Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

第594回 日中をつなぐ懸け橋となり 二胡(にこ)と中国の新たな魅力を伝えたい

教育学部 5年
中西 桐子 (なかにし きりこ)
東京都出身。私立品川エトワール女子高等学校卒業。両親の影響で6歳から二胡を始め、国内外のコンクールで数々の賞を受賞。現在、『二胡でうたう♪ジブリ・晴れ種』に続く、2枚目のアルバムをレコーディング中。

東京都出身。私立品川エトワール女子高等学校卒業。両親の影響で6歳から二胡を始め、国内外のコンクールで数々の賞を受賞。現在、『二胡でうたう♪ジブリ・晴れ種』に続く、2枚目のアルバムをレコーディング中。

中国の代表的な民族楽器として知られる「二胡」。ここ数年、映画やCMで耳にする機会が増え、演奏者の数も急激に伸びているという。その音色の特徴から“癒やしの楽器”として語られることの多い二胡だが、中西さんの演奏を一度でも聴けば、そのイメージは一瞬にして吹き飛んでしまう。時に情感豊かに、時に超絶技巧で聴く者を圧倒するその姿は、まさに“二胡の伝道師”だ。現在、二胡の指導や演奏活動を積極的に行う中西さんは、「二胡の持つ“癒やしの楽器”というイメージを打破したい」と話す。「本来は演奏家の技量次第で、喜怒哀楽のどんな感情でも表現することができる楽器なんです。そういった固定観念があるのは、本格的な二胡を聴く機会が少ないから。二胡の一面だけでなく、本来の姿をきちんと伝えていきたいと思っています」。

そう力強く話す中西さんは、6歳のころから著名な二胡演奏家に師事し、数々のコンクールで入賞するほどの実力の持ち主だ。早稲田大学に入学してからは、中国最難関の芸術系大学といわれる中央音楽学院に1年間の国費留学を果たす。国内のコンクールでは負け知らずの中西さんだったが、本場中国のエリートが競い合う環境は、あまりにも刺激的だった。

「徹底的に基礎を鍛えられました。最初は左手を使わせてもらえず、弦を押さえずに何時間も弾かされることも。1年間の留学が基礎練習だけで終わることも覚悟しました。でも1日8時間の猛練習を毎日繰り返していると、途中から練習曲をもらえるようになったんです。中国人の学生に負けるのが悔しくて、無我夢中の毎日でした」。

中国での特訓のかいもあり、今では難易度の高い古典曲もさらりと弾きこなせるまでになった中西さん。しかし、留学で得たものは二胡の技術だけではない。今後、二胡演奏家として活動していく上で欠かすことのできない“使命”と巡り合ったのだ。

「ありきたりかもしれませんが、留学してから、日中の懸け橋になりたいと強く思うようになりました。留学中、メディアで報じられている中国と、目の前にある中国とが全く異なることに違和感を覚えたんです。二胡と同じで、日本では中国についてもごく一部のことしか語られていない。帰国後も早稲田大学で中国関連の講義を受講しましたが、中国に対して好き嫌いというより、無関心な学生が多かった。いきなり“親日親中”ではなく、まずは“知日知中”からですね。日本人が知らない中国の魅力を、私の二胡を通じて伝えていけたらと思っています」。

そのためには、「二胡といえば“中西桐子”という存在にならなければ」と、今後の展望を話す中西さん。二胡になじみのない新しいファンを獲得するために、ネット配信を使ったさまざまな試みを行っている。「人気アニメの『ラブライブ!』が大好きなので、ヒロインの“にこちゃん”のコスプレ姿でテーマ曲などを演奏しています」。

日中をつなぐ“使命”に燃える中西さんなら、二胡の新たな音色を届けてくれることだろう。今後の多彩な活動に要注目だ。

 

第594回

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