2019年度卒業 総代メッセージ【2020年度入学記念号】

法学部総代・宮島 結衣(みやじま・ゆい)さん
思い出深いウィーンへの短期留学
卒業を迎え、とても濃密な学生生活を送ることができたという充実感にあふれています。今回、法学部の総代に選んでいただき、驚いたのと同時に、大学からも自分の充実感を認めてもらえたことがとてもうれしく、自信にもなりました。
そもそも私が法学部を志望したのは、社会的に弱い立場にある人や困難な状況にある人にどのようにアプローチできるか、ということに関心を持ったからです。中でも早稲田を選んだのは、門戸がとても広く、さまざまな人に出会うことができるのでは? と感じたからです。実際、4年間過ごしてみた早稲田の印象は「人との出会いをつなげてくれる場所」というものでした。
私にとって忘れられない思い出でもあるオーストリア・ウィーンへの短期留学も「人とのつながり」がなければ実現しないものでした。入学前の私は、海外に行こうという気持ち自体ありませんでしたが、帰国子女や留学生の方との交流をきっかけに「海外に行きたい」という考えに変化したのです。おかげで、日本では当たり前だと思っていた生活が当たり前ではないことを自分自身の体験とともに知ることができ、大きな学びとなりました。
「障がい学生支援室」でのサポートで視野が広がった
また、大学生活を通じて学びが大きかったことといえば、4年間取り組んだ「スチューデントダイバーシティセンター 障がい学習支援室」での活動も外せません。ここでさまざまな状況にある学生と出会い、サポートに携わってきました。隣で見ていて「自分はまだ努力が足りない。もっとできる」と刺激を受けただけでなく、視野が広がったと感じています。私自身が何かにつまずいたときにも、「頑張っているのは私だけじゃない。世の中を見渡せば私よりも大変な思いをしている人がいるかもしれない」という視点を持つことができたと思います。

2年生の夏、短期で留学したウィーン
この春からは行政系の仕事に就き、女性の社会進出や男女共同参画などを推進していく取り組みに従事する予定です。もともとは考えていなかった進路ですが、就職活動中の面接で「結婚の予定は?」「育児は?」といった質問をされ、「これって男性にも同じように聞いてるのかな?」と不思議に思ったのと同時に、女性のロールモデルがまだまだ少ないんだという印象も受けました。障がい学習支援室で学んだ視野を広く持つことを生かしていきたいと考えています。
5月まで充実した準備期間を
今回、卒業式がない状況で早稲田を巣立つことになり、寂しい気持ちはあります。でも、これから未知の世界に飛び込もうとしている新入生の皆さんの方が寂しさや不安などを抱えていると思います。そんなときにこそ、今のこの状況でもできることは何だろう? と考え、少しでも前向きに過ごすことをお薦めします。それがきっと大学生活のいいスタートにつながるはずです。5月、新しい仲間と出会ったときに互いに自信をもって話せるくらい、楽しく充実した準備期間を過ごしてください。
取材・文:オグマナオト(2002年、第二文学部卒)
撮影:石垣星児