡単なコミュニティーの外には出ようとしないからです。その意味で、留学は多様性を理解する絶好の機会です。私はほとんど英語が話せない状態で留学を経験しましたが、国籍や文化を超えて多くの人とつながることができました。重要なのは言葉ではありません。自分は何者か、どう人と関われるのか、何をしてあげられるかを互いに伝え合い、理解し合うことがコミュニケーションの本質です。さまざまな人の個性を理解するために自分の価値観を打ち壊していく中で、それでも壊れず残ったものが自分のアイデンティティーであることも実感しました。

異文化交流は国内でもできることです。早稲田であれば外国人学生との交流が、その一つといえるでしょう。彼らは自らの意思で母国を出て勉強しに来ているので、全般的に意識が高い。その姿勢に刺激を受け、自分の価値観を変えていくこともグローバルな意識を持つ第一歩です。あるいは街を出て自然と触れ合ったり、国内の知らない土地の人と交流したりするのも良いでしょう。地方には強烈な個性が集いながら独自の文化が根付いています。自分を常にオープンにしてそのような異文化に触れながら、自分や社会の多様性を認め、意図的にアイデンティティーを再構築していくことで、より多角的でグローバルな視点を養えるのではないでしょうか。

■グローバルなう at Waseda

実際に早稲田大学の国際化はどうなっているのでしょうか?
数字から現在の状況の一端を見てみましょう。
出典:留学センター「2014年前期(春学期)早稲田大学外国人学生在籍数(2014年5月1日)」
◇4,766人
在学中の外国人学生の数
留学生に限定すれば4,113人で、受け入れ数5年連続日本一。国内大学屈指の国際色豊かなキャンパスです。いずれは留学生数1万人を目指しています。
◇101カ国地域
外国人学生の出身国地域の数
上位は中国、韓国などアジア出身が占めますが、中東、アフリカ、中南米の学生も少なくありません。珍しい国だとモルドバ、グレナダ、ソマリアなども。
◇13校
スーパーグローバル大学トップ型の数
スーパーグローバル大学(国際競争力を高めるために国が支援を行う大学)のトップ型13校に選ばれました。国から年間最大5億円の支援を受けます。

●外国人学生の一日をのぞいてみよう

早稲田大学で学びながら、積極的に活躍している外国人学生の、とある一日を追いました。

創造理工学部4年 王 冉

創造理工学部 4年
王 冉(おう ぜん)

中国出身。「株式会社SO-ZO」代表取締役CEOの他、さまざまな活動に取り組む。

物作りが好きで4年前に来日し、1年次にはサークル活動など大学生らしいことを経験しました。
人と話すのが好きなのですが、会話の中で、自分が何者かを話せないと面白くないと感じ、起業を考えました。2年次にECビジネスを始め、3年次に授業「起業家養成講座」で行われたビジネスプランコンテストで最優秀賞をいただいたことをきっかけに今年4月、「株式会社SO-ZO」を設立しました。「人の想像を創造する」を理念とし、アニメ・マンガ・ゲーム好きな人を対象に自分好みの“痛部屋”を作れるサービスを運営しています。外国人学生として「海外起業」と「サブカルチャーの発信」を中心に活動しています。将来は、人々のライフスタイルを変えるような物作りをしていきたいです。
1日のスケジュール

8:00 起床後、メールチェック。3つのSNSと6つのメールアカウントを確認します。
10:00 仕事。営業や、作業、打ち合わせなどを行います。
19:00 ミーティング。

22:00
仕事整理など。ニュースのチェックも欠かせません。
2:00 お気に入りのアニメを見てから就寝します。

政治経済学部3年
ヤーナ・オトラン
ロシア出身。教育コンサルティング会社でインターンシップに従事しつつ、勉強に精を出す。

母が日本で仕事をしているので、高校卒業後に来日しました。国際政治を学ぶため、その分野で日本有数の早稲田を選びました。
日本人学生はあまり勉強に時間をかけないので、もったいないと思います。また、先生に質問やディスカッションをあまりしません。先生と積極的にコミュニケーションを取り、学びを発展させればいいのにと感じます。グローバルな思考とは「相互理解」。ただ同調するのではなく、差異を認めて「受け入れる」。そのためにコミュニケーションは大切です。
学外ではインターンシップに参加して視野を広げています。将来は研究者になりたくて、欧米の大学院への進学を目指しています。勉強だけではなく、遊ぶときは遊び、充実した日々を送っています。
1日のスケジュール

7:00 起床、毎朝ジムで運動
10:40 登校 「国際安全保障論」のゼミに所属
15:30 インターン先へ。 同僚に恵まれ刺激的な職場です。
20:00 よく渋谷にご飯を食べに行きます。
22:00 帰宅後は寝るまで勉強。一度始めたら止まらないです。

●外国人学生と交流しよう

Waseda International Learning Lounge (WILL)

 

キャンパス内で、外国人学生と気軽に出会える場所をピックアップ。どんどん話し掛けて交流してみましょう。

日本語教育研究センター 日本語教育プログラム生 サーシャ・カイザー

・Waseda International Learning Lounge (WILL)
WILLは、自律学習やグループワークの場。飲食が可能で、グループ用テーブルや個人用カウンター、ホワイトボード、Wi-Fiなどの設備が充実しています。 (早稲田キャンパス22号館3階)
日本語教育研究センター
日本語教育プログラム生
サーシャ・カイザー (イタリア出身)
WILLに来ると、気軽にランチを食べながら日本人の学生と話すことができます。

国際コミュニティセンター(ICC)

創造理工学研究科 博士後期課程1年 ジョン・アルバレス・フェルナンデス

・国際コミュニティセンター(ICC)
ICCでは異文化交流を促進するさまざまなイベントやプログラムを提供しています。年間350以上開催されるイベントに、まずは参加してみましょう。 (早稲田キャンパス3号館1階)
創造理工学研究科
博士後期課程1年
ジョン・アルバレス・フェルナンデス(スペイン出身)
外国人学生と日本人学生、互いの経験や文化を“シェア”したいなら、ぜひICCに来てください!

国際学生友好会(W I C)

国際教養学部1年 エヴァ・マリー・イェプセン

・国際学生友好会(W I C)
WICは、1956年創設の国際交流サークルです。週1回の日本教室(日本についての研究発表会)、年4回の旅行など、多くのイベントを通して交流しています。 (学生会館E529 (部室))
国際教養学部1年
エヴァ・マリー・イェプセン(デンマーク出身)
WICのたまり場に座っていると、親切な誰かがいつも声を掛けてくれます。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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