あの大先輩も食した! 67年間変わらない味を求めて 「メルシー」
東京メトロ東西線の早稲田駅から徒歩1分。早大生・校友であれば誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろうその名店「メルシー」は、67年間変わらず早稲田の地にお店を構えています。
まさに、ワセメシ界のゴッドファーザー。タモリさんや橋下徹さん、堺雅人さんが訪れていたことでも有名で、「メルシー」の味を求めて多くの早大生が押し寄せる光景は、今も昔も変わっていません。
しかし、2024年6月末に衝撃的なニュースが早稲田の街を駆け巡りました。それは、人手不足によりいったんお店を閉めるというもの。突然の閉店に「メルシー」ロスになる人が続出し、一時は大きなショックに包まれましたが、約3カ月半後の10月8日に待望の復活。店主の小林さんは、「想像以上に反響が大きく、復活直後はたくさんの早大生や常連さんが足を運んでくれた」と語ってくれました。
写真左:入口左手にあるショーケース。招き猫がかわいい
写真右:入口の様子。混雑時はお店に沿って行列ができる
食品サンプルが並んだショーケースの隣にある扉を開けると、一気にノスタルジックな雰囲気に引き込まれます。席は全部で30席ほど。取材では人の少ない夕方の時間帯に訪問しましたが、次から次へとお客さんが入店してきました。メニューにはラーメン、タンメンといった中華料理から、オムライスやポークライスといった洋食も。これは、創業当初喫茶店だった名残で、当時はスパゲッティやサンドイッチ、かき氷などもあったのだとか。
※詳しくは、「メルシーも三品も「永久に不滅」じゃない! 絶やしたくない、伝統のワセメシ」(2018年10月公開)で紹介しています。

店内の様子。壁にはメニューの他に早稲田周辺マップなどが掛けられている
今回はその中から定番のラーメン、チャーハンと、オムライスを注文しました。
最初にいただいたのは、1番人気のラーメン。トッピングはチャーシュー、コーン、もやし、メンマとシンプルですが、一口食べると口いっぱいにしょうゆのうま味が広がる、食べ応えのある一杯です。もちもち感のある中太のストレート麺に濃いめのスープがよく絡み、煮干しの芳醇(ほうじゅん)な香りが鼻をかすめていきます。

「ラーメン」600円
どこか懐かしいような、けれど絶対にここでしか食べられない味。小林さんいわく、「創業当時からずっと同じ作り方で味を紡いでいる」とのことです。長年早大生の胃袋を支え続けてきたのにもうなずけます。

もちもち感がありつつも、つるっとしたのどごしがたまらない麺。もやしとコーンの食感との相性が抜群
そんな味わい深いラーメンをおかずに、次はチャーハンを。トッピングの薄焼き卵とさやえんどう、かまぼことご飯とのコントラストが美しい一品です。高温で炒められたご飯を口に運ぶと、香ばしくもしっとりとした米粒が口の中でほどけていきます。黒こしょうがガツンと効いていて、エネルギーをチャージしたいときにぴったり。スープも付いており、ご飯と交互に食べると最後まで飽きることなく完食してしまいます。

「チャーハン」650円
最後に、町中華の新定番、オムライスをいただきました。メルシーのオムライスの卵は薄め・固め。楕円(だえん)形の銀皿の上でつるんとした卵に美しくくるまれたご飯は、よくあるチキンライスではなくポークライスです。所々におこげが見え隠れしているポークライスは塩味が強く、卵にかかっているトマトケチャップの酸味との相性が抜群。洋食屋さんで食べるオムライスとはまた違ったおいしさを存分に味わえます。千切りキャベツが添えられているのもうれしいです。
「オムライス」750円
決して特別なメニューではないけれど、忙しない日々の中でふとしたときに食べられるとうれしい。そんな食体験は、間違いなく学生生活を彩る思い出、心の故郷の一つになります。ワセメシを象徴する伝統の味を、ぜひ一度食べてみてください。
店舗情報
【店名】メルシー
【住所】東京都新宿区馬場下町63
【TEL】03-3202-4980
【営業時間】火~土 11:00〜15:00、16:00〜19:00(ラストオーダー14:30、19:00)
【定休日】月・日・祝日
【公式通販】早稲田メルシー通販公式 GENSHO
※記事中の価格は全て税込み。
店主の小林さんから早大生へ一言
「もしまだ食べたことがない人がいたら、ぜひラーメンを食べてほしいです!」