The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

Contextualizing Self in Society

科目「体験の言語化」

体験を自分の「コトバ」にする経験を語ること。自分と社会を知ること。

全学オープン科目「体験の言語化」は、教員1名につき履修生15名の少人数クラスで授業が行われます。履修生は「自分が心に引っかかった体験」を思い起こし、その体験を改めて捉えなおす中で、個人の体験を単なる個人的な経験ではなく、社会の課題に結びつけ、「自己を社会に文脈化する」思考プロセスを学びます。
一人ひとりがクォーター8回の授業を通じて、5分間の「語り」にまとめていきます。「体験の言語化」が目指すのは、「批評は得意で頭でっかち、行動はしない」受け身の学生が、「主体的に学び、行動する」学生へ変わっていくこと。社会で起きている問題や自分が体験したことから問題を発見し、考え、そして行動する第一歩を応援しています。

科目「体験の言語化」とは?

グローバルエデュケーションセンター科目「体験の言語化」は、全学部の学生が受講可能です。 合計8回からなる授業は、各クラス15名の少人数。 ボランティアやサークル、アルバイト、留学、スポーツなど多様な経験を持ちより、その経験を授業内で共有する。教員はファシリテーターを担い、学生の自主性が大切にされる参加型授業のスタイルで展開されます。 体験を自分の言葉で語る力、体験から社会の課題を発見する力、こうした体験から学ぶ力をつけることで、所属する学部での専門科目を意欲的に学び、行動することや、社会に出てからの主体的な問題意識設定や解決のための行動をとる力にもつながります。それは早稲田大学が目指すグローバルリーダーの人材育成にもつながることが期待されています。

科目「体験の言語化」の特色

  • 手法① 「自分の体験」と「社会の課題」をつなげる
  • 特色① ⇒自己を社会の中に文脈化する⇒当事者性を獲得する仕組み
  • 手法② 授業中に「個人ワーク→グループワーク→全体発表+教員・TAと議論」という時間がある
  • 特色②多角的視点を養う
  • 特色③毎回の授業が「体験の言語化」(最終発表だけでない)
  • 特色④教員は「教える」のではなく、学生が言語化するプロセスを「支援する」

授業の構成

第1回 参加型授業の心がまえ
第2回 「心にひっかかった場面」を思い出(ペアワーク)
第3回 「相手の気持ち」を想像する(ロールプレイ【演じてみる】)
第4回&第5回 社会課題を発見する(マッピング)
第6回 発表の構成をつくる(「個人の体験」を「社会の課題とつなげる)
第7回&第8回 「語り」発表とディスカッション(語る)

授業の評価は、「WASEDAメソッド」と呼ばれる評価方法を開発、導入されています。授業を通じて得た知見を踏まえて、シリーズに関わった教員たちも全学で汎用可能な「体験の言語化」科目の開発をめざし、蓄積された実践・知見の構築で生まれた指導者用ガイドブックに沿う形で評価が行われています。

科目「体験の言語化」 自己評価ルーブリック

「体験の言語化」では複数の教員が同じ方法を用いて授業ができるようにその方法が体系化されています。その一つとして、この授業の目指す目標を明確にするシートを開発しました。「ルーブリック」と呼ばれるものですが、これは教員が指標とすると同時に、受講者が自己評価のためにも使用しています。

科目一覧

モデル学生の語り
※オンライン授業により自宅で撮影した発表映像を含みます。

「社会における孤立への不安から『言葉の檻』に入れてしまう」 文化構想学部2年・長澤さん

孤立への不安や恐怖から、他者を言葉によって定義してしまう行動を「言葉の檻に入れる」と名付けたことは、高いオリジナリティがあります。そして、この背景にある課題を、「社会で孤立しないように」「自分を安定させたい」といった多くの人が共通してもっている認識に結びつけられている点も評価できます。また、発表方法として、ダイナミックなジェスチャーを取り入れて、言葉だけではないインパクトをもたらしている点も斬新です。

「正論を押しつける『できの悪い裁判官』ではなく、『弁護人』でありたい」

先輩が、ミスした友人を一方的に批判する様子を「できの悪い裁判官」と表現したことは、たいへんインパクトがあります。さらに、なぜこのような行動をとったのかについて考察を深め、「自分の承認欲求に向き合えていない」という、背後にある課題にたどりついています。思考を深める過程で、たびたび立ち止まって、「では、自分自身はどうなのか?」「自分の正義を主張すること自体は悪くない」など、多様な価値観を視野に入れながら考察している点は高く評価できます。

「男性はこうあるべきの規範は弱った男性を苦しめる」 文学部4年・田村さん

祖父が感じる情けなさは、その背景に「家父長として尊敬されるべき」という男性のあるべき姿が内面化されていると分析されています。ジェンダーの規範が、社会の構造として男性に支配される女性の立場からだけではなく、心身が弱くなった男性をも苦しめるという気づきは、社会課題の発見のプロセスとしてオリジナリティがある点です。

「『嫌われたくない症候群』が引き起こす矛盾は、社会に多く存在している」 文学部1年・大場さん

彼は、自分の立場を守りたかった(=嫌われたくなかった)がために、本音を出せずリーダーにも女子たちにも信頼されなかったのだという結論に達しました。そして、長期的な信頼関係を築けなくするこのような態度を『嫌われたくない症候群』と名付け、それは社会に広く蔓延しているものだと指摘しています。自身の体験を普遍的な社会の課題に繋げ、分かりやすく表現した点が評価できます。

「この体験を通じて見つけた社会の課題は、社会問題と私たちの中の「つもり」が持つ負のスパイラルです」 文学部3年・森田さん

体験から理不尽なことを言う先輩に逆らえない権力関係を指摘し、それに反発したつもりでも、結果として場の力学に働きかけていないことで、実は問題を強化しているということに気づいていきます。この問題をオリジナルな「つもりが持つ負のスパイラル」と表現することで自分の問題につなげたプロセスが評価されました。

「『自己否定による他人任せ』は、後輩だけではなく自分にもあてはまる社会の課題だった」 文学部3年 藤田さん

この学生はまず、「ミーティングに行かない」と後輩が言った背後には、「自分がやったところで何も変わらない」と自分を過小評価させる力があることに気がつきました。そして、この力は「僕が言っても後輩は変わらない」という自分の考え方にも影響を与えていると気づきました。そして、二人の背景にある共通の力を「自己否定による他人任せ」という社会の課題として表現しています。このように普遍性を持つ社会の課題としてストーリーを展開させたことが体験と社会の課題との有機的なつながりを表現した点として評価できます。

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