スポーツ科学学術院准教授 松本 泰介(まつもと・たいすけ)

1980年、奈良県生まれ。京都大学法学部卒業。弁護士。早稲田大学スポーツ科学学術院准教授・博士。専門はスポーツ法、スポーツガバナンス。著書は『標準テキストスポーツ法学』(第3版)(共著、エイデル研究所、2020年)、『代表選手選考とスポーツ仲裁』(大修館書店、2020年)など
「オフタイム」というお話をいただいても、大学教員と弁護士の兼業で、起きている時間は基本「オンタイム」なので、人さまにお話しできるようなことは何もない…のが直感でしたが、せっかく機会をいただいたので改めて自分の人生を振り返ってみました。
このような生活スタイルはもう学生のとき、司法試験受験時代からでしょうか。朝から晩まで図書館に籠もり、起きている時間全てを勉強に投入。仕事を始めてからも同じスタイルで、基本は朝から終電まではオンタイム…。仕事でも研究でも、常に何か得られるものはないか、新しいことはないかと思考を巡らせていると全く時間が足りません。自分を没頭させるためのオンタイムの時間確保ばかり考えてきました。
となるとオフタイムなんて全然ないようにも思えたのですが、昔から出張終わりにフラッとどこか好きなところに行っていました。今でいうワーケーションなのかもしれません。特によく行っているのが火山巡りです。法やルールという人間的なモノを扱う仕事をしてきたからか、元から自然が好きだったからか分かりませんが、地球のパワーを直接的に感じることができる火山に魅了されています。

火山国とも呼ばれるアイスランドの火山風景①
デンマークへの学会出張のついでにアイスランドに行ったのは人生で一番の思い出です。火山大国のアイスランドは、360度火山を拝むことができる絶景の地で、地割れに、いくつも連なる成層火山、氷河から突き出る溶岩ドームなど、地球の内部からほとばしるとんでもないパワーを感じることができました。いつかアイスランドを縦断したいです。

火山国とも呼ばれるアイスランドの火山風景②
イタリアのアマルフィで開催されたセミナーに参加した際は、もちろんベスヴィオ火山を拝みに行きました。美しい稜線(りょうせん)を見ながら、ポンペイ遺跡を巡ると、自然と人間の圧倒的な力の差を感じます。人間がコントロールできないものを感じ、どれだけテクノロジーが発達した時代でも、自然との共生を考えざるを得ません。

ポンペイ遺跡から見たヴェスビオ火山
日本では富士山ももちろんですが、桜島は鹿児島に行けば必ず拝みに行く火山です。まさにその瞬間も噴火が続く桜島からは、大きなエネルギーをチャージできます。 鹿児島は、飛行機から見える霧島連山も絶景ですね。

錦江湾から望む桜島
今は情報過多で、せわしなく感じてしまう時代です。でもそういう時代だからこそ、忙しい日常の中で少し立ち止まって、自分を解放できるオフタイムを持ってみる。それがまたオンタイムへの没頭につながるのではないかと思っています。