Waseda Goes Global: A Plan to Build a Worldwide Academic Network That Is Open, Dynamic and Diverseスーパーグローバル大学創成支援「Waseda Ocean構想」

News through 2023

2023年度までのニュース

教員インタビュー:宮下 政司 教授

運動や食事による代謝性疾患の予防をテーマに有用性や生理学的作用機序を探る

エネルギー代謝に着目し代謝性疾患の予防法を研究

動脈硬化症をはじめとする代謝性疾患の予防には、習慣的な身体活動(運動と生活活動)の実施が有効的であることが実証されています。一方で、国内の統計によると、日頃から習慣的に運動している人の割合は約3割にとどまるのが現状です。私たちの研究室では、日常生活の中で無理なく続けられる身体活動や食事による代謝性疾患の予防をテーマに、その有用性や生理学的作用機序について、エネルギー代謝に着目して研究に取り組んでいます。並行して、アスリートのパフォーマンス向上やコンディショニングの観点でも研究を進めています。こられの基礎研究や応用研究から得た成果を、社会へ広く還元していくことを目指しています。

研究成果を社会実装につなげることを重視

従来の考え方では、健康づくりの視点において運動を一定時間連続して行うことを推奨されてきました。これに対し、当研究室を含めた最近の研究結果により、1日の中で運動時間を小分けしても、その積算で脂質代謝が促されることが分かってきました。この最新の知見は他の国外の研究グループでも同様に報告されており、2020年、身体活動に関する新たな指針が世界保健機関(WHO)より示され、1回あたりの連続した活動時間「最低10分」という文言が撤廃されました。当研究室では、こうした身体活動ガイドラインをはじめとする施策・政策を意識した実験系研究も行っています。また、食品系の企業との共同研究の機会も多くあり、企業から提供を受けた素材について、その有用性を高める摂取のタイミングや量について人を対象とした研究にて実証していきます。最近の例では、株式会社ロッテとの共同研究で、ウォーキング中にガムを噛むことで時間当たりの歩行距離とエネルギー消費が増加することを確認しました。

研究成果をいかに社会実装につなげるか、という視点は学生にも求めています。当研究室では「インパクトのある研究からより良い健康づくりへ」を目標に掲げていますが、このインパクトとは、研究としての質の高さのみならず、社会にとっての有用性も指しています。学生には、自身が取り組む研究の社会的な意義を常に考え、その観点も盛り込んだ質の高いジャーナルへの投稿を目指すよう指導しています。

海外協定校をはじめ国内外の研究者と連携

スポーツ科学学術院では、文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業のモデル拠点として、海外の協定校との学術・教育交流に力を入れています。従来の研究室単位での交流にとどまらず、大学組織として、より包括的に連携を深める取り組みが行われています。学生にとっても、研究室の狭い世界に閉じず、グローバルに視野を広げながら研究を進められることは大きな利点です。国際学術交流の豊かなネットワークがあり、それを実際に活用できる仕組みが整っていることは早稲田の強みと言えます。

地道な実験を中心とする研究活動を根気強く続けていく上で、一番の推進力は、やはり研究を楽しいと感じる気持ちだと思います。多様な国籍の学生と切磋琢磨し合える刺激的な環境や、国際学術交流の機会は、その一助となるでしょう。アカデミックな作法をしっかりと身につけるとともに、自分らしい創造性や主体性を発揮して研究に取り組んでほしいと思っています。


プロフィール
専門は運動代謝学、運動栄養学、健康科学。英国Loughborough University School of Sport and Exercise Sciences 博士課程修了。博士。早稲田大学スポーツ科学学術院研究院助教、東京学芸大学准教授、早稲田大学スポーツ科学学術院准教授などを経て2021年より現職。

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