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特集

アトムと早大の関係って? アトム通貨で早稲田・高田馬場を盛り上げよう

皆さんはアトム通貨を手にしたことがありますか? 2023年は手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』の初アニメ化から60周年であり、早稲田・高田馬場エリアで使える地域通貨「アトム通貨」の流通開始から20年目というアニバーサリーイヤーです。アトム通貨実行委員会の早稲田・高田馬場エリア事務局は早稲田大学の学生が運営を担っており、アトム通貨普及のために日々活動中です。そこで今回は事務局メンバーや加盟店の方にインタビュー。アトム通貨のあれこれを聞きました。また、「鉄腕アトム」と早稲田大学の公式マスコットキャラクター「ワセダベア」のコラボグッズも紹介します。鉄腕アトムと早稲田大学とのつながりを知ると、早稲田・高田馬場エリアがもっと身近に感じられますよ!

INDEX
▼早大生が活躍中! アトム通貨実行委員会
▼加盟店で「アトム通貨」をもらおう、使おう!(茶のつたや、マチェリア)
▼こちらも注目!「鉄腕アトム」と「ワセダベア」のコラボグッズ(Uni.Shop125、早稲田大学生協)

早大生が活躍中! アトム通貨実行委員会

「アトム通貨を通して、まちや人とのつながりを感じてもらいたい」

アトム通貨実行委員会 新宿支部 早稲田・高田馬場エリア事務局
事務局長 文化構想学部 2年 遠藤 秀真(えんどう・しゅうま)
――「アトム通貨」の仕組みや、入手・使用方法を教えてください。

アトム通貨は、早稲田・高田馬場の地域コミュニティを育み、まちを活性化させるために生まれた地域通貨です。手塚治虫さんの漫画『鉄腕アトム』の中で、アトムは高田馬場にある科学省で2003年4月7日に誕生したと描かれていることにちなみ、ちょうど1年後の2004年4月7日にアトム通貨の流通を開始しました。

アトム通貨は非売型で、10馬力、50馬力、100馬力、500馬力の4種類があり、1馬力=1円として加盟店で使用可能です。店舗独自のサービスを受けられることもあります。流通期間は毎年4月7日から翌年2月末までで、「地域活性化、教育、環境保全、国際協力」という四つの理念に基づいたボランティアイベントで貢献活動を行った際などに通貨が受け取れます。また、早稲田・高田馬場エリアの加盟店は現在120店ほどで、その中には通貨が「使える」だけでなく「もらえる」お店もあり、例えば、マイバッグの持参や飲食店でのマイ箸使用で進呈されます。

アトム通貨のデザインは毎年変わるのですが、今年は記念すべき第20期ということで金色を用いるなど、例年以上に凝ったデザインになっていて、僕自身もお気に入りです。

写真左:2023年4月7日から流通を開始した第20期アトム通貨(10馬力)。使用時におつりは出ないので注意
写真右:2004年の第1期アトム通貨(10馬力)。貨幣単位の「馬力」は、アトムの力が10万馬力であることから、地域通貨にもアトムのパワーを持たせたいという気持ちを込めて設定された

――事務局の構成や活動内容について教えてください。

新宿支部の早稲田・高田馬場エリア事務局は、他の支部と異なり学生が運営を担っています。立ち上げ当初は早稲田大学平山郁夫ボランティアセンター(WAVOC)の職員が事務局長を務めていましたが、途中から学生主体となりました。事務局のメンバーは、鉄腕アトムやその他の手塚治虫作品が好きで入ったという人もいれば、地域での活動やボランティアに興味があるなど動機はさまざまです。僕はもともと別のボランティアサークルに入っていて、その活動の中でアトム通貨を知ったのをきっかけに参加するようになりました。

アトム通貨の流通には地域の商店会やNPOといった多様な団体・人たちとの連携が欠かせません。そのため、商店会の会合に出席したり、地域のイベントにも積極的に参加しています。

他には、年末年始の頃には地域の企業を訪問し、活動報告や協賛金のお願いをしたり、3月には流通期間に使われたアトム通貨を回収・換金するため加盟店を回ります。次期のリーフレットやポスターの制作、通貨の準備も同時に進めるためハードな時期ではありますが、みんなで協力して頑張っています。

アトム通貨の仕組み

――活動を通して印象に残っていることはありますか?

2022年5月に、大隈記念講堂前のスペースでボランティアサークルや戸塚警察署の皆さんと一緒に、地域の子どもを対象とした「自転車教室」を開催しました。参加した子どもたちにアトム通貨を渡したのですが、すごく喜んでくれたことが印象に残っています。また「早稲田祭2022」に出展した際、アトム通貨を目当てに遠方からいらした方が、過去のアトム通貨のことなども話してくださってうれしくなりました。加盟店の方の中にもアトム通貨のデザインを毎年楽しみにしてくださる方がいますし、通貨回収時に「こんなに使ってくれたよ」などと言葉をいただくとやりがいを感じます。

毎年9月には、「早稲田地球感謝祭」という環境に関する大きなイベントが早稲田キャンパスで開催されるのですが、2022年度はコロナ禍の影響で抽選会しかできなかったんです。今年は本格的に復活する予定なので、そこでもアトム通貨をアピールできたらと思っています。

写真左:2022年5月に開催された「自転車教室」の様子。参加者には500馬力を進呈した
写真右:2022年11月に大隈通り商店会で開催された「西早稲田こども天国」では、バルーンアートを行った

――これからの活動についてと、最後に早大生へ向けてコメントをお願いします。

アトム通貨は地域のイベントで配布することが多く、長年この地に住んでいる方々へはアピールできていると思う一方で、早大生への周知はまだまだ不十分だと感じています。特にコロナ禍で飲食店をはじめとしたお店に足を運ぶ機会が減ったり、かつて早稲田キャンパスで行われた「打ち水大作戦」のような早大生向けのイベントが開催できなかったことが大きく影響しています。本年度は制限が緩和されてきているので、アトム通貨のことを知ってもらうためにもいろいろなイベントを企画したいですね。

早稲田大学で過ごす4年間という限られた時間の中で、大学周辺のことを知ると、キャンパスライフがもっと楽しくなると思います。イベントなどでアトム通貨をゲットしたら、加盟店で使用してみてください。そして、アトム通貨を通してまちや人とのつながりを感じてもらいたいです。

写真左:2019年9月「打ち水大作戦」の様子。ヒートアイランド対策や節電といったエコ意識の共有を目的に行った
写真右:事務局メンバーが着用する法被の背にはアトムのシルエットが。事務局は早稲田大学公認サークルでもあり、メンバーは随時募集中

―アトム通貨実行委員会本部から見た、事務局で活動する学生の姿―

アトム通貨実行委員会 本部広報(株式会社手塚プロダクション クリエイティブ部 統括プロデューサー)
日高 海(ひだか・うみ)

さまざまな団体・人の協力により誕生した「アトム通貨」ですが、社会が変化する中でも途切れることなく20期を迎えることができました。発足から約20年の間、多くの早大生が事務局のメンバーとして地域の役に立ちたいと、この地を第2の故郷として愛着を持って駆け回ってくれました。中には、小さい頃にアトム通貨に触れたことをきっかけに早稲田大学へ入学し、事務局のメンバーになった人もいます。卒業後もいろいろな形で関わり続けてくれる人が多く、つながりの強さを感じます。また、学生は世代交代がある中で、しっかり引き継ぎを行い次年度の後輩にバトンを渡し続けてくれたことに大変感謝をしています。

アトム通貨実行委員会編(2015)『アトム通貨で描くコミュニティ・デザイン 人とまちが紡ぐ未来』(新評論)にも活動の様子が記されている

アトム通貨は人と人、まちと人といったつながりによって成り立つ地域通貨であり、人と距離を置かねばならなかったコロナ禍において、事務局の学生メンバーは非常に苦しんだと思います。その一方で、つながりの大切さを再認識し、この逆境において自分たちができることは何かと、自ら考えて行動に移す主体性が培われたようにも感じます。そういった行動力は若者の柔軟さであり武器のはず。これからも学生だからこその企画をどんどん立案・実行してほしいですし、私たちはそのサポートができればと思います。

多くの早大生にとって早稲田・高田馬場エリアは大学生活におけるホームグラウンドとなりますが、まちとお店、大学との関係など広い視点を持ち、時にはお店の人とじっくりコミュニケーションを取ることで、より愛着が湧くかもしれません。アトム通貨が紙というアナログな形であるのは、通貨としての価値以外の部分も大きいと思います。まちとつながるきっかけにアトム通貨を使っていただけたらうれしいです。

 

団体情報
【団体名】アトム通貨実行委員会 新宿支部 早稲田・高田馬場エリア事務局
【活動場所】戸山キャンパス 学生会館 E532
【E-mail】[email protected]
【Webサイト】http://atom-community.jp/waseda-takadanobaba/
【Twitter】@atom_c_wt

加盟店で「アトム通貨」をもらおう、使おう!

現在、早稲田・高田馬場エリアの加盟店は約120。飲食店や古書店、薬局など多岐にわたります。今回はその中から厳選した2店舗を紹介します。

加盟店はこのステッカーが目印

高田馬場で創業して95年「茶のつたや」

(左から)3代目店主の清水克弘(しみず・かつひろ)さん、女将の清水明子さん

「茶のつたや」女将 清水 明子(しみず・あきこ)
――「茶のつたや」はどのようなお店でしょうか。

1928(昭和3)年、高田馬場駅から早稲田大学へ向かう早稲田通り沿いに店を構え、今年創業95周年を迎えました。第二次世界大戦の空襲で建物が焼失したものの再建し、現在の店主は3代目です。

お茶屋なので茶葉をはじめ急須や茶道具、お茶菓子といったお茶関連の商品はもちろん、海苔や雑貨なども販売しています。茶葉は静岡をメインに、近いところでは狭山茶から九州の知覧や八女まで、全国のものを扱っています。

3代目が店を継いでからはカフェ営業も始めました。毎日店主が京都・宇治の抹茶を練って作る抹茶ソフトクリーム(※)などの甘味も用意しています。今は自宅で急須を使ってお茶を飲む人が減っていると思いますが、だからこそ当店でいろいろなお茶を気軽に楽しんでいただきたいですね。

(※)5月中旬~10月初旬のシーズン限定。

写真左:茶のつたやは高田馬場駅早稲田口から徒歩1分ほど。早稲田通り沿いに位置する
写真右:店内のカフェスペースは全30席でWi-Fiも完備。各地の煎茶から抹茶、和紅茶までいろいろなお茶を楽しめる

――アトム通貨の取り扱い状況について教えてください。

アトム通貨を立ち上げる際にWAVOC職員の方から声を掛けてもらったのですが、特に環境保全という理念に賛同し加盟しました。日本は過剰包装な面があり、それはお茶の販売についても同様で気になっていたんです。最近SDGsが注目されていますが、アトム通貨はずっと前から環境に配慮した取り組みを行っていて素晴らしいですよね。

当店では、アトム通貨を会計時に使用できるだけでなく、購入内容によって進呈もしています。例えば、お茶缶の購入や、容器を持参して茶葉を量り売りで購入した場合、中袋(プラスチック)を使わずエコにつながるということでアトム通貨をお渡ししています。他には、急須や大きな風呂敷などの購入でもアトム通貨を進呈しているんですよ。通貨を渡す際に初めてアトム通貨の存在を知る方もいるので、この取り組みがもっと広まればと思っています。

写真左:アトム通貨に関する案内。急須の金額によっては500馬力がもらえる
写真右:留学生などの外国人の来店も多いことから英語での案内も

――早大生に向けてコメントをお願いします。

これまで多くの早大生が当店を利用してくれています。在学中に通ってくれていた学生が卒業時にあいさつに来てくれたり、勉強のためにカフェを利用していた学生が就職の報告に来てくれたこともあるんです。コロナ禍前は、飲み会までの空き時間をカフェで過ごす学生も多かったですね。

当店が皆さんの学生生活が潤うきっかけになれたらと思っています。早大生の皆さんとたくさん交流したいので、高田馬場に唯一残る老舗のお茶屋に、まずは一度足を運んでいただけたらうれしいです。

店舗情報

【店名】茶のつたや
【場所】東京都新宿区高田馬場1-17-17
【TEL】03-3200-0285
【営業時間】平日:11:00~18:00、土日祝:12:00~18:00
【定休日】第2・第3水曜日及び毎週木曜日
【Webサイト】https://cha-tsutaya.wixsite.com/chatsutaya
【Twitter】@cha_tsutaya28
【Instagram】@cha_tsutaya

大学周辺飲食店のお弁当が集結「マチェリア」

まっちワークグループ早稲田(公認サークル)のメンバーが販売を手伝っている

「マチェリア」現場担当 小林俊樹(こばやし・としき)
――「マチェリア」はどのようなお店でしょうか。

店名の「マチェリア」は、「マチ+エリア」から付けられた

早稲田大学周辺商店連合会(通称、W商連)が大学に働き掛けて、2015年に早稲田キャンパス7号館1階にオープンしました。メインで行っているのはW商連加盟店のお弁当販売です。コロナ禍により2020年から3年間は休業を余儀なくされましたが、この4月にようやく再オープンを果たしました。

現在は、Ile des pain(イルデパン)、十文字、創作中華香港手作り点心チャイ、forucafe(フォルカフェ)、早稲田のこだわり屋、早稲田モンスターズキッチンの6店舗のお弁当を販売しています。お弁当は午前11時半過ぎにそろうのですが、そこから少しずつ訪れる学生が増え、2限が終わると一気に売れて13時過ぎにはわずかに残る程度。学生はもちろん教職員にも常連がいますね。

今は1日200食ほどの売り上げですがコロナ禍以前は1日300食ほどだったので、もっと多くの方に来てほしいです。

お店から届くお弁当は11時半過ぎにそろう。全て600円でボリュームのあるものばかり(現金の他、アトム通貨での支払いも可能)

――アトム通貨の取り扱い状況について教えてください。

お弁当を含め、会計時にアトム通貨を使用できます。コロナ禍以前はアトム通貨を進呈できるプロジェクトに参加していたので、今後またそういったプロジェクトにも対応できるようにしていけたらと考えています。学生の皆さんもイベントなどでアトム通貨を入手したら、マチェリアはもちろん加盟店でどんどん使ってみてはいかがでしょうか。

――早大生に向けてコメントをお願いします。

W商連のお店の味を気軽に味わえるお弁当は、種類豊富でボリューム満点なものばかり。好みに合わせてオススメを提案することもできますので、悩んだときは遠慮なく声を掛けてください。営業を再開して2カ月ほどで利用者も徐々に回復してきましたが、まだまだこれからだと思っていますので、たくさんの方のご来店をお待ちしています!

写真左:マチェリアは早稲田キャンパス7号館1階、6号館側の入り口を入ったすぐ左に位置する。看板が目印
写真右:お昼休みの時間帯は建物入り口付近にテーブルを設置し、2カ所に分かれて販売している

店舗情報
【店名】マチェリア
【場所】早稲田キャンパス 7号館 1階
【営業時間】10:00~15:00(弁当販売は11:30頃から)
【定休日】日曜日

◆その他の早稲田・高田馬場エリア加盟店情報はこちら

こちらも注目!「鉄腕アトム」と「ワセダベア」のコラボグッズ

早稲田大学と鉄腕アトムのつながりは「アトム通貨」だけではありません。2020年に大学公式マスコットキャラクター「ワセダベア」が生誕20周年を迎えたことをきっかけに、鉄腕アトムとのコラボグッズが発売されました。グッズを販売しているUni.Shop125と早稲田大学生協にそれぞれのオススメを聞きました。

Uni.Shop125

(左奥から手前に)ハンドタオル(500円)、キーホルダー(800円)、Tシャツ(3,200円)

「オススメはTシャツキーホルダーです。Tシャツは6色あるので、好みに合わせて選んでいただけます。立体感のあるキーホルダーはデザインが2種類。バッグや鍵などに付けてもちょうど良いサイズのため、ワンポイントの目印にもなります。新宿という共通の地で生まれた、鉄腕アトムとワセダベアのコラボ商品はどれもかわいいデザインですので、ぜひご来店いただき、商品を直接チェックしてみてください。」(Uni.Shop125担当者)

◆店舗営業時間はこちら
◆オンラインショップはこちら

写真左:Uni.Shop125は大隈記念講堂や大隈庭園のすぐ近く
写真右:店内に入ってすぐがUni.Shop125。奥は併設のUni.Cafe125

早稲田大学生協(ライフセンター)

(左から)マグカップ(1,540円)、フェイスタオル(2,200円)

フェイスタオルは、野球などの早慶戦や早稲田駅伝といったイベントで大活躍の商品です。また、マグカップは日常的に使えるグッズのため、校友(卒業生)の方はもちろん在学生にも人気です。ライフセンターでは、大学イベントを楽しめるグッズや学生生活が楽しくなるグッズを多数取りそろえています。その中でも鉄腕アトムとワセダベアのコラボ商品はとても人気です。ぜひ手に取ってみてください」(長崎主任)

◆店舗営業時間はこちら
◆オンラインショップはこちら

写真左:早稲田キャンパス17号館1階に位置するライフセンター。アトム通貨が使用可能
写真右:ライフセンターでは、生協が販売するコラボグッズの全商品がそろう

(※)記事中の価格は全て税込みで、情報は取材当時のものです。

【次回フォーカス予告】6月26日(月)公開「図書館特集」

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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