2017年3月に早稲田大学を卒業する皆さんへ、各学術院長・学校長からのメッセージを贈ります。
これらの言葉を胸に、夢に向かって歩んでください。
人生意気に感ず、功名誰か復た論ぜん
政治経済学術院長
須賀 晃一(すが こういち)
人間は、意気に感じる人との出会いによって突き動かされ、そこに自分の進むべき道を見いだすものです。功名に気を取られていては、自己の発見もおぼつかないでしょう。意気に感じる出会いを通じて自己を確立し、社会に貢献してくれることを期待します。
1 位の野暮より別品の粋
法学学術院長
楜澤 能生(くるみさわ よしき)
時流に合った一律の物差しに測られて1位になる野暮よりも、時流を超えた個性を発揮して輝く別品の粋を目指そう!
小事は大事に通ず
文学学術院長
大藪 泰(おおやぶ やすし)
大きな目標をもってほしい。しかし、大きな成果を夢見るあまり、土台を築くことを忘れてはなりません。小さな仕事のたゆまぬ積み重ねが、大きな成果を生み出してくるからです。日々の仕事を疎かにすることなく、誠実にそして丁寧に取り組んでいってください。
信念は嘘よりも危険な真理の敵である(F.W.Nietzsche)
教育・総合科学学術院長
松本 直樹(まつもと なおき)
過去の自分を振り返って、とても恥ずかしく思ったら、それは成長の証です。思考を停止し、自分勝手な「信念」の殻に閉じ籠った者に成長はありません。「信念」とやらは公共の秩序を壊し、戦争さえ引き起こします。考え続ける事をこそ信念として生きたいものです。
健全な懐疑心・批判精神を持て
商学学術院長
藤田 誠 (ふじた まこと)
トランプ大統領誕生に象徴されるように、グローバル化への反動が顕著になっています。世界は常に変化していますが、卒業生各位が、健全な懐疑心・批判精神を持ち、自分なりの社会観・人生観を築き、活躍されることを祈念します。
さあ、科学と社会の最前線へ!
理工学術院長
竹内 淳(たけうち あつし)
大学で学んだこと、そして自己の中に組み立てた科学的論理性を持って科学と社会の最前線に挑戦しましょう。明るい未来を切り開く夢と熱意も忘れずに!
人間万事塞翁が馬
社会科学総合学術院長
山田 満(やまだ みつる)
「人生の禍福は転々として予測できない」ことのたとえです。国際社会が転換期を迎え、誰もが先を読めない不透明さを感じています。だからこそ、危機に直面しても、むしろ危機をチャンスに変える強い気持ちを持って、次の展望を切り開いてください。
関係とは有るか無いかではなく、付けられるか付けられないかである
人間科学学術院長
藤本 浩志(ふじもと ひろし)
私が大学院生だった頃、尊敬する先生の授業中での一言です。何かに出会ったとき、「それって関係無いな」で終わらせるのは簡単なことです。でも自分独自の拘りで物事を関係付け、結び付けることができたら、世界が拡がり新たに繋がって行くように思えます。
人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである
スポーツ科学学術院長
土屋 純(つちや じゅん)
あまりにも有名なV.E.フランクルの「夜と霧」から。与えられることを期待するのではなく、常に自分らしく、誠実に、あなたの人生からの問いに応えていってください。ご活躍を!
To thine own self be true
己に誠実であれ
国際学術院長
Adrian Pinnington(エイドリアン ピニングトン)
『ハムレット』より。あなたが大学で育んだ最も重要な能力は、自分自身の考えを持ち、それを客観的に検証する力です。民主主義を守るには、市民各自が、メディアや世論に流されず社会の行く道を熟慮せねばなりません。常に自分に誠実であり続けてください。
すべての人間の悪は孤独であることができないところから生ずる
芸術学校長
赤坂 喜顕(あかさか よしあき)
ハイデッガーに師事し、政治的弾圧により敗戦直後に獄死した哲学者三木清の言葉。情報過剰社会における思想の皮相化と等質化の危機が進行している。主体的な孤独の中でこそ自らの思索と感覚は深められる。感動を生むために個を取り戻し、想像力を鍛えよう。